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英国では自閉症の人が8倍。増加原因について分かれる意見

time 2024/03/06

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英国では自閉症の人が8倍。増加原因について分かれる意見

2021年の研究によれば、1998年から2018年にかけて、イギリスでの自閉症の診断数は787パーセントも増加しました。
自閉症の診断数が増加する傾向は、自閉症が初めて認識されたころから続いており、80年前には自閉症が2,500人に1人の子どもに影響を及ぼすとされていました。
しかし、その数は徐々に増加し、現在では36人に1人の子どもが自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断されています。

この指数関数的な増加の一因として、症状に対する認識の向上、より深い理解、そして診断を下すことができる医師の数の増加が挙げられます。
これにより、「自閉症の評価範囲が常に広がっている」との見解があります。

これはとくに女性や女の子を含む、以前は自閉症とは考えられなかった広範な人々です。

結果として、幼少期から自覚していた違いを解明するために、多くの成人が診断を求めています。

しかし、診断数の増加の背景にある他の要因については意見が分かれています。
神経多様性運動に関わる人たちや専門家は、過診断の問題なのか、実際により多くの子どもがその状態を持っているのかについて議論しています。

2021年の研究の著者たちは、診断の範囲がさらに広がる可能性があると述べています。
英エクセター大学のジニー・ラッセル教授はこう述べています。

「おそらく誰もが神経多様性として分類されるまで、この状況が続くと思います」

ラッセル教授はまた、サポートニーズが低い自閉症特性を持つ子どもの割合がわずかに高いという議論があるかもしれないが、自閉症であることがが大幅に増加したという議論を支持する十分な理由はないと述べています。

「診断が増加したのは、評価範囲が広がり続けているためです。
一部の人たちは、自閉症と診断される人たちの共通点は、社会環境に適合していないという点だけだと言っています。

たとえば、私のような人も自閉症と診断されるかもしれません。
いくつかの境界線上の自閉症特性を持っているからです。
自閉症の定義が変化しているため、私も自閉症の人になるかもしれません」

ラッセル教授だけでなく、診断の大幅な増加に気づいている専門家は他にもいます。
英自閉症研究センターのディレクター、サイモン・バロン=コーエン教授はこう言います。

「1980年代にこの分野で働き始めたとき、自閉症はかなりめずらしいと考えられていました。
しかし、過去数十年で大きな変化があり、診断数の増加が指数関数的になりました」

自閉症は、幅広いスペクトラムの障害を含む一連の状態であり、過去12ヶ月で自閉症と疑われる人は、イングランドで50パーセント増加しました。

しかし、この増加さえも正確ではないと言う人もいます。

他の研究によると、イングランドとウェールズの自閉症の総人口は120万人を超え、政府がイギリス全体で引用している70万人の数字のほぼ2倍になります。
この研究によると、19歳以下の自閉症の診断率がすべての年齢層でも同じであった場合、この数字になります。

この研究の主任研究員であるエリザベス・オニオンズは、イングランドで50歳以上の自閉症の人々の90パーセント以上がおそらく未診断であるとして、大人における自閉症が依然として認識されていないと述べました。

しかし、神経発達精神医学特別関心グループの議長であるピーター・カーペンター博士はこれに疑問を呈します。

「成人診断サービスは現代の基準に照らして成人人口を見直すための必要な専門知識を必ずしも持っていません。
私たちは『典型的な自閉症の50歳』がどのようなものかについて、現実的な考えを持っていないかもしれません」

学習障害を持つ人々の中で自閉症を理解することにも変化がありました。
1980年代には、学習障害を持つ人々の4分の1が自閉症であると考えられていました。
現在、NHSはそれが4分の3にまでなる可能性があると認めています。

「これは信じられないほど急激な上昇です」

バロン=コーエン教授はそう言います。

自閉症の数のもう一つの増加は、アスペルガー症候群という診断が削除されたことによるものです。
1994年に定義されたこれは、2013年にはなくなりました。
自閉症に吸収されました。

変化のさらに重要な瞬間は、1990年代後半の神経多様性運動です。
認識の大きな変化、偏見との戦い、そして病気ではなくアイデンティティとしての自閉症の再定義を推進しました。
これらすべてが、ループにつながったとラッセル教授は言います。

「診断の増加は、認識の増加につながり、それが人々が自分自身をどのように認識するかに影響を与え、それが診断のさらなる増加につながります」

自閉症の認識と診断が増加するにつれて、重症でない症状を持つ人々が、自閉症が彼らにどのように影響を与えるかについての自分たちの話を持ち寄るようになります。
診断基準はこれらの報告を受け入れるために広げられ、再び診断の増加に戻ります。

簡単に言うと、自閉症が何であるか、または何でないかについての明確な答えはありません。
それについては決して答えが出ないと言う人もいます。

英ロンドン大学カレッジの神経発達状態を専門とするウィリアム・マンディ教授は、自閉症のあいまいな性質はその状態の特徴であると考えています。

「私たちが誰かを自閉症とラベル付けする前に必要な特徴は何か。
それは答えるのが不可能なほどの質問です。
そのため、私たちは数値的な定義を設けるべきだと思います。
たとえば、自閉症の人というのは人口の2パーセントと、決めるべきかもしれません」

自閉症診断をめぐる深い疑問よりもさらに重要なことは、自閉症の人たちがしばしば幸せな人生を送らないという悲しい真実です。
自閉症でない人たちと比べて、精神的および肉体的な健康が悪い可能性が約70〜80パーセント高く、教育の達成度が低い、失業や就業不足、被害に遭うこと、社会的孤立、および早期死亡を経験する可能性があるのです。

英国民保険サービス(NHS)は最善を尽くしていますが、コロナウイルスのパンデミックの最高潮以来、自閉症の診断を待っている子どもたちの数は350パーセント増加し、待ち時間は2年を超えています。

英国の子どもと青少年の精神保健サービス(Camhs)も限界に達しています、
イギリスの一部の地域では、子どもの精神保健サービスへの紹介の80パーセントが自閉症関連です。
待ち時間を減らすために、新しい紹介基準が導入されました。
これは自殺を含む、子どもたちへの害から守るものにつながると親たちは言っています。

自閉症研究の主な目的を、自閉症の人々がより幸せな人生を送る方法を理解することに焦点を当て直すべきかと考える人もいます。
マンディ教授はこう言います。

「現在、私たちは診断に関して『はい』『いいえ』の区別にばかり焦点を当てています。
どうして、こう考えないのでしょうか?

『あなたにはこういう特徴があります。
なので、人生にこう影響があるかもしれません。
なので、どう私たちが支援できるか考えましょう』」

(出典:英The Guardian)(画像:たーとるうぃず)

「自閉症の認識と診断が増加するにつれて、重症でない症状を持つ人々が、自閉症が彼らにどのように影響を与えるかについての自分たちの話を持ち寄るようになります。
診断基準はこれらの報告を受け入れるために広げられ、再び診断の増加に戻ります。」

これはありそうです。

たびたび、すでにご活躍されていて、支援が必要とは思えないような方が「私は発達障害」と自ら話し、その日の芸能ニュースを賑わします。

それを見るたびに、自分もそうだろうと考える機会が増える一方で、私はうちの子のような、一日中支援が必要で話すこともできない深刻な自閉症の人たちの存在への認識がなくなってしまわないかと心配になります。

発達障害当事者の私が思う「ニューロダイバーシティ」の問題点

(チャーリー)


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