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目が見える人に比べ見えない人が自閉症であることは30倍以上

time 2019/11/14

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目が見える人に比べ見えない人が自閉症であることは30倍以上

見る能力は、脳の発達に大きな役割を果たします。

そのため、視覚と発達障害の自閉症の間に関係があることは不思議なことではありません。

視覚は本質的に脳の発達の条件です。
目が開いているとき、視覚が支配的な感覚となります。

目からの連続的な入力は、他の感覚からの刺激と一緒に脳全体にリンクします。
典型的な新生児はすでに、他の人と対話しようとする本能により顔を優先的に見ています。

このように、見えることはソーシャルコミュニケーションスキルを促進します。
視覚から入力情報は、生まれてから1年の間、脳を形作っていきます。
視覚システムは、視覚的注意の共有、表情、ジェスチャー、体の姿勢など、非言語的コミュニケーションにもかかわってきます。

見ることは、何をするとこうなるという因果関係、他人と自分の区別、物の性質などいくつかの基本概念を獲得するためにも重要です。

したがって、視覚がなければ、脳の発達は通常より困難なものになるでしょう。
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私は小児神経科医として、私は自閉症を含むさまざまな発達障害のある子どもをみてきました。

毎年、自閉症の完全な臨床症状を示す少なくとも1人の盲目の子どもがいます。
先天性失明はまれであり、特にこれらの子どもの自閉症の特徴は重度であることが多いため、私の記憶によく残ります。

2012年に、私は自閉症と失明の関係を調査することにしました。

この研究は小規模でしたが、目が見える人に比べて、目の見えない人が自閉症である割合は30倍以上であることがわかりました。

私のチームの他の研究では、この関係は視覚に固有のものであることを示唆しています。
聴覚障害については自閉症との強い関連は認められませんでした。

また、目の見えない人に自閉症の人が多いことは、知的障害の有無とは関係がありませんでした。
そのため、認知能力が原因だとは説明できないことを示しています。

盲目の子どもの自閉症の最初の報告は、60年以上前です。
その研究では、研究者は、未熟児網膜症、網膜が完全に発達していない状態のために失明した60人の幼児のうち5人が自閉症であることがわかりました。(残りの子どもたちにも軽度の自閉症の特徴がありました。)

それ以来、散発的な報告により、先天性失明と自閉症の特徴に関連性があることが伝えられています。
しかし、たいていは医師などは子どもの社会的およびその他の困難を、自閉症として認識していませんでした。
自閉症についてあまり知っていなかったからです。

それらの問題も「盲目」に含めてしまっていました。
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経験豊富な医師などにとっては、盲目と自閉症の類似点は顕著です。

それらには、コミュニケーションや言語、社会的スキルに困難をかかえ、変化を嫌うこと、重度の不安、痛みへの感覚がとぼしいなどが含まれます。
そして、目が見える自閉症の子どもと同様に、盲目の子供の約4人に1人が、生後15から30ヶ月内に退行が起きます。

このつながりについてさらに調べるために、私は盲学校を訪問し125人の生徒について評価しました。38人が自閉症でした。
私は、先天性失明のある25人の学生のうち18人で自閉症と診断しましたが、部分的または後天性の失明の人は13人に1人だけでした。

統計分析によれば、先天性失明が自閉症の主な原因になっていることが示されました。

失明の病因、知的障害の存在、​​明白な脳損傷または社会経済的地位を含む他の事柄は、その高い有病率の原因ではありません。

この研究の一環として、私は失明と自閉症についての、これまでの12の研究を評価しました。
総合すると、研究は盲目自体(その原因に関係なく)が自閉症に関係していることを示しています。

幼少期から盲目であった859人の子どもの約半分は自閉症でした。
完全な先天性失明の子どもについては、その割合はさらに高く、55〜74パーセントの子どもが自閉症でした。

今年初めに発表された研究では、知的障害のある3000人以上の成人、そのうちの386人は視覚障害もある成人について、自閉症の特徴をもっているかが調査されました。
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その結果、知的障害だけの成人よりも、知的障害と視覚障害の両方をかかえる成人は自閉症の特徴をもっている可能性が高いことがわかりました。

私の臨床経験では、知的障害が失明と自閉症を結びつける原因ではないと考えています。
盲目で自閉症の人にもとても知的な人たちがいるからです。

たとえば、私は先天的に盲目である10代の少女ブリサを知っています。
ブリサは、社会的およびコミュニケーションの問題に加えて、非定型な韻律、音楽の音質も持っています。
しかしブリサは優れた推論スキルを持ち、学問的に優れています。

感覚の中でも、視覚には自閉症との特別な関係があるかもしれません。
1991年の研究では、聴覚障害のある子ども1150人のうち自閉症と診断できる子どもは46人だけでした。
自閉症は、聴覚障害の重症度よりも先天性風疹や未熟などの脳に影響を与える病状に関連しており、難聴自体が自閉症に寄与しないことが示唆されています。

今後、自閉症と失明の重複を説明する脳のメカニズムを特定することが求められます。

探し始める場所の一つは、網膜から直接入力を受け取る、上丘と呼ばれる脳の領域です。
顔や生物学的運動の認識だけでなく、感覚入力と感情、基本的な身体機能、運動計画の統合にも関与しています。
そして、この領域は、自閉症の人たちでは異なっていることが多くあります。

また一方で、先天的に盲目であっても、自閉症ではない人もいます。

生まれてすぐは、視覚がコミュニケーションのほとんどを占めます。
視覚からの情報が全く無いにもかかわらず、どのようにしてコミュニケーションと社会的スキルを獲得できたのでしょうか。

これを解明することができれば、自閉症の人たちの療育をよりよくできるはずです。

アルゼンチン ウェルニッケプライベートチャイルドアンドユースニューロ心理学センター
ディレクター/小児神経学者 ルービン・ジュレ

(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay

目が見えないことと自閉症にこのような関係があることは初めて知りました。

うちの子は目は見えますが、視力は少し悪いかもしれません。今はかけていませんが、一度メガネも作りました。

うちの子については、視力がよくない原因は発達障害にあると思います。
その理由は、そもそも何かを見ようとする動機、意思が小さかった頃は特に弱かったためです。

何かを見たいと思って、きちんと見ようとしなければ視力も発達しないので。

小さな頃に医師から「まず本人が見ようとしなければね」と言われたことをよくおぼえています。

発達障害の人はそうでない人に比べて奇妙な体験をした人が3倍超

(チャーリー)


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