この記事が含む Q&A
- 6か月〜3歳の睡眠問題はどのような要因と関係しますか?
- 睡眠の問題は刺激の敏感さや決まった寝る前の習慣が安定していないと寝つきにくくなる可能性があると説明されています。
- 3歳〜6歳では睡眠問題とどのような関係が見られますか?
- 感情のコントロールの難しさや行動の困難が睡眠問題と強く関係し、眠りと感情の問題が互いに影響し合う可能性が指摘されています。
- 6歳〜18歳では何が睡眠問題と関係しますか?
- 発達の特徴・生活の力・保護者のストレスが関係し、特に保護者のストレスが高いほど睡眠問題が多い傾向があるとされています。
夜、なかなか寝てくれない。
やっと寝たと思ったら、すぐ起きてしまう。
自閉症の子どもを育てている家庭では、こうした「眠り」の悩みを感じている人は少なくありません。
実際、多くの研究で、自閉症の子どもの多くが睡眠の問題を経験していることがわかっています。
けれど、ここで一つの疑問があります。
「睡眠の問題は、子どもの年齢によって変わるのだろうか?」
小さな子どもと、小学生や思春期の子どもでは、発達も生活も大きく違います。
もし睡眠の問題の原因が年齢によって違うのであれば、支援の方法も変わるはずです。
今回、イタリアのバンビーノ・ジェズ小児病院の研究チームは、
6か月から18歳までの自閉症の子ども218人を調べ、
・睡眠の問題
・行動や感情の困難
・発達の特徴
・保護者のストレス
がどのように関係しているのかを詳しく分析しました。

その結果、見えてきたのは、とても興味深い事実でした。
自閉症の子どもの睡眠の問題は、年齢によって「関係する原因」が大きく変わっていたのです。
まず、最も小さい「6か月〜3歳」の子どもたちです。
この年齢では、睡眠の問題はさまざまな要因と関係していました。
たとえば、自閉症の特徴が強い子どもほど、寝つきにくい傾向がありました。
研究者たちは、その理由としていくつかの可能性を考えています。
自閉症の子どもの中には、光や音、布団の感触などに敏感な子どもがいます。
こうした刺激があると、リラックスしにくく、眠りに入りにくくなることがあります。
また、自閉症の子どもは「いつも同じこと」を好むことがよくあります。
決まった順番の寝る前の習慣や、いつもと同じ環境があると安心できます。
しかし、少しでもその流れが変わると、不安や緊張が強くなることがあります。
こうしたことが、寝つきの難しさにつながる可能性があると研究者たちは考えています。
そしてもう一つ興味深い結果がありました。
知的発達が高い子どもほど、特定の睡眠の問題が見られることがあったのです。
この関係については、まだ十分にはわかっていません。
研究者たちは、今後さらに詳しい研究が必要だと述べています。

次に、「3歳〜6歳」の子どもたちです。
この年齢では、睡眠の問題と強く関係していたのは、子どもの行動や感情の問題でした。
たとえば、
・感情のコントロールが難しい
・行動の困難が多い
といった子どもほど、睡眠の問題が多い傾向がありました。
ここで重要なのは、この関係が「一方向ではない」可能性があることです。
つまり、
睡眠がうまくいかない
↓
感情のコントロールが難しくなる
そして
感情の問題がある
↓
眠りにくくなる
というように、互いに影響し合う可能性があります。
研究者たちは、この関係が幼い時期から続く「発達の流れ」の中にある可能性があると指摘しています。

そして最後に、「6歳〜18歳」の子どもたちです。
この年齢になると、睡眠の問題に関係する要因がさらに変わっていました。
ここで重要だったのは、
・子どもの発達の特徴
・生活の力
・保護者のストレス
でした。
とくに大きく関係していたのが、保護者のストレスです。
保護者のストレスが高いほど、子どもの睡眠の問題が多い傾向が見られました。
子どもの社会的な困難や行動の問題は、保護者にとって大きな負担になることがあります。
保護者が強いストレスを感じていると、
・子どもの行動を落ち着かせる
・生活のリズムを整える
といったことが難しくなることがあります。
その結果、睡眠の問題がさらに続いてしまう可能性があります。
また、日常生活の力と睡眠の関係も見られました。
たとえば、
・身の回りのこと
・生活の管理
・日常の活動
といった力と、睡眠の状態に関係がある可能性が示されました。
ただし、この関係についてはまだはっきりとはわかっていません。
睡眠が生活に影響しているのか、生活の状態が睡眠に影響しているのか、それとも別の要因があるのか。
これからの研究が必要だと研究者たちは述べています。
今回の研究から見えてきた最も大切なことは、
自閉症の子どもの睡眠の問題は、年齢によって意味が変わるということです。
乳幼児では、発達や行動の特徴が大きく関係します。
幼児期では、感情や行動の問題が重要になります。
学齢期や思春期になると、家庭環境や保護者のストレスも関係してきます。

つまり、睡眠の問題は単純なものではありません。
子どもの発達、行動、生活、そして家族の状況が重なり合って生まれている可能性があるのです。
だからこそ研究者たちは、睡眠の支援を考えるときには、「年齢に合わせた支援」が大切だと述べています。
同じ「自閉症の睡眠の問題」であっても、幼児と小学生では意味が違うかもしれません。
子どもの年齢や発達の段階を理解することが、よりよい支援につながる可能性があります。
そしてこの研究は、もう一つ大切なことも示しています。
自閉症の睡眠の問題は、子どもだけの問題ではないということです。
子どもの行動、感情、発達、そして家庭の状況。
それらがすべて関係しながら、睡眠は形づくられているのです。
だからこそ、子どもの眠りを理解することは、
子どもの生活全体を理解することにつながるのかもしれません。
(出典:Frontiers in Psychology DOI: 10.3389/fpsyg.2026.1715093)(画像:たーとるうぃず)
うちの子も小さな頃はほんとうに眠らなくて、私もへろへろになることが多くありました。
しかし、医師に相談し、薬を飲むようになってからは、うちの子はよく眠れるようになり、日中も楽しそうにしている時間が増えました。
私もよく眠れるようになりました。
(チャーリー)




























