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自閉症の女性は虐待を受けやすい。「自分のせいだと思っていた」

time 2023/01/16

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

自閉症の女性は虐待を受けやすい。「自分のせいだと思っていた」

デボラ・ハンターは、自分が周囲とは違うことはずっと自覚していました。

コミュニケーション能力が低く、社交的ではありません。
しかし、その理由はわかりませんでした。

「私はそれを、ある種の自分の甘えだと思っていました。
理由はわかりませんでした。

いい子でいようと、適切な、あるいは期待されるように振る舞おうとしたときでさえ、私はいつも間違えてしまいました」

そして、精神的、肉体的な虐待を実家でされるようになりました。
しかし、それが虐待であることだとわかりませんでした。

「私が学んだのは、それは全部、私のせいだということだけでした。
私の中には、いつも間違った方向に進んでしまう暗い欠点がありました」

デボラは16歳のとき、身の危険を感じて実家を離れました。
そして、その後の人間関係でも、虐待は自分にとっては普通なことだと思うようになりました。

「すべてが自分のせいだと思っていました。
他に情報はありませんでしたから。
彼らには私が変わっていることがわかります。
そして、変わっていることが捕食者を引き寄せてしまうのだと思います」

デボラは、自分が経験したことが虐待であるという事実を受け入れるのに長い時間がかかりました。

「私は被害者です。
そして、生存者です。
実家から始まって、何人かのパートナーにも虐待されました。
私は一生一人で生きていこうと決心しました」

デボラはやがて心理的なサポートを求め、複雑性心的外傷後ストレス障害と診断されました。
そして、家庭内暴力による過去のトラウマに対するサポートを受けて初めて、なぜ自分がいつも違うと感じていたのかがわかりました。

「臨床心理士が優しくこう言ったのです。

『あなたは自分が自閉症だとわかっているの?』

私は全く知りませんでした」

デボラは自分の診断に安堵と不信の両方を感じました。

「自分の頭の中にある自閉症についての固定観念に、自分は当てはまらなかったからです。
でも、もしかしたら、それは私のせいではなく、私の配線が違うだけなのかもしれないと知って…。
まるで重荷が降りたような気分でした」

デボラは、より多くの人たちに女性の自閉症について知ってほしいと願っています。

「自閉症であることは、男の子のほうが女の子よりもはるかに多いと言われてきました。
しかし、今はそうでもないと考えられています。

自閉症の女の子は、一般的に社会的に適合し、溶け込むことが上手なんです。
そうやって、周りの人を真似して、自分の特徴を隠して生きているんです。

もし私がもっと早く診断を受けていたら、親密なパートナーが何をしていたのかわかっていたでしょう。

彼らが私の弱さを利用していることを知り、私はそれを我慢しなくてもよかったでしょう」

自閉症と診断されて、デボラは自閉症の女性のためのサポートグループに入りました。
多くの人がデボラと同じような経験をしていました。

「それは本当に私には欠かせない人たちになりました。
自閉症のピアグループは、私たちが自分自身でいられる、安全な唯一の存在だからです。

自分の言いたいことが言えるし、理解される。
社会的な合図や相手が私たちを誤解することを心配する必要がありません。

自分が一人じゃないということを実感できるのは、とてもいいことです」

デボラは自分らしさを自由に感じ、思い通りの人生を送るようになりました。

「自閉症は悲しいことではありません。
自分が何者であるかを知ることは、本当に元気の出ることです。
そして、遅すぎるということはないのです。それは本当に素晴らしいことです」

“Frontiers in Behavioural Neuroscience”に掲載されたフランスの最近の研究では、自閉症の女性の10人に9人が性的暴力を経験し、約60パーセントが身体的暴力を経験していると推定されています。
また、自閉症の女の子は、同年代の女の子よりも暴力を受ける可能性が高くなっていました。
5人に1人が身体的暴力、性的暴力を経験していました。

自閉症の女性、ジェラルディン・ロバートソンはこの問題は多くの人が思っているよりはるかに深刻だと言います。

「ボディランゲージをうまく読み取れず、気難しく残酷な人たちを近づけすぎて、争いになってしまうのです。
そして、そこに虐待が生まれるのです」

自閉症の人は他の人が持っている社会的ネットワークを持っていません。
我慢しなくていいんだと言ってくれる友人もいないのです。

「私たちは決して被害者を責めたくありませんし、このような女性を探し出すことも加害的なのです。
しかし、彼女たちを安全に守る方法を考えなければなりません。
悲しいことに、このようなことが起こり続けているのですから」

ジェラルディンは家庭内で起きる暴力から自閉症の女性を助けるために、多くの人ができることがあると言いまます。

「ヒントを与えるのではなく、率直に伝えてください。
というのも、私たち自閉症の人はヒントではわからないことが多いからです。
世の中には支援がありますが、しかし、それも知っていません。
自閉症の人たちは、サポートを求めることがさらに難しくなります」

タスマニア州自閉症協会の最高責任者であるドナ・ブランチャードは、自閉症の女性が虐待や強制的な支配を受けやすいのは、多くの要因が交錯しているからだと述べています。

「自閉症の人は年齢を問わず、失業する可能性が高くなっています。
経済的にパートナーに依存しているため、弱い立場におかれるのです」

オーストラリアでは、上院の特別委員会が、自閉症の人たちが不利な立場に置かれていることを明らかにしました。

「社会、地域、経済 – サービスが彼らのために構築されていないため、厳しい状況になっています。
自閉症の女性は、残念ながら、さらに厳しいものとなっています」

ドナは、虐待的な状況に置かれている自閉症の人を減らすのに役立つことがいくつかあると言います。

「最も重要なことは、まず自閉症の人が診断を受けることです。
自分が何者で、どのようにサポートするのがベストなのかを知ってもらうために、障壁を取り除く必要があります。

そして、医療機関、司法制度、児童保護制度、教育、雇用での自閉症の人への支援のあり方が、これまでとは異なる考え方に基づいて、変わらなければなりません」

(出典・画像:豪abc

「自閉症の女性が虐待や強制的な支配を受けやすい」

想像できると思います。

そうしたことが実際に起こりやすいことをまず多くの方が知り、少しでも助けとなってほしいと願います。

自閉症の女の子が直面する性的暴行のリスクは3倍。防ぐために

(チャーリー)


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