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自閉症スペクトラムの女の子は「考える」や目的語を多く使う

time 2019/04/26

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自閉症スペクトラムの女の子は「考える」や目的語を多く使う

自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断される男の子は女の子の4倍もいます。
しかし、ASDの女の子はもっといると考えられることを示す研究が最近増えています。
米フィラデルフィア小児病院(CHOP)による新しい研究では、自閉症スペクトラムの女の子と男の子が話しているときに使う言葉についての違いを調べました。
その結果、自閉症スペクトラム障害の女の子は、「考える」「知っている」など認知プロセスに関わる言葉を、同じ程度の自閉症スペクトラム障害の男の子よりも多く使っていることがわかりました。
この研究は”the journal Molecular Autism”に掲載されています。
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研究チームは、このような使う言葉の違いを認識することで、自閉症スペクトラム障害の女の子が正しく診断を受け、生活の質をよりよくできるための支援を受ける扉を開けるものだと伝えます。
「自閉症スペクトラム障害の女の子は、男の子とは異なる特性を示す傾向があります。
そのため、これまでの標準的な診断ツールでは誤って診断されたり、見落とされたりしてしまうのです。」
そうCHOPの自閉症研究センターのジュリア・パリッシュモリス博士は言います。
「これまでの自閉症の研究では、対象となった自閉症の男性の数は女性より3倍から6倍いました。
これは、自閉症スペクトラム障害の性別による違いが未だにわかっていないことを意味します。」
誤った診断は、早期療育が行われないこと、行われてもその内容が適切ではないかもしれないことにつながります。
多くの自閉症の女性が、大人になるまで診断されることなく、重大な社会的な困難や周りの人とは異なるという認識を持っていることが報告されています。
「自閉症は観察できる行動によって診断される、社会的な状態です。
なので、私たちは観察可能な行動をもっと研究したいと思っています。」
これまでの研究で、話をするなかで、認知プロセスに関わる単語が少ない自閉症スペクトラム障害の人は、社会的な困難をかかえやすいことがわかっていました。
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今回の研究では、認知プロセスに関わる単語と、目的語となる名詞についても焦点を当てました。
それらは、性別による違いを見いだせるほど、自閉症スペクトラム障害の女の子の参加者がいませんでした。
今回の研究では、自閉症スペクトラム障害と診断をされた21人の女の子と41人の男の子、そして自閉症スペクトラム障害でない19人の女の子と21人の男の子が参加しました。
子どもたちに、漁師や猫、鳥などが写っている写真のセットを見てもらい、それらについて語ってもらいました。
その結果、自閉症スペクトラム障害の女の子は認知プロセスに関わる「考える」「知っている」などの言葉を、同程度の自閉症スペクトラム障害の男の子よりも明らかに多く使っていました。
自閉症スペクトラム障害の有無にかかわらず、女の子は多くそうした認知プロセスの言葉を多く使っていました。
また、自閉症スペクトラム障害の女の子、男の子、ともにそうでない子どもたちに比べて、名詞を多く使う、目的語を多く使う話し方をしていました。
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このように自閉症スペクトラム障害の女の子は、
そうでない女の子と共通して「考える」「知っている」などの言葉を多く使い、
そして自閉症スペクトラム障害の男の子と同じように、目的語を多く使う話し方をしていました。
「お話をしてもらうことで、自閉症の女の子と男の子で違う点、同じ点がわかりました。
この結果は、性別の違いにあわせた、自閉症スペクトラム障害の診断の実現につながるはずです。」
(出典:米ScienceDaily)(画像:Pixabay
正しく診断をされなかったために、適切な支援を受けることができなかった女性の可能性についてよく伝えられています。
適切な支援を受けるために診断が正しくされることは本当に重要です。
こうした研究に基づいて、正しい診断がいち早く普及することが望まれます。
発達障害と診断をされた女の子が男の子に比べて重度の理由

(チャーリー)


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