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自閉症やADHD、発達障害の人の「マスキング」について理解を

time 2023/01/11

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

自閉症やADHD、発達障害の人の「マスキング」について理解を

多くの自閉症やADHDの人が、生活の中で「マスキング」や「カモフラージュ」を使っていると報告しています。

これは、「多くの人とは違う人」として認識されるのを避けるために、もっている特徴を隠し、発達障害などでない人のようになろうとすることです。
次のようなことを変えます。

  • 声のトーン
  • 顔の表情
  • アイコンタクト
  • スピーチパターン
  • ボディーランゲージ

自閉症の人たちは、そうでない多くの人たちが支配する社会規範に合わせるために、変えています。
ADHDの人たちも変えているようですが、ADHDの人のマスキングは十分な研究がなされていません。

マスキングやカモフラージュは大きなストレスとなる可能性があります。

そしてそれらは、発達障害などでない人がまわりに反応して行う調整とは異なります。
発達障害などでない人は社会的成功のために行動を我慢することがありますが、マスキングとカモフラージュは発達障害の人が否定的な結果を回避するために行うものです。

マスキングやカモフラージュを行うことは、次のような結果をもたらします。

  • 身体的、感情的、知的疲労
  • 不安、抑うつ、セルフイメージの低下
  • ネガティブな自己認識とアイデンティティの喪失
  • 燃え尽き症候群
  • 自殺傾向

それでも、マスキングやカモフラージュをしなければ、多くの自閉症の人が仕事や資格の取得に困難を感じたり、社会的排除の問題を経験すると報告しています。
暴言や身体的暴行を受ける危険性さえあるのです。

私は20代後半になって、自分が自閉症であることを知りました。
突然、物事が理解できるようになりました。
中学の成績不振から慢性的な失業、社会的孤立に至るまで、自分の障害がこれらの悪い結果を引き起こしていることを理解できたのです。

そう、最初はそう思っていました。

この医学的な理解では、障害は主に身体や脳の医学的障害によって生じるものとされています。

自閉症の人やADHDの人が社会生活や雇用、学校教育で苦労しているのは、脳が「あるべき姿」で働いていないからだというのです。

しかし、ニューロダイバーシティ運動は、私たちにこのことを再考するよう求めています。

ニューロダイバーシティ/神経多様性を「修正」しなければならない問題と見るのではなく、ニューロダイバーシティをよりよく受け入れるために、社会がどのように変われるかを問うています。

たとえば、ニューロダイバーシティの活動家により、自閉症に対する差別に対し、社会の受容と包摂を促進することを目的にTwitterでは「#TakeTheMaskOff」キャンペーンが行われています。

社会はどのようにしてニューロマイノリティの幸福、社会的、教育的、雇用的成果の低下を防ぐことができるのでしょうか。
そして、それはマスキングにどう関係するでしょうか。

私は、発達障害などでない多数の人の特権、つまり多数の人の規範の文化的・社会的優位性が、マスキングやカモフラージュをどう促進しているかを明らかにすることが、最初のステップになると考えています。

自閉症に関する私の研究は、障害者差別禁止政策への道を切り開いた活動家たちの仕事の影響を受けています。

私の最近の論文では、自閉症の人々がなぜマスキングやカモフラージュをするのか、またその必要性を減らすためにどのような変化をもたらすことができるのかを検討するために、交差性を考慮することを訴えています。

交差性とは、植民地主義、人種差別、家父長制などの力が、いかに体系的な不公平を助長しているかを明らかにするものです。
例えば、男性優位の環境にいる発達障害の女性は、発達障害でない女性として「パス」するためにマスクしなければならないという特別なプレッシャーにさらされているかもしれません。

おそらくいつか、マスキングやカモフラージュをすることができない、あるいはしないことを選択した人への法的保護が見られる日が来るはずです。

それまでは次のような方法でインクルージョンを支援してください。

・発達障害などでない多数の人がもっている特権、そしてそれが発達障害の人にどのように認識されているのかを知る

・発達障害の人がマスキングを止める、変えることは、その人にとってリスクがあることを知る

・ニューロダイバーシティについて理解する

・リモートワークや学習方法を選択できるようにする

・発達障害の人への支援ツールなどを利用する

学校や職場、公共の場、そして研究機関は、発達障害などでない多数の人たちの特権に対処する必要があります。
多様なニューロマイノリティのリーダーに力を与え、彼らが組織的な文化的変化を推進するのを支援しなければなりません。
そうすることで、「マスキング」の必要性をなくし、職場や学校、そしてより広い社会で発達障害の人たちの生活が向上します。

ベス・ラダルスキー
豪ラトローブ大学 博士課程在学中、神経多様性プロジェクトマネージャー

(出典:豪THE CONVERSATION)(画像:Pixabay

・マスキングを行う理由

・マスキングがもたらす結果

多くの人に知ってほしいと願います。

そんなことをしなくてもよい社会にするために、学校でも教えてほしいです。

多くの子に見てほしい発達障害の子のアニメ動画。見方が違うだけ

(チャーリー)


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