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自閉症の子は脳の視覚的な領域と社会的な領域との接続が弱い

time 2019/12/30

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自閉症の子は脳の視覚的な領域と社会的な領域との接続が弱い

発達障害の自閉症スペクトラム障害の幼い子に多く見られる症状に、人とのやりとりに関心を示さないことがあります。
具体的には、他の子どもたちが遊んでいたり、歌っていたり、踊っていたり、そうした注意を引くようなことに興味を示さないように見えることです。
米カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部の研究チームが”the journal eLife”で発表した新しい研究では、カラフルな幾何学的画像を用いて、視覚の追跡と脳活動のイメージング技術を使ってそうした子どもたちを調査しました。
その結果、社会的な活動に注意する脳の領域と、視覚的に注意する脳の領域においての接続レベルが低いことがわかりました。
「子どもの写真よりも幾何学的な画像を好む、自閉症スペクトラム障害の子の20パーセントに、視覚と社会に関わる脳のネットワークに断絶があることがわかりました。
これらの自閉症スペクトラム障害の子どもでは、社会的な感情への刺激よりも、カラフルで動く形のほうが脳が活動します」
そう、研究を行った神経科学の教授、カレン・ピアース博士はそう言います。
b5 b1
「社会的なことに関わる脳の領域、視覚的なことに関わる脳の領域のつながりがないために、カラフルで回転する形のような視覚的に強い刺激のほうに、注意、経験、学習などが向けられます。
これは、自閉症スペクトラム障害の症状の原因となっている可能性があります。
この発見は、幼児期における自閉症スペクトラム障害の診断や療育に新しい道を提供するかもしれません。
視線追跡と脳活動のイメージングを使うことで、療育の有効性の判断もできるかもしれません」
ピアース博士らによる研究チームは、自閉症スペクトラム障害の診断と療育における視線追跡技術の可能性について数年に渡り研究してきました。
2010年の研究では、簡単な1分間の視線追跡によって、ダンスやヨガをしている子どもの動画よりも、幾何学的な映像の動画を好む生後14ヶ月の幼児のほうが後に自閉症スペクトラム障害と診断されることが多いことを伝えています。
今回の新しい研究では、どこを見ているのかがわかる視線追跡技術と、脳内ネットワークの活動がわかるfMRIによる画像データを組み合わせました。
b3 共同で研究を行った神経科学の教授、エリック・クルシュネ博士はこう言います。
「自分や他人について考えているときには、DMNと呼ぶネットワークはとても活性化しています。
自閉症の人についてはDMNに異常があり、社会的困難をかかえている原因の中心にあるものだと考えられています。
誰かが見ているもの、それを理解することが脳の発達を促進させます。」
自閉症スペクトラム障害の幼児とそうでない幼児の脳のネットワークについてのデータを調べると、自閉症スペクトラム障害の幼児では、視覚に関わる脳領域と社会性に関わる脳領域とのネットワークが弱いものとなっていました。
b2幾何学的な映像を好む自閉症スペクトラム障害の幼児では等に弱くなっており、社会的なコミュニケーションの困難がより深刻なものになります。
「現在の社会的な能力の評価と、今回の脳イメージングと視線追跡を組み合わせることで、より正確に自閉症スペクトラム障害の診断ができるようになります。そしてより効果的な療育方法についても今後研究を行っていきます」
(出典:米カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部)(画像:Pixabay
うちの子も特に小さかった頃はそうだったかもしれません。
人よりも、カラフルな映像。
今でも、人を見ることよりも気に入った絵本やチラシを見てニコニコしています。
私よりも、きっとすごく綺麗に見えているんだろうなと思っています。
発達障害の人の多くは全体を見ない。目の錯覚が診断に役立つかも

(チャーリー)


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