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発達障害の子のきょうだい、顔に対する脳処理が異なるという研究

time 2020/04/19

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発達障害の子のきょうだい、顔に対する脳処理が異なるという研究

新しい研究によれば、発達障害である自閉症のきょうだいを持つ子どもたちは人の顔に対して処理をする脳ネットワークが、そうでない人に比べて大きな反応を示します。
今回の研究では乳児期から7歳までの期間、これらの子どもたちの人の顔に対する脳の処理について追跡調査を行いました。
この研究はいわゆる「きょうだい児」-自閉症の年上のきょうだいを持つ子ども-の顔に対する脳の処理を追跡する最初のものとなります。
きょうだい児は、そうでない子に比べて自閉症と診断される可能性が20倍高く、早い段階で自閉症の特徴を示すことがあります。
そのため、自閉症の根底にある生物学的な原因を探ることを目的に、きょうだい児に関わる研究が多く行われています。
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今回の研究は自閉症をよりよく理解するために時間をかけて神経活動や行動を観察しつづけることの重要性を示すと、研究を行った英キングス・カレッジ・ロンドンの臨床心理学のトニー・シャーマンは言います。
「神経認知能力と行動の両方を複数の時点で測定できれば、自閉症にかかわる原因がよりわかるはずです。
メカニズムを理解できれば、自閉症による症状を和らげる療法の基礎がつくれます」
研究チームは子どもの脳の、人の顔や物体対する反応を脳波で測定しました。
P1と呼ばれる一つの特徴的な脳波は、何かを見て約100ミリ秒後に発生し、人の顔を見たときにはより大きく、速くなります。
N170は約70ミリ秒後に主に脳の右半球で発生します。
これは、物体と人の顔を区別する瞬間、誰の顔かを判別する瞬間に表れます。
自閉症の子どもでは、このN170は遅くなっています。
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今回の研究では、生後7ヶ月の時点で54人のきょうだい児の赤ちゃんとそうでない比較対象の50人の赤ちゃんを対象に、人の顔の写真を見せてこれらの脳波を調べました。
2012年、研究チームはきょうだい児の赤ちゃんは、そうでない赤ちゃんと神経反応が異なり、3歳の時点でこれらの違いと自閉症と診断されることに関係があることを伝えています。
そしてその後、7歳の時点で77人の子どもを分析しました。
研究に参加を続けているきょうだい児の42人のうち、15人は自閉症と診断をされていました。
子どもたちは、人の顔、体、車、風景などの写真、上下さかさまの人の顔などの画像を見ました。
研究チームは子どもたちの脳の反応、記憶の正確さ、反応する時間を測定しました。
また、感覚や社会的な行動についてのアンケートにも答えてもらいました。
7歳の時点では、多くのきょうだい児は顔の認識については、自閉症でない子どもと同じように対応することができましたが、脳波のP1は速く、N170は大きくなっていました。
反応することが遅く通常の右半球ではないところから脳波のN170が測定された、きょうだい児は社会的な問題を最も深刻にかかえていました。
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研究チームの一人のブラジルのサンパウロ大学のエリザベス・シェパード研究員はこう言います。
「人の顔の処理に困難をかかえている子どもたちは、深刻な自閉症の特徴をもっていることがわかりました」
研究チームは、乳児期の顔の処理能力と小児期の自閉症の特徴との間に関連性を見いだすことはできませんでした。
しかし、物を見るときのN290反応(N170の乳幼児期の前駆体)が乳児のころに弱かったきょうだい児は、7歳の時点でより多くの社会的問題を抱えていました。
これらの子どもたちは、物体の処理能力が高いか、幼少期に人の顔に対する処理を犠牲にして物体に集中している可能性があるとシェパード研究員は言います。
この研究結果は”Cortex”に掲載されています。
今回の新しい研究は、きょうだい児のなかには成長しても、学校や生活の他の分野で困難に直面する可能性があることを示唆しています。
(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay
うちの子のきょうだいは、個性的なところもありますが、仲の良い友だちも多く社会性は全く問題ないです。
私が見習いたいくらいです。

(チャーリー)


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