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発達障害の人の働く場をワインボトルで作る

time 2017/05/13

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発達障害の人の働く場をワインボトルで作る

米カリフォルニア州プラサービルにあるラバ・キャップ・ワイナリーで、リチャードは空の青いボトルを見ています。
「青色はコバルトとニッケルでそうなります。
赤いのは、金でそうなります。あまり赤いボトルはあまり見ることはありません。」
29歳の熱心に働くリチャードはそう語ります。
リチャードは、自閉症スペクトラムの多くの人と同じように、細かいところまで記憶することができます。しかし、それはいつも役にたつとは限りません。
リチャードは、ワインボトルをリサイクルして、ガラスのボウルを作るフォーエバー・グラス社で働いています。
もっているスキルを活かせる安全な場所となっています。
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昨年から、発達障害の成人を雇用するために母親のキャシー・ポーターがこのビジネスを始めました。
息子のリチャードをはじめとして、正しいサポートを受けながら、ここで貴重な戦力となる従業員になれるといいます。
「適切な何かを与えれば、息子はよくわかっているので、他の人ともつながろうとします。
ビジネスに必要な関係を作ることができます。それもわかってもらえるようになりました。
本当に、それをどう実行するかです。
発達障害のある人たちを孤立させるべきではありません。」
母親のポーターは、発達障害による影響を受けている何百ものカリフォルニア州にいる家族への負担となっている、雇用の格差を埋めたいと考えています。
発達障害の子が大人になっていくと、多くの保護者は自分がいなくなった時に子どもたちがどう生きていけるのか心配になってきます。
高機能自閉症の成人の場合には、競争の激しい業界で活躍したり、独立して生計をたてる人もいます。
しかし、多くの発達障害の人は、話すことができない、人ごみが怖い、パニックを起こしてしまうなどの厳しい状況にあります。
米カリフォルニア州の発達障害協会の2014年の雇用報告によれば、自閉症スペクトラム障害を有する米カリフォルニア州の成人の26%だけがフルタイムで、63%はパートタイムで雇用されています。
また、発達障害の成人の一部は大学に通いますが、他の多くの人は州主催の昼間プログラムに出席したり、「何もしないで自宅にいる」と答えています。
しかし、適切な職場環境と国からの支援があれば、発達障害の成人の多くがもっとキャリアを築くことができると、ポーターや支援者たちは言います。
「私たちが年を取るにつれて、リチャードが地域社会の一員になるための方法があることを見つけたくなりました。そして、息子がずっと何かできるように、フォーエバー・グラスという会社を作りました。」
ポーターのホットガラスショップでは、いろいろな形や大きさのボウルが飾られています。
透明なビンの底には、虹色に輝く砕かれたガラスが入っています。
リチャードと他の従業員たちで、6つのワイナリーからボトルを回収して、ガラスを粉砕したり、磨いたりしています。
リチャードはごきげんな日には、溶けたガラスを流し込む型を作ります。
最近は、ねんどに熱心に目を向けて、貝殻を押し付けました。
時には、化石をまねたパターンをほったり、波を描くこともあるそうです。
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「私の大好きな作業は、デザインをしたボウルをボウルを焼く過程です。」
流し込む型を準備すると、母親のポーターと妹のビジネスパートナー、ベルナデット・ギマリンは、2,000度の窯から引き出された溶融ガラスを流し込みます。
ポーターとギマリンは地元のアートギャラリーなどで販売を行っています。
姉妹は、結婚式やその他、特別なイベント飲まれたワインのボトルをリサイクルして、一つのガラス製品にする、オーダーメイドの「記念になるボウル」サービスもフォーエバー・グラスで行っています。
最近、ポーターとギマリンの姉妹は、設備を整えること、マーケティング、給与計算(従業員の給与は1時間あたり、11ドル(約1250円))でいっぱいの状態です。
ポーターも、自身がガラスアートのプロで、自分の作品を販売しています。
夫も手伝っています。
売上が増えていけば、店長を雇いたい、自ら行うガラス製作の作業を減らしたいと願っています。
この森や庭のそばで、発達障害の人たちがチームになって、それぞれが作品を磨き、1日の仕事を学んでいけるようになることを願っています。
「ここでは、発達障害の人たちの強みの全てを見つけることができます。
それによって、他のところでも働けるようになるはずです。」
(出典・画像:米THE SACRAMENT BEE
記念となるイベントで、空いたワインボトルから記念となるガラス製品を作る。
これは、よさそうなアイデアですね。
こういった、他のところではやっていないようなことをされていると、ビジネスの拡大も期待できます。
母親が息子のために始めた素晴らしい取り組みです。
 
息子のために始めた父親もいます。
発達障害の息子だけでない働ける機会を創る

(チャーリー)

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