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発達障害の子の父は会社を辞めてカフェ経営

time 2017/01/21

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発達障害の子の父は会社を辞めてカフェ経営

父親は発達障害の息子を愛し、ひとりで生きていけるようにするために、仕事を辞め、カフェをオープンしました。
支援団体のiM4uは、マレーシアのプチョンを拠点とし、発達障害者カフェプロジェクトを行い、17年以上に渡って、発達障害の人や特別支援を必要とする人たちの希望となってきました。
「仕事をやめてカフェで働くことに後悔はありません。もし、今これをしなかったら、将来どうなってしまうのでしょうか?」
モード・アリ、52歳。それまでは、スタンダード・チャーター基金で事務局長を務めていました。
アリの息子、ムアンマディは18歳。将来への不安がありました。
「私には6人の子どもがいます。
しかし、その子たちは自分と自分の家族のことでいっぱいになってしまうはずです。
そうであれば、私や妻が亡くなった後、だれがこの子をみてくれるというのでしょうか。
この子はひとりで生きていけるようにならなくてはなりません。
皿洗いでもいいのです。
完全に自立することは難しいかもしれません、しかし生活費を稼げるようにならなければならないのです。」
父親のモードは語ります。
最初は、他の親たちと同じで、息子のムアンマディが発達障害と診断をされた時には落ち込みました。
「16人もの医者の診断を受けました。息子が発達障害であることを認めたくなかったのです。
医者から認めるようい言われ、涙が流れ出たことを思い出します。
もうその時には、息子は10歳か11歳でした。」
モードは、発達障害や特別支援を必要とする子どもたち向けのトレーニングプログラムを数多く受けさせました。
しかし、それらのプログラムと息子が必要とする支援との隔たりはますます大きくなるばかりでした。
「彼らは、日常必要なことを訓練してくれます。
しかし、将来必要となる、お金を稼ぐ機会をくれるわけではありません。
雇用は競争です。障害のある子たちよりも自分のような人が雇用されるのです。」
アリは、息子のムハンマドがぴかぴかに綺麗にお皿を洗うところをみせてくれました。
「これは、ちっぽけなことかもしれません。
しかし、息子にとっては、お皿をきちんとすることを含んだ一つの仕事の達成なのです。」

昨年の8月にカフェは開いたばかりですが、発達障害の子どもたちは大きく変わってきました。
ここで働く発達障害の子どものひとり、15歳のネオ・ベイカーは興奮しながら話しました。
数ヶ月前、ネオの父親は働くことはとても無理だと考えていました。
「息子は、数ヶ月前からここで働くようになって、とてもよくなってきました。
以前に比べ、人とやりとりすることに自信がついて、会話するようになってきました。
この成長は、本当にうれしく思います。」
ネオと父親は2年前にイギリスから、マレーシアに引っ越してきました。
「ここに来て幸せです。
家族の絆はますます深くなりました。
またマレーシアの人たちは、イギリスの人たちよりも規律正しいです。」
イギリス海軍出身の父親は、息子のネオがここマレーシアのほうが成長ができると信じています。
「ここには、たくさんの理解があります。そして、サポートがあります。」
息子のネオが言います。
「イギリスでは、父は私の友だちを探していました。」
イギリスでは、自分の友だちは同情していただけと感じていたと言います。
「ここの人たちは、本物の友だちです。幸せになりました。
みんな、私を別扱いしないのです。」

エルビン・リー58歳とエミリア56歳の夫妻も、23歳の息子、アダム・リーの成長にうれしくなっています。
アダムは幼い頃に、甲状腺機能低下症と診断をされ、発達に影響が出ました。
人と話すことに困難をかかえていました。
「息子は、工場でパッケージをする仕事をしていました。しかし、好きではありませんでした。
今は、息子がここで幸せに働いているのを見ます。毎週、木曜日と金曜日、ここに働きに来るのを楽しみにしています。」
発達障害などを理解している他の親たちと、ここで出会えることにもうれしいといいます。
「すぐに反応してくれる、サポートをしてくれる人たちができたのです。」
このカフェにいて一番うれしいことをたずねられると、息子のアダムはゆっくりとした口調で答えました。
「お客さんに料理を運んで、新しい人に出会えることです。」

このカフェをオープンしたモード・アリの双子はふたりとも発達障害です。
高機能自閉症の子と低機能自閉症の子です。
高機能自閉症の子は、一見、ふつうです。しかし、コミュニケーションを行ったり、計算が不得意です。
低機能自閉症の子は、教えたことを理解できます。しかし、それに応えることが難しいです。
とモードはいいます。
「高機能自閉症の子にはパートナーを作り、パートナーに仕事を教えることをお願いすると自信がつき、仕事ができるようになります。これはとても効果的な方法です。」
モード・アリはこのカフェに来ることができない子どもたちも、家でクッキーが作れるように、家族たちへの指導も行っています。
「家で作られたクッキーをこのカフェで売っています。」
イベント向けに、このカフェでは宅配なども行います。
モード・アリの夢は、ずっとこのカフェが続くようになることです。
「経済的な余裕はありません。このカフェへの投資を募っています。」
カフェのプロジェクトを行うiM4uのタン・シュエワーンは、これは特別支援が必要な人たちのためのプロジェクトだと語ります。
「私たちは、ここで働く若者が大きく成長したのを見てきました。
時間を守って働くことができるようになって、人とのやりとりもできるようになってきました。
モード・アリのこのカフェは多くの人たちにとって、利益あるものです。」
(出典・画像:マレーシアTHE STAR

カフェとネットサービスという違いはありますが、自分のことのように思えながらお伝えしました。

(チャーリー)

 

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