発達障害、自閉症と診断される人が増え続けるなか、人生の後半になってからそう診断される人も増えています。
診断基準の拡大とより良い検査の仕組みが整備されたことが、成人になってからもそう診断されることが増加した理由だと考えられています。
俳優のアンソニー・ホプキンスは最近、アスペルガー症候群と診断されたことを公表しました。
ホプキンスは８０代前半です。
振り返ってみれば、ホプキンスの若い頃からの不安と孤立はそのためだったと考えています。
「私はずっと安心することが決してできなかった。
私は問題をかかえていてトラブルをよく起こした。
パーティーには行かないし、友人もあまりいない」
自閉症の形態として知られているアスペルガー症候群は、アメリカ精神医学会の診断と統計マニュアル精神障害 (DSM-IV) １９９４年版では、自閉症とは別の障害として追加されました。
その後２０１３年の版DSM-5では、自閉症、アスペルガー症候群と他の広汎性発達障害は自閉症スペクトラム障害に包括されました。
アスペルガーの人はしばしば素晴らしい暗記力を示し、特定の分野に強い興味をもつ傾向があります。
ホプキンスの場合、これらの特徴が俳優の仕事で強みとして発揮されました。
ホプキンスは、セリフを覚える能力が並外れてすごいことがハリウッドではよく知られています。
実際、スティーブン・スピルバーグ監督の１９９７年のヒット作『アミスタッド』の撮影では、ホプキンスは７ページに及ぶ法廷での演説を暗記し、制作スタッフを驚かせました。
あまりにおどろいたスピルバーグ監督はそれ以降、親しげに「トニー」と呼ぶことができなくなり、撮影中はずっとアンソニー卿と呼ぶようになったそうです。
また、ホプキンスは自分が演じるキャラクターに完全に没頭することでも知られています。
「私はそのキャラクターを細かく分析したり、距離を置いて観察したり、どうしてそう行動するのかを探るのが大好きです。
私のキャラクターの捉え方は他の人と同じではありません」
そうホプキンスはコメントしています。
これらの素晴らしいスキルは、１９９１年の『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクター博士役でアカデミー賞主演男優賞を受賞したことでも証明されています。
ホプキンスが得意とするもう一つの分野があります。
アートです。
新型コロナウィルス感染拡大により、外出が難しいこの期間中には抽象画、ドリームスケープその他を、絵の具、油絵、アクリル絵の具などで描いています。
ホプキンスのアトリエは絵でいっぱいで、組織化されたカオスだといわれています。
他の多くの有名な自閉症の人たちと同様に、アンソニー・ホプキンスは自閉症が授けた才能を示す例です。
同時に、障害にともなう困難があったことも教えてくれます。
自閉症スペクトラム上の人の試練と挫折を超えた貢献が、私たちの世界を豊かにしてくれていることがわかるはずです。
（出典：米AUTISM KEY）（画像：wikimedia）
すごい俳優だというイメージはありましたがそうだったのですね。
「羊たちの沈黙」は観ましたが「ハンニバル」は怖そうなのでずっと観ることができていません。
（チャーリー）
