これまでの２７の研究の臨床試験結果について分析を行った研究によれば、特定の食物を食べないようにしたり、サプリメントを摂取したりすることが、発達障害である自閉症の症状に与える影響はほんのごくわずかでした。
自閉症の子を持つ多くの親は、こうした食事の方法について医師に相談します。
自閉症の子の反復行動などを少なくできるのではないかという期待からです。
しかし今回の研究によれば、こうした食事による方法は科学的にはほとんど効果が認められませんでした。
オメガ３脂肪酸やビタミンＢ６、Ｂ１２、Ｃ、Ｄ、葉酸などいくつかのサプリメントのみが、有効成分を含まない偽薬でも認められる効果（＝プラセボ）と比較してわずかに小さな改善が認められただけでした。
「私たちは医療の現場で必要となるためにこの研究に取り組みました。
私たちはたくさんの家族がこうした食事による方法を試みていることを目の当たりにして、
その効果についてはっきりさせたいと考えたのです。」
そうこの研究を行ったスペインのコンプルテンセ大学の精神医学のマーラ・パレラダ教授は言います。
この新しい研究は、自閉症に対する食事療法の効果を定量的に評価した初めてのものです。
米ミズーリ大学の健康心理学のブラッドリー・ファーガソン助教授はこう言います。
「自閉症の人への食事療法、サプリメントについての研究論文はたくさんありますが、
この研究は、効果がありそうな方法を私たちに教えてくれるものになります。」
今回の研究では、自閉症に対する食事療法の臨床試験結果が書かれているこれまでの研究について、再分析を行いました。
２７の研究から、２歳から６０歳までの合計１０２８人の自閉症の人たちについての臨床結果になります。
このうちの半数の人が有効な成分を含むものを摂取し、比較対象となる残りの半数は有効成分のないものを摂取しています。
平均してそれらを摂取した期間は１０．６週間でした。
パレラダ教授らの研究チームは、サプリメントを加えた食事をとったグループ、「グルテン」など特定の食物を避ける食事をとったグループに分けて、不安や衝動だけでなく反復行動など自閉症の特徴的な症状に対するこれらの食事による影響を分析しました。
オメガ３とビタミンのサプリメントなどの摂取についてのみ、わずかに効果があるようでした。
この研究結果は”Pediatrics” で発表されています。
しかしグループでひとまとめにしているために、どのサプリ、そしてどれくらいの量が効果的なのかはこの研究ではわかりません。
そして、今回の研究で再分析の対象となったこれまでの２７の研究の７５パーセントは、それまでの栄養状態や食べ物の好き嫌いなどへの考慮がなされていませんでした。
さらに、対照研究の参加者が２歳から６０歳までの年齢層が広すぎるために、食事による方法が効果的な年齢層もわかりません。
「同じような食事による方法でも、赤ちゃんと思春期の子どもでは効果は同じではないはずです。
私たちは幼い時期の子どもたちへの食事による効果を研究する必要があると考えています。」
そしてパレラダ教授はこう言います。
「私の今回の研究は、より適切に設計された臨床試験を行うための呼びかけです。
食事療法の効果を調べるためには、臨床試験でこれまでに調べていなかった体の変化などを収集する必要があります。
それができれば、たとえばオメガ３のサプリメントが不安などを緩和する理由や、サプリメントの効果が最も表れる人について明らかにできるはずです。」
（出典：米SPECTRUM）（画像：Pixabay）
私自身はよくサプリは飲んでいますが、これで発達障害、自閉症の症状に影響を与えそうに感じたことは私にはないです。
食べることが嫌いになってしまうほうが怖くて、私は笑顔になることを優先にして選んだ食事をあげてきました。
発達障害の息子を「治す」ために費やしたお金は莫大な無駄
（チャーリー）
