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自閉症の女性は研究でも多くが見過ごされてきた。米MIT研究

time 2022/09/10

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自閉症の女性は研究でも多くが見過ごされてきた。米MIT研究

一般的に行われている自閉症の診断方法では、ジェンダーギャップが生じ、女性や少女の診断や治療に支障をきたす可能性があります。

近年、自閉症を研究する研究者は、より多くの女性や女児を研究に取り込もうと努力しています。
しかし、こうした努力にもかかわらず、MITの新しい研究によれば、自閉症の研究のほとんどは、一貫して女性の被験者の登録数が少ないか、完全に除外されています。

研究者らは、自閉症の研究への参加資格を決定するために一般的に用いられている診断テストが、一貫して男性よりも女性をはるかに高い割合で除外しており、自閉症の研究において女性の割合が著しく低くなる「リーキーパイプライン」を作り出していることを発見しました。

このような女性の研究対象者の不足は、少女や女性にとって有用な介入方法の開発や正確な診断の提供をより困難にしていると、研究者らは述べています。

「この研究結果は、より包括的なアプローチと、誰が研究に参加するかという点で、より偏りのないようにレンズを広げることが求められるものです」

そう、MITの健康科学と技術のグローバー・ヘルマン教授と脳と認知科学のジョン・ガブリエリ教授は述べています。

「男性、女性、非バイナリーの自閉症を理解できればできるほど、より良いサービスとより正確な診断が提供できるようになります」

MITのマクガバン脳研究所のメンバーでもあるガブリエリ教授とMITの元ポスドクで、現在はテキサス大学サウスウェスタン校の助教授であるアニラ・デメロがAutism Research誌に掲載されたこの研究の主執筆者です。

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自閉症スペクトラムは、反復的な行動や言語・社会的相互作用の困難さなどの特徴の観察に基づいて診断されます。
医師は診断を下すために様々なスクリーニング検査を行うことがありますが、これらの検査は必須ではありません。

自閉症の研究では、研究への参加資格を決定するために、自閉症診断観察表(ADOS)と呼ばれるスクリーニングテストを使用することが一般的です。
このテストは、社会的相互作用、コミュニケーション、遊び、反復行動を評価するもので、各カテゴリーで定量的なスコアが得られ、一定のスコアに達した参加者のみが研究に参加する資格があります。

ガブリエリ教授の研究室では、自閉症の成人の脳が環境中の新しい出来事にどれだけ早く適応できるかを調べる研究を行っていました。
その研究で、ADOSが男女の研究参加に不均等な影響を与えているように見えることに気付きました。

研究が進むにつれデメロ助教授は、研究対象の男性と女性で、脳に大きな違いがあることをみつけました。
この違いをさらに調べるため、研究参加に関心を示した自閉症の成人のMITデータベースを用いて、より多くの女性参加者を見つけようとしました。

しかし調べてみると、データベース中のうち、自閉症研究に参加するために通常必要とされるADOSカットオフスコアを満たしているの女性は約半数しかおらず、男性の80パーセント程度でした。

「このとき、ADOSによって最終的に研究に参加する被験者が限られることに気づきました。
私たちは、ADOSによって男性ばかりになり、女性がどれだけ少なくなったのかと本当に驚きました」

この現象がもっと広まっているかどうかを確認するために、研究者たちは、自閉症と診断された4万人以上の成人を含む6つの公開データセットを調べました。
これらのデータセットの中には、参加者が研究に参加する資格を決定するためにADOSでスクリーニングされたものもあれば、「地域診断」(医師やその他の医療提供者による診断)のものもあります。

研究者たちは、参加資格のためにADOSスクリーニングが必要なデータセットでは、参加者の男女比が約8対1であったのに対し、地域診断のみが必要なデータセットでは、約2対1から1対1であったことを明らかにしました。

これまでの研究で、自閉症の男性と女性では行動パターンに違いがあることがわかっています。
しかし、ADOSテストはもともと主に男性のサンプルを使って開発されたため、女性を排除することが多いのかもしれないとデメロ助教授は言います。

「女性の表現型(主に社会的コミュニケーションのような領域で異なる可能性がある)を拾うのが得意でないのかもしれません」

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自閉症の研究に多くの女性や少女を参加させることができなかったのは、自閉症の定義に欠点があったためかもしれないと指摘します。

「私たちが考えるに、この分野では、自閉症の定義づけに暗黙の偏りがあり、男性の分析、男性の採用などに偏っていたのではないでしょうか。
そのため、その定義は、女性に多く見られる自閉症の様々な表現に、平均してうまく当てはまらないのです」

そうガブリエル教授は言います。
この暗黙の偏見によって、少女や女性の症状が、たとえ自閉症の少年や男性が示すものと同じであっても、診断を受けることが困難であることが記録されています。
デメロ助教授はこう言います。

「多くの女性は、診断の面で完全に見落とされているかもしれません。
そして私たちの研究では、研究環境においてすでに見落とされている女性が、さらに男性よりもはるかに大きな割合で見落とされていくことを示しています。

このような研究から少女や女性を除外することは、少女や女性にとって効果のない支援につながりかねませんし、自閉症は男性ほどには女性に影響を与えないという認識を助長することになります。

研究は、治療や療法、世間の認識などに直接役立つものであるべきです。
もし、研究が、自閉症の女性はいないとか、自閉症の脳の基盤は男性に確立されたパターンにしか見えないとか言っているのなら、女性を助けられません。
その障害が何であるかという真実に迫っていないことになります」

研究者たちは、現在、自閉症に現れる性別や性差のいくつかと、それらがどのように生じるかをさらに調査することを計画しています。
また、対象とする性別のカテゴリーも拡大する予定です。
今回の研究では、各参加者が記入するアンケートで男性か女性を選択するよう求めていたが、研究者らはアンケートを更新し、ノンバイナリーやトランスジェンダーの選択肢を含めることにしています。

(出典:米マサチューセッツ工科大学(MIT))(画像:Pixabay

そもそも、研究対象から除外されていたら、わかることもわかりません。

必要とされる方に必要な支援がなされるよう、正しい方向に向かうことを願います。

正しい測定ツールを使えば、自閉症の割合の性差はなかった。研究

(チャーリー)

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