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発達障害など子どもたちがかかえる困難を助けるAIの大きな役割

time 2018/12/08

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

発達障害など子どもたちがかかえる困難を助けるAIの大きな役割

発達障害の人の多くにとって、他の人とのやりとりは言葉の違う国に来てしまっているような状況なのかもしれません。
人と親密な関係を作るには、ボディ・ランゲージや顔色、表情から理解し、相手の目を見ることが必要とされています。しかし、それが難しいのです。
ネド・シャヒン博士は、こうした問題の一部を解決するための方法を開発しています。それにはAIが大きな役割を果たしています。
「すばらしい能力をもっていても、人とのコミュニケーションに問題をかかえる人たちがいます。
言葉が話せない。
相手が、知らない言葉を叫んでくる。
みんな後ろを向いている。
話す相手がわからない。
誰も自分を気にしてくれない。
自分がそうなったことを想像してみてください。
そんなときに、
怒っているのか、退屈にしているのかを判断できる、
相手の顔を見ることを助け、話していることを理解できるようにサポートしてくれる、
そうしたAIがあったら、どれだけ助かるかわかると思います。」
シャヒン博士は想像するだけでなく、それを実現しました。
Googleグラスを使ったもので、表情を分析して相手の感情を検出し、ゲームにして教えてくれます。
相手に視線を合わせたり、相手の感情を正しく理解できれば得点もできます。
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「相手の表情をAIが分析して、ゲームにしています。
身につけられる装置が、現実の世界と発達障害の人の間にたって、日常生活で学べるコーチになります。
約10種類ほどのアプリをリリースしています。
ゲームにすることによって楽しさが生まれ、子どもたちも喜んで行うことができます。
人生において大事な2つのことを手助けします。友だちを作ること、仕事を得ることです。」
この装置では、Googleグラスを用いて相手の顔についての画像情報が、アマゾンウェブサービス(AWS)で動作しているAIに送られています。
アマゾンはAIを安価で簡単に利用できるように取り組みを進めています。
障害がある子どもに役立つAIの取り組みは他でも行われており、ファーウェイでは耳の聞こえない子どもが読むことを学べるように支援するアプリを発表しています。
スマートフォンのカメラから本の文章を読み取り、画面のアバターが手話を使って教えてくれるものです。
印刷された文章を、手話に翻訳してくれるのです。
ファーウェイの西ヨーロッパのチームマーケティング・オフィサーのアンドリュー・ガリフィーはこう言います。
「ストーリーサインというアプリは、聴覚障害の人と家族の生活を良くするものです。
文字を読むことが困難な聴覚障害に貢献します。」
アイルランドのコークにある幼児研究センターでは、赤ちゃんの健康にAIを役立てています。
AIが人間の専門家と同じレベルで、赤ちゃんの脳波を分析し、新生児の発作を検出することができるものです。
ベッドに取り付ける既存のモニターから利用ができるもので、医師たちに貴重なデータを提供します。新生児の治療に大きなメリットをもたらします。
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このようにAIには素晴らしい可能性があります。
しかし、課題もあり慎重に検討する必要もあるでしょう。
AWSのソフトウェア・エンジニアリングの担当ディレクターのバシ・フィロミンは、AIの限界を知ることが効果的な利用に重要だと言います。
「AIによるサービスの機能がどのようなものかを理解し、適切に使うことが必要です。
例えば、表情を分析するAWSのサービスでは、その感情の確立を示す信頼スコアを提供します。
スコアが高いほど、そうである確立は高いものになります。
膨大な人の表情の画像で学習した結果、表情を判断するためのフィルターの一つとして使えるようにしたものです。
しかし、実世界において人の感情を知ろうとした場合、とくに深刻な場面においては、視覚情報からだけで相手の感情を判断するのは難しくなるはずです。
相手は画像ではなく人なのですから。」
AWSのよるAIの強みはクラウド上にあるために今後もよりたくさんのデータが蓄積されていくことで、時間が経過すればそうした問題についてのいくつかも解消するはずだとも述べています。
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しかし、AIで何でもできるように謳うケースが散見されているだけでなく、企業やテクノロジー業界を信頼しない人たちもいます。
発達障害の人たちに役立つAI装置を開発したシャヒン博士はこう言います。
「有用な技術はこれまですべて、良いことと、そして悪いことにも使われてきました。
善良で誠実に研究開発を行う人たちは、それを認識することが重要です。
それは、倫理を無視していいわけではないこと、そうなる可能性があることを真剣に受け止めるためです。
最悪なことをあまりに心配し、研究開発を行うことをやめてしまったら、進歩することはできません。
善良なことを行うように、善良なこととは何かをよく考えて、進んでいくのです。」
(出典:アイルランドTHE IRISH TIMES)(画像:Pixabay
私もAIを使ったアプリなどを開発していますが、現状AIは何でもできるわけではありません。できそうにないことをあたかもできるように謳っているのを見ることもあります。
ですが、たしかに発達障害の方がかかえている困難を助けてくれることができるのも間違いありません。
過度に期待されたり失望されたりしても、着実に進歩していってほしいと思います。
話すことができないうちの子の考えや気持ちを伝えてくれるAI、私がいないときなどにうちの子を助けてくれる、友だちになって遊んでくれるロボット、実現されたらいいなと願っています。
発達障害の子への療育ロボット。人間の困難を軽減してくれる未来

(チャーリー)

AIアプリ「話すカメラのゲーム」ことば学び遊びができます。


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