- 自閉症を持つ人は、音に対してなぜこれほど敏感になるのですか?
- 環境音の影響を受けると、どのように日常生活に支障をきたすのですか?
- 音に敏感な人々のために、どのように公共の空間を改善することができますか?
幼い頃、初めて恐怖を感じた音のひとつが、浴槽の排水口に流れ込む水の音でした。
排水栓が抜かれると同時に耳をふさぎ、部屋を飛び出したのを覚えています。
その音はいまだに私の体を緊張させ、心拍数を上げます。
この反応が自閉症によるものだと知ったのはずっと後のことでした。
自閉症の影響で、私はさまざまな音に対して敏感だったのです。
私の自閉症は子どもの頃には見過ごされていました。
私は騒がしい教室で集中するのに苦労していました。
小学校から高校まで、教師たちは私を「静かな生徒」として報告していました。
両親もまた、私の自閉症の兆候に気づきませんでした。
掃除機の音やテレビをつける音で私が怒り狂う様子を見ても、それを問題視しませんでした。
私は常に感覚過負荷を感じていました。
これは、脳が大量の感覚情報に圧倒されて引き起こされる「戦う・逃げる・凍りつく」という反応です。
その結果、頻繁に大きなパニックを起こしていましたが、それは単なる癇癪として片付けられていました。
現在、私はオーストラリアのメルボルンに住んでいますが、この都市も他の多くの都市と同様、大きくて予測不可能な音で満ちています。
私にとって、人生の音量が高すぎるように感じます。
ブレーキ音に歯を食いしばり、路面電車のベルに驚き、周囲の何十もの会話が一度に耳に飛び込んできます。
その騒がしさのせいで自分の思考さえ聞こえません。
環境の音量を下げる必要性をしばしば感じます。
18歳で自閉症スペクトラム障害の診断を受けたことは、私にとって大きな転機でした。
なぜ自分が環境音に対してこれほど敏感なのかを理解したことで、自分を適応させる方法を見つけ始めることができました。
公の場で騒音に対処するため、ノイズキャンセリングヘッドフォンや高性能の耳栓を使うようになりました。
では、なぜ自閉症の脳は音をこんなにも違って処理するのでしょうか?
この疑問を研究するメルボルン大学の聴覚専門家で研究者のフィリッパ・ジェームズによると、こうした聴覚処理の違いは、まだ理解が進んでいない領域だといいます。
ジェームズは「自閉症の人々がある音を脅威と捉え、他の人と異なる処理をする理由は、まだはっきりとはわかっていません」と話します。
「注意力の違いやストレスの高さが、これらの聴覚処理の違いに寄与している可能性が高い」とのことです。
ジェームズのクリニックに来る自閉症の人々に見られるさまざまな音への敏感さは、専門家の間で「音耐性低下障害」と総称されています。
これには、他の人にとって普通の音量でも身体的不快感を引き起こす「聴覚過敏症(ハイパーカシス)」や、特定の音に対して強い感情的・生理的反応を示す「ミソフォニア(音嫌悪症)」などがあります。
ミソフォニアの引き金となる音には、咀嚼音や飲み物を飲む音、キーボードのクリック音などが含まれます。これらは多くの場合、他人が発する音です。
ジェームズのクリニックに訪れる人々の約3/4がミソフォニアを経験しています。
ミソフォニアや聴覚過敏症、その他の関連障害は、私が感じるような感覚過負荷を引き起こします。
これらの障害を持つ患者は、しばしば「注意、知覚、反応、集中」の悪循環に陥り、常に「戦うか逃げるか」の状態に置かれるといいます。
「しかし、脳はこのプロセスをゆっくりと逆転させるように再訓練することができ、トリガー音に対して徐々に鈍感になることが可能です」
音に敏感な人にとって公的な空間は十分に配慮されていない、とインテリア建築デザイナーで障害者支援スタッフのイリアナ・ギニスは指摘します。
「これは複数の理由によると思います。まず、この概念が多くの建築家やデザイナーにとってまだ新しいこと。
そして、利用者がどのような多様な体験をしているのかに気づいていないことです」
ギニスの仕事は「ユニバーサルデザイン」と呼ばれる一連の原則に基づいています。
これらの原則は、障害の有無、年齢、その他の特性にかかわらず、誰もがアクセスできる建物や環境を作ることを目指すものです。
ユニバーサルデザインの原則に従えば、駅や広場、公的建物などに「感覚ゾーン」を設けることが可能になります。
例えば、低感覚ゾーンでは背景音を抑えることで、音に敏感な人がより集中しやすくなるかもしれません。
作業療法士でアクセシビリティコンサルタントのキャサリン・グラントによると、神経発達の違いを持つ人々を含む設計は、世界的に新たなトレンドになりつつあります。
「アクセシビリティは基準に基づいていますが、ユニバーサルデザインはむしろ哲学的なものです。
ユニバーサルデザインを完全に達成することはありません。
しかし、より包括的に設計することは常に可能です。
それはプロセスであり、製品や最終目標ではありません」
聴覚専門家のフィリッパ・ジェームズは、クライアントに外部の騒音を軽減するための音環境を利用する方法を提案しています。
これは、ヘッドフォンで低レベルの音を流すことで外界の音をマスキングし、管理する方法です。
人気のある環境音には、波が打ち寄せる音、雨が屋根に当たる音、ホワイトノイズなどがあります。
「この方法を使うことで、音環境が予測できない場所や音が安全ではないと感じる場所でも、自信を持って過ごせるようになります」
ノイズキャンセリングヘッドフォンやフィルター付き耳栓も、騒がしい公共の場で利用できます。
私は現在、ノイズキャンセリングヘッドフォンや耳栓、ホワイトノイズなどの補助機器を利用していますが、
それでも感覚過負荷やパニックを頻繁に経験します。
(出典・画像:豪abc)
どれほどのご苦労なのか、正直私にはわかりません。
だからこそ、知らなければなりません。
(チャーリー)