生まれてから早期に睡眠の問題が現れると、小児期になると反復行動を見せることが予想されます。
また、感覚刺激に過剰反応または過小反応する幼児は、より多くの反復的な行動や他の自閉症の特徴を持つようになることも予測されます。
２つの別々の研究から発見されたこれらのことは、生まれてから早い段階での多くの子とは異なる行動の違いが、その後に反復行動や自閉症を示す可能性があることを示唆しています。
そして、この研究は早期療育を行う対象を明らかにすることにつながります。
「睡眠の問題に対処することで、その後の成長の軌道を改善させることができるかもしれません」
睡眠に関わる研究を行った米ワシントン大学自閉症センターのディレクター、アネット・エスティはそう言います。
自閉症の子どもたちはそうでない子どもたちに比べて、睡眠障害をかかえる可能性が２倍あります。
そして、今回の研究で睡眠不足と重度の反復行動や強いこだわりに関係があることがわかりました。
この研究では２歳から６歳までの３８人の自閉症の子どもと２歳から４歳までの発達遅延の子ども１９人が参加しました。
その子どもたちの親は子どもの睡眠にかかわる問題、入眠困難や睡眠時間の短さ、夢遊病や夜驚症などについて質問票に答えました。医師たちは、反復行動を含む自閉症の特徴について評価しました。
睡眠に問題をかかえる子どもは４歳の時点で、睡眠に問題のない子どもに比べて、より重度の反復行動を示していました。そして２歳から４歳の間に、反復行動が急速に増加していました。
この研究は”The Journal of Autism and Developmental Disorders”に掲載されています。
研究チームは睡眠と反復行動とを関連づける要因の一つに不安を考えましたが、説明するには十分なものではありませんでした。
マウスによる研究から考えられる可能性は、慢性的な睡眠不足が、反復行動と関連するこだわりに直接つながるということです。
自閉症の子の睡眠を投薬や行動療法で改善すると、自閉症の特徴的な行動が緩和されることが、これまでの研究でも示されています。
感覚に対する異常な反応も自閉症の一般的な特徴です。
もう一つの別の研究を行った米ノースカロライナ大学言語聴覚科学のリンダ・ワトソン教授はこう言います。
「感覚の問題は、家族の生活の質にまで大きな影響を与えます」
生まれてから初期の感覚の違いが後の自閉症の特徴とどのように関係しているかを調べるために、ワトソンと研究チームは、自閉症である確率が高いと判断された１歳の子ども８７人について調査を行いました。
研究チームと親は、生後１４ヶ月と２３ヶ月で感覚刺激に対するこの子どもの反応を評価しました。
その後、３歳から５歳までの間に４９人に再会し自閉症の兆候を評価し、その結果１３人が自閉症と診断され、７人が別の発達障害と診断されました。
この研究も”he Journal of Autism and Developmental Disorders”に掲載されています。
生まれてから初期の睡眠の問題と自閉症との関連についての研究と同じように、感覚の問題と自閉症との関連のこの研究も、早期療育の対象を明らかにできる可能性をもちます。
ワトソンと研究チームは、子どもが感覚的な刺激に対して非定型的に反応している時を見極め、早期療育を行うことができるように、親を指導することを含む療育の支援に取り組んでいます。
（出典：米SPECTRUM）（画像：Pixabay）
うちの子も小さな頃からほんとに眠りませんでした。
大きくなった今でも眠りませんけれど。
冷たい雪の玉をいつまでもずっと手に持っていたこともありましたね。
発達障害の子の感覚の問題に配慮したVANSのコレクション
（チャーリー）
