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私は自閉症ですが電車ではなく「タイタニック」が大好きです。

time 2024/01/11

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

私は自閉症ですが電車ではなく「タイタニック」が大好きです。

「ああ、あなたは自閉症ですか。
それなら、きっと電車が好きでしょうね。」

私が自閉症であると知った人からよく言われる言葉です。
私はいつも笑いながら、皮肉を込めて「そういうタイプの自閉症じゃないんです」と返します。

しかし最近、私も「電車が好きな自閉症」であることに気づかされました。

私の場合、陸を走るのはなく海を走ります。
他の自閉症の人たちとの深い「議論」(私達にとっては、お互いに相手が聞いていないことを承知で、事実を叫び合うこと)を通じて、それが私にとっては自閉症に関連するものと同じくらいの重要なことがわかりました。

「タイタニック号」です。

私がタイタニック号に興味を持ったきっかけは、はっきりしていませんが、おそらく私の電車が大好きな友達から来ていると思います。

彼の部屋は蒸気、鉄道、エンジンに関する本であふれていて、訪れるたびに、私はその中の本をこっそり読みました。
エンジンにはとくに興味がわかなかったものの、夢中になっていろいろ読みました。

彼の持っていた3冊の分厚い本が鮮明に覚えています。
それぞれの背表紙には大きな文字が書かれていました。

「TITANIC(タイタニック)」

そこで、私の興味が生まれたと思います。
私は2歳の頃からこれらの本を読み始め、何度も何度も表紙から表紙まで読み返し、親や祖父母に全ての古本屋、書店、アンティークショップに連れて行ってもらい、私が手に入れられるだけタイタニックの本を集めました。

今になっても、タイタニックについて何が私をそんなに深く魅了しているのかは分かりません。
ですが、それは私の最も長く、最も深い特別な興味の一つとなっています。

その魅力は、その神秘と伝説にあるのかもしれません。

「ほとんど沈まない」とされた船が、海事史上最大の悲劇の一つになってしまったこと。
その船に乗っていた2240人の人たちと、それにまつわる話。
沈没から112年たった今でも、タイタニックが新しい話、新しい情報を与え続け、文字通り新しい世界を開いてくれること。
タイタニックはまだ私たちに語りかけています。

12歳の時、初めてのタイタニック展が近くのオーストラリアメルボルン博物館に来ました。
誕生日プレゼントで私は見学に行きました。

その時点で、タイタニックは10年間、私の特別な興味となっていました。
選択的に無口な子供だった私が声を出した最初の場所になりました。
解説する人や来場者に、彼らが見落としていた事実を教えるためでした。

14年後、私はアイルランドのコブへの旅をしました。
そこは、タイタニック号が最後に停泊した場所です。

それから、タイタニックが建造され10万人が見送った、ベルファストへ行きました。

一瞬で、1912年のあの日に自分がタイタニック号の出発を見送っているように感じました。

今週から、再びメルボルンで、タイタニック号の展覧会が行われました。

200点以上の発掘品が展示され、展示会全体にわたって豊富な話、歴史があります。
この展示会場を歩いていると、敬意を感じずにはいられません。
新しいことを学ぶこと、少しでもつながりを感じることができます。

展示会を出るとき、「我々は皆、タイタニック号の乗客である」というメッセージが見送ってくれました。

それは真実であると私は思います。

どんな人でもタイタニック号と何らかのつながりを見つけることができるでしょう。
もっと直接的には、あなたの親戚が彼女の建設に関わっていたり、タイタニック号に乗っていたり、あなたの故郷の誰かが関わっていたりするかもしれません。
私は、私の故郷出身のドナルド・S・キャンベルという人が沈没で亡くなったことを知りました。

ある人の一生の全てが、今は博物館の箱の中にある彼らが着ていた服のポケットの中にあるのを見たり、あなた自身のものに似ているかつて愛されていたネックレスの残骸を見たりすると、私たちとそんなに距離がないように感じます。

いつか、タイタニック号は海の底からも消えてしまいます。

海底に沈んでいるタイタニック号の残骸から2010年に発見された、タイタニック号に因み命名された「ハロモナス・ティタニカエ」という微生物が、食べ尽くしてしまうからです。

しかし、タイタニック号は海の底で二度目の最期を迎えても、ずっとずっと生き続けるでしょう。
それは、時間が経つにつれて伝説や都市伝説になるかもしれない話のせいだけではありません。
発掘された品物、回収された持ち物に見られる人間性、私たちが見ることができるもの、感じることができるもの、触れることができるものがあるおかげです。

最近、私の講演を聴いた方から贈り物をもらいました。
それは、タイタニック号向けに、所有企業のホワイトスターライン社が作った灰皿です。

この灰皿は、底にわずかな凹みがあったため、「不完全」とされ、タイタニック号に置かれることはありませんでした。
その「不完全さ」のために、この女性の祖父が灰皿を家に持ち帰りました。

数週間後、それは北大西洋の底に沈むことのなかった唯一のホワイトスターライン社の灰皿となりました。

違いがあったために、生き残ったのです。

タイタニック号が大好きな、自閉症の私にとって、これほど素晴らしい逸話はありません。

(出典:豪ABC)(画像:たーとるうぃず)

「違いがあったために、生き残ったのです。」

事実が示すように、違うことは、決して悪いことではありません。

発達障害の人の特徴となっている能力で人間は氷河期を生き延びた

(チャーリー)


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