発達障害のニュースと障害者のハンドメイド

発達障害の人のマスク着用の困難、理由は感覚だけでなく目も

time 2020/06/12

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

発達障害の人のマスク着用の困難、理由は感覚だけでなく目も

新型コロナウィルスの感染拡大は、発達障害の自閉症スペクトラム障害(ASD)をかかえる人たちに多くの新しい困難をもたらしました。
社会的およびコミュニケーションスキル、反復行動、同一性へのこだわり、感覚に関わる問題がASDをかかえる人がフェイスマスクを着けることを困難にします。
ASDの人の多くは触れられることにとても敏感で、顔はとくにそうです。
フェイスマスクの着用は多くの不快な感覚を与えます。
皮膚の表面には引っかき傷をつけるような布の質感、マスクの上部が皮膚と接触する場所での圧力、耳にはかかるゴムの引っ張りがあります。
マスクの中では温かく湿った息のにおいがします。
さらに空気を吸ったり吐いたりするのに抵抗を感じ、それにASDの多くの人は心配や不安を感じます。
つまり、マスクをつけると多くの人が不快を感じますが、ASDの人はそれがより激しいものとなる可能性があります。
m3
そして、これらの感覚的な課題に加えて、フェイスマスクは新しいソーシャルコミュニケーションの課題も生み出します。
自閉症スペクトラム障害では視覚知覚能力の低下が含まれることもあります。
マスクをつけた人に対しては、いつも以上に表情を読み取ることが難しくなります。
また、マスクをつけた人の顔を見ると目しか見えません。
ASDをかかえる人の中には目を見ることが困難な人も多く、ますますコミュニケーションが困難になってしまいます。
そして、マスクを声をこもらせることもあるため、言葉も聞き取りにくくなります。
しかし、フェイスマスクの利用をできるようにする方法はいくつかあります。
・ぬいぐるみ、人形、家族など、好きなものや人にフェイスマスクをつける実演をする
・さまざまなタイプの素材のフェイスマスクを選べるようにして、最も快適なマスクを見つけられるようにする
m1
・必要なときに休憩をとることができるように、短時間のフェイスマスクの着用を練習することから始める
・フェイスマスクをうまく着用しつづけられるように、静かで穏やかな、人の少ない場所へ出かけることを計画する
・外出前にマスクを着用するための視覚的な手がかりとして、フェイスマスクを着用した人の写真を利用する
写真はドアの近くに貼ったり、タブレットですぐに見えるようにしてもよいでしょう。
・マスクをかぶったままガムを噛んだり、キャンディーをなめたりして、気を散らしマスクの中の息のにおいを変える
・透明なフェイスマスクもあります。そのマスクであれば口が見えます。コミュニケーションの改善に役立つといわれます
ASDをかかえる人にとって、フェイスマスクの着用が簡単ではない理由を理解することは親や医療従事者に重要なことです。
(出典:米ハーバード大学医学部)(画像:Pixabay
あまり人に言いたい話ではありませんが、マスクをつけていると自分の息の臭いが気になります。
感覚に敏感な人は、感触面だけでなくこうした臭いも気になるでしょう。
そして、気づいていませんでしたが、マスクをつけると目しか見えなくなることは、たしかにコミュニケーションするのをきつくしそうです。
うちの子もマスクはすぐにとってしまいますので、外に出かけたときは何度も着け直しています。
発達障害の子の感覚の問題に配慮したVANSのコレクション

(チャーリー)


たーとるうぃずを「いいね!」をする。フォローする。

その他の最新の記事はこちらから

最近の人気記事

福祉作業所で障害のある方々がひとつひとつ、心をこめて作り上げた良質なハンドメイド・手作りの品物をご紹介します。発達障害の関連ニュースや発達障害の子どもの4コマ漫画も。
気に入ったものはそのままamazonで簡単にご購入頂けます。

商品を作られた障害のある方がたーとるうぃずやAmazonに商品が掲載されたことで喜ばれている、売れたことを聞いて涙を流されていたと施設の方からご連絡を頂きました。

ご購入された方からは本当に気に入っているとご連絡を頂きました。ニュースや4コマ漫画を見て元気が出たとご連絡を頂きました。たーとるうぃずがますます多くの方に喜ばれるしくみになることを願っています。


NPO法人Next-Creation様からコメント

「たーとるうぃず様で販売して頂いてからは全国各地より注文が入るようになりました。障がい者手帳カバーは販売累計1000個を超える人気商品となりました。製品が売れることでご利用者の工賃 UP にもつながっています。ご利用者のみんなもとても喜んでおります」

テキストのコピーはできません。