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自閉症だとわかる「顔の特徴」はあるのか?これまでの研究から

time 2024/02/20

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

自閉症だとわかる「顔の特徴」はあるのか?これまでの研究から

顔の特徴を使って自閉症を検出しようとする研究が増えています。
診断に役立つ可能性はありますが、多くの研究は信頼性に欠けています。

自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つ、または自分が自閉症かもしれないと疑っている人にとって、診断を受けることは困難です。
研究者や医師は、自閉症のような状態をより効率的で正確な方法で診断する方法を模索しています。

自閉症の人は、自閉症ではない人とは異なる顔の特徴を持つことがあります。
顔の個々の特徴を見て自閉症の診断を行うことができれば、より多くの人が迅速に診断を受け、より早い段階で必要なサポートを得ることができるかもしれません。

自閉症の人には特定の顔の特徴があるという考えを支持する研究があります。
2019年の研究では、自閉症の子どもを対象に、自閉症を識別するのに役立った2つの顔のマーカー、

  • 顔の中央部の高さが低い
  • 目が離れている

が指摘されています。

しかし、この研究は対象数が少なく、また白人の子どもたちだけでした。
そのため、信頼性に欠けています。

自閉症の子どもの顔の特徴に関する追加の研究では、最初の研究の発見を支持し、自閉症の顔の特徴には次のようなものが含まれることを示唆しました。

  • 上顔面が広い
  • 口と人中が大きい
  • 中顔面が短い
  • 目が大きい

なお、自閉症の人の脳の発達の違いが、異なる顔の特徴を引き起こす可能性があるとも、研究者は示唆しています。

身体的マーカーを見つけ、それにより自閉症を検出することは、自閉症研究の成長分野です。

しかし、自閉症の子どもの顔の特徴の研究は少ないため、これらの特徴を持っているからといって自閉症であるとは限らないことに注意することが重要です。

これらの特徴がなくても、自閉症である可能性はあります。

子どもの自閉症の診断は、現在、社会的および認知的発達を評価する観察ツールに基づいて行われます。
2021年の研究によると、自閉症の診断には主に2つのツールがあります。

精神障害の診断と統計マニュアル、第5版、テキスト改訂版(DSM-5-TR):多くのメンタルヘルス専門家が自閉症スペクトラム障害を診断する際に使用する基準を概説しています。

修正版幼児自閉症チェックリスト(M-CHAT):16~30ヶ月の子どもを対象に診断を助けるために使用される、はいかいいえの発達症状チェックリストです。

顔の特徴を使用して自閉症を診断しようとする研究は、主に自閉症の早期発見と必要なサポートを自閉症の人に提供することを目的としています。

しかし、顔の特徴は自閉症の診断に役立つ可能性がありますが、それだけに頼るべきでは決してありません。

顔の特徴のみに頼ることには大きな問題があるからです。

自閉症の人に共通の一連の顔の特徴がある一方で、それらの特徴は、自閉症でない人にも現れるためです。

2022年の研究は、顔の特徴を使用して自閉症を検出することを目的とした複数のモデルをレビューし、多くのモデルが86〜95パーセントの精度で自閉症を検出できることを発見しました。
研究者は、顔の検出を備えたツールが、医師の診断を助けることができると提案しています。

なお、自閉症を検出するのに役立つ他の身体的特徴に関する研究はほとんどありません。

幼い時期に子どもに自閉症の診断を検討するべき顕著な特徴には次のようなものがあります。

  • 言葉の理解や言語の生成など、言語における遅れ
  • 運動技能における課題
  • 目を合わせることが苦手
  • 他の子どもに興味を持たないなどの社会的困難
  • 名前を呼ばれても反応しない
  • 限定的または繰り返しの興味
  • ルーチンを変更することへの困難
  • 指差しや身振りなど、非言語的ボディランゲージについてのトラブル

しかし、これらの兆候は親や医師に見落とされることがあります。
そのために、検出と診断方法に関する徹底的な研究が必要とされています。

結論としては、顔の特徴は、自閉症を検出し診断する際に役立つ可能性はあります。
研究では、自閉症の人に、より一般的であると示された顔の特徴があります。

しかし、顔の特徴が診断の唯一の方法であるべきではありません。

顔の特徴が自閉症を検出するのに役立つ可能性を示唆した現在の研究は、対象者数が少なく限界があるものです。
一方で研究者は、顔の特徴は、自閉症の人の脳の違いを示すものと考えています。

この研究分野が成長を続け、より多い実験対象者と多様な集団でこの考えが支持されるならば、顔の特徴が自閉症の人により早い時期にサポートと治療を提供するのに役立つかもしれません。

(出典:米PsychCentral)(画像:たーとるうぃず)

うちの子も、自閉症と診断される前の幼児だったころに、一人に一度だけ、「目が離れている」と言われたことがあります。

その後これまで、他の誰にも言われたことはありません。

正直、言われたときも、いやいや街中でもよく見る顔だろうし、私の顔もそんなもんで似たのだろう(私も言われたことはありませんが)と思ったものです。

可能性はあるかもしれませんが、そうした特徴をもつ自閉症でない人がたくさんいることも容易に想像できるため、少なくとも現在は、顔からはわからないと考えるのが現実的でしょう。

(たくさんのデータを持つことが出来、AIが学習すれば、早期診断のサポートツールになり得る可能性はその通りです)

うちの子も今は大きくなって、行動や経験が顔に現れるのでわかるかもしれませんが、小さかった頃の顔の写真を見せても、誰もわからないはずです。

自閉症の人の中には頭や脳が大きい人が多いという研究結果

(チャーリー)


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