米カリフォルニア大学デービス校の新しい研究によれば、発達障害である自閉症の幼児は大きくなると症状が軽くなる可能性が示されています。
この研究では、自閉症スペクトラム障害の男の子８９人と女の子３６人を調査しました。
研究チームは、自閉症診断観察スケジュール（ADOS）から導く１０点測定によって、子どもの自閉症症状の重症度を測定しました。
３歳から６歳までの子どもの重症度スコアの変化を調べグループに分類しました。２ポイント以上の変化は症状の重症度の有意な変化とみます。
この研究結果は”Journal of Autism and Developmental Disorders”に発表されました。
それによれば、子どもの症状の重症度は年齢とともに変化するだけでなく、改善する可能性があることを示しました。
２８．８パーセントの子どもに重症度の低下がみられました。
５４．４パーセントの子どもは重症度に変化はありませんでした。
１６．８パーセントの子どもは重症度が高くなっていました。
「３歳のときよりも６歳のときのほうが、自閉症の症状がそれほど深刻でないことが３０パーセント近くの子どもに見られました」
そう、この研究に参加したデイビッド・アマラルは言います。
「しかし、悪化しているように見られる子どもがいることも事実です。
残念ながら、症状が軽くなるのは誰で、症状が重くなるのは誰かを予測することは、現在不可能です」
さらに、研究チームは自閉症の女の子は男の子よりも重症度の低下が見られることが多く、重症度が上がることが少ないことも発見しました。
これは、少女が症状をよりよく隠すことができるためであると考えられます。
それは、成人期の自閉症の女性にもよく見られることです。
「自閉症の重症度が低下しているように見える女の子が多いという事実は、年齢とともに症状を隠す方法を学ぶことが男の子よりも女の子に多いと考えられます」
この研究を行ったアイネット・ワイズバードバトロフはそう述べています。
幼児期は、学習と発達のための重要な能力を身につける脳の成長の期間です。
また、自閉症の初期診断が行える時期であり、早期介入が必要な時期です。
米国では５４人に一人の子どもが自閉症スペクトラム障害です。
そして、自閉症スペクトラム障害の男の子は女の子の４倍の数になります。
これまでの研究では、子どもの間は自閉症の重症度に変化は見られないという結果でした。
つまり、診断されたときの自閉症の重症度は一生続くということだったのです。
今回の研究ではそうではない可能性が示されました。
この研究はまた、知能指数（IQ）が症状の重症度の変化と有意な関係を持っていることも発見しました。
IQが高い子供は自閉症の症状の重症度が減ることが多く見られました。
ワイズバードバトロフはこう言います。
「IQは自閉症の子どもたちの症状の重症度の最も強い予測因子であると考えられます。
３歳から６歳にかけて、IQスコアが増加すると、自閉症の重症度レベルが低下していました」
研究者チームは、初期の重症度レベルと将来の症状の変化との関係は特定できませんでした。
（出典：米INQUIRER.NET）（画像：Pixabay）
発達障害である自閉症が治ることはないとしても、症状の程度が変わることはもちろんあると思います。
うちの子については、、症状の程度については変わりない感じです。
しかし、療育を通じてできることはもちろんいろいろ増えました。
既存の安価な利尿薬ブメタニドが自閉症の症状を軽減する可能性
（チャーリー）
