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発達障害の子を助ける心理療法士を目指すロボット

time 2016/07/23

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発達障害の子を助ける心理療法士を目指すロボット

ロボットが医療現場の忙しさを解消します。
技術の進歩にあわせて、ロボットは心理療法士の役割も担うことになりそうです。
発達障害の子を助けたり、糖尿病を持つ方に運動をさせたり、アルツハイマーのお年寄りの同伴者になったり。
ヘルスケア産業は今、もっとも自動化の恩恵を受けようとしています。マッキンゼー社の調査では、自動化によって看護師の仕事の30%を減らすことができそうです。
ヘルスケア分野において求める声は強く、人手不足を解決する鍵となるのはロボットとみられています。そのゴールは多くの患者に充分に目が届いてない現状を解消することです。
「私たちは発達障害における利用の研究を進めています。現在、発達障害と診断される子どもたちが多くなってきているためです。」
南カリフォルニア大学のマヤ・マタリク教授が言います。
米国では68人に一人が発達障害と診断されています。
現在の人員では対応しきれない規模での対応サービスが求められてきています。
マタリク教授は「ソーシャル・アシスト・ロボット」の開発を12年前からスタートしました。そのロボットは感情を表し仮想の人格を持つものです。
bandit
そして今、企業と提携し、他よりも人間らしい人工知能を開発しています。南カリフォルニア大学での研究結果を利用したものです。人が周りの人とやりとりするときのデータ、会話の流れや何か作業をして完了するまでにかかった時間などの情報を、埋め込まれたセンサーが取得し賢くなっていきます。
ロボットは発達障害の子どもに、まわりとやりとりをするにあたっての適切な振る舞い方を教えることができます。時には、人間の心理療法士が苦労した、子どもの行動を引き出すことまでも。
たしかに子どもによっては、ロボットは人間よりも威圧感がありません。また、一貫して同じ振る舞い方をすることも、心理療法にはメリットになるとマタリク教授は言います。
マタリク教授はある研究でロボットを使って、発達障害の子どもたちに、「共有」することを教えました。子どもたちとロボットが一緒に、順番を待って行うゲームをします。すると子どもは他の人を待って、いつ自分の番なのかを理解することができるようになりました。最初はロボットと一緒に遊びますが、やがて他の子どもをゲームに誘うようになります。
「ロボットが手伝う心理療法の成功の秘けつは、単にユーザとロボットという関係にしないこと。そうではなくて、ロボットも他の「人」と考えること。
何か人より足りないロボットという存在が、特に発達障害教育において、社会的な振る舞いを考えるのに役立つものなのです。」
 
南カリフォルニア大学、イエール大学、マサチューセッツ工科大学、そしてスタンフォード大学のパートナーシップで行われる新しい研究では、発達障害の子どもがいる30の家庭にロボットを提供します。
研究者達は、その子どもや親、そしてロボットとがどんな交流をするのかを調査し、ロボットによるセラピーの効果を検証します。これは今まで行われることのなかった研究調査になります。
もう一つの研究では、ロボットの「マキ」をロサンゼルス子ども病院において、子どもの生活に寄り添い、子どもの恐怖を減らす専門家の隣で一緒に働かせます。
近い将来には専門家の代わりになり専門家のおまけではなくなるはずです。というのも、専門家の数が足りないためです。とマタリク教授は言います。
ロボットのマキは、トラウマに悩む子どもたちに役に立つものになります。例えば、一緒にゲームで遊んだりして、ロボットは子どもの気を紛らわしたり、起こったことを順に、正しく説明したり、気が楽になる思い出を見せたりします。
たくさんの企業が、ソーシャルアシストロボットを製品化しようとしています。近いうちに病院、学校、そして家でロボットを目にするのが当たり前になるはずです。
既に、ロボカインド社では、発達障害児向けのロボットを販売しています。その名はミロ。テキサス大学との共同開発で約50万円です。
ロボカインド社は教育関連市場に焦点をあてて、既に100の学校で採用されています。
 
マタリク教授も自分の会社を立ち上げました。ロボット掃除機のルンバのように、大量生産をして価格を下げることを考えています。数十万人の市場があり、5万円以下で販売ができるようになると試算しています。
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「現実に必要とする人たちの手に届くようにするには、もっと手頃なものにしなければなりません。」
(出典・画像:米CNBC
マタリク教授は10数年前からずっと発達障害児向けのロボットの研究をしてきたとのこと。ルンバのようにお手軽価格のロボットが先日ご紹介したLekaのようにどんどん出てくるのはよいですね。

(チャーリー)

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