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自閉症の子の睡眠の問題の原因は感覚過敏によるものと調査研究

time 2019/03/23

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自閉症の子の睡眠の問題の原因は感覚過敏によるものと調査研究

新しい研究によれば、自閉症の感覚過敏の幼児は、7歳くらいになると睡眠の問題をかかえるようになることが推測されます。
これは、感覚過敏が自閉症の子の睡眠の問題の原因となっていることを示唆しています。
そのため、就寝時の照明や音を最小限にすることで、感覚に与える刺激を調整することで子どもの睡眠の問題を緩和できると考えられます。
「誰でも、うるさい音や明るい光、嫌な感触などがあれば、眠りにつくのが難しくなるでしょう。」
そう、米バージニア大学のマイカ・マズレク准教授はいいます。
睡眠に問題をかかえることは、長期的な影響を及ぼす可能性があります。
自閉症の幼児が睡眠障害をかかえると注意欠陥多動性障害(ADHD)ともなる可能性が高いことも、この研究で示唆されています。
睡眠障害は自閉症の人ではめずらしいものではありません。
研究では、2歳から5歳の自閉症の子どもの80パーセント近くが睡眠に問題をかかえていることがわかりました。
自閉症の子どもは、自閉症などの発達障害でない子どもや自閉症でない発達障害の子どもに比べて2倍の確率で睡眠障害をかかえています。
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「自閉症の子どもが睡眠障害をかかえるリスクの高さは明らかです。
早い段階でのケアが必要です。」
米ネブラスカ大学の小児科心理学のブレット・クーン教授はそういいます。
今回の研究では、マズレク准教授らの研究チームは自閉症の子どもたちに医療を提供しているアメリカとカナダの12の学術センターグループである「オーティズム・スピークス・オーティズムトリートメントネットワーク」が記録してきたデータの中から、2歳から10歳までの間にそのセンターに訪れて、さらに平均して4年後に再度センターに訪れた437人の自閉症の子どもたちのデータを分析しました。
「過去の記録データを分析することの最大の利点は、膨大なサンプルがあることと、時間経過による変化がわかることです。」
そうクーン教授は言います。
記録データでは、最初にセンターに訪れた時点で、子どもの自閉症についての評価、そしてIQも測定し、健康状態も評価されていました。
子どもの親たちは、子どもの感覚過敏、行動、そして睡眠障害についても調査票に回答していました。
70パーセントの子どもの親は、最初にセンターに訪れた時点で、子どもが睡眠障害をかかえていることを伝えていました。
そして、そのうちの32パーセントの子どもが大きくなるにつれて、睡眠障害が改善されていました。
一方で、23パーセントの子どもたちは大きくなるにつれて、睡眠障害が悪化していました。
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マズレク准教授らの研究チームは、統計を用いて睡眠障害を引き起こすと予測される因子とその影響度合いを特定しました。
親たちが回答したアンケートの内容が少し異なっていたため、センターに最初に訪問したのが2歳から3歳の頃だった166人の子どものAグループと、4歳から10歳頃だった271の子どもBグループを別にして分析を行いました。
この分析では、原因と結果を明らかにすることはできません。
しかし、子どもたちを長期にわたって追跡するデータであるため、どんな特性がどんな順番で現れるのかがわかります。
Aグループからわかったのは、最初にセンターに来たときには感覚過敏であることがわかりました。その次に睡眠障害が現れ、その後ADHDとも診断をされていました。
Bグループからわかったのは、最初にセンターに来たときには睡眠障害でした。そして4年後には頭痛や消化不良などをかかえていました。
「十分な睡眠をえられないことが、時間の経過とともに、肉体的な健康に影響を与えるのだと考えられます。」
そうマズレク准教授は言います。
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米コロラド大学の小児科、アン・レイノルズ准教授はこう言います。
「睡眠障害と不安症は自閉症の子どもたちにはめずらしくありません。
十分な睡眠がとれないと不安になる可能性が高くなります。
そして、不安になると眠りにつくことがますます困難になってしまいます。」
今回の新しい研究は、親が子どもの睡眠障害に対して助けになることの重要性が強調されるものだとマズレク准教授は言います。
研究チームでは子どもの不安や感覚過敏を最小限に抑えるために家族ができる療法について現在取り組んでいます。
(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay
この研究では、自閉症の子の感覚過敏が睡眠の問題の大きな原因となっているとのことでした。
ただ、これまでのうちの子を見ると、全くうるさくない状況でもなかなか眠りにつかなく、ニコニコ過ごしていたりするので、うちの子については、眠りにつくきっかけとなる何かが足りていないのかなと思ったりもします。
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(チャーリー)


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