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ADHDの子を育てる親に効果。薬より家族マインドフルネス

time 2025/09/16

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ADHDの子を育てる親に効果。薬より家族マインドフルネス

この記事が含む Q&A

ADHDの子を持つ家庭で、薬物治療とMYmindの比較はどの点が重要ですか?
短期的には薬物治療が症状改善に有効ですが、長期では親のストレス軽減や生活の質の向上は家族でのマインドフルネスの方が顕著で、父親の改善が大きいという結果です。
親の効果はどのように評価されていますか?
親のストレス、育児のやり方、マインドフルネスの程度、セルフコンパッション、睡眠の質、ADHD症状などを複数の時点で評価し、MYmindで改善が見られました。
親子で参加するプログラムの特徴は何ですか?
週1回90分×8週間のプログラムで、親子が一緒に取り組み、親向けにマインドフルペアレンティングや家庭での実践が重視されます。

ADHDの子どもを育てる親にとって、毎日の生活はとても大きな負担になることがあります。
親として精一杯頑張っても、子どもが落ち着かない、すぐに衝動的な行動をしてしまう、学校や家庭で注意が続かないといった場面に直面すると、親の方が疲れ果て、心が追い詰められてしまうのです。
こうした親のストレスは、子どもへの対応に影響し、さらに子どもの行動を悪化させてしまうという悪循環につながることも少なくありません。

この悪循環を断ち切る方法として注目されているのが「マインドフルネス」に基づいた家族プログラムです。
今回、アムステルダム大学の研究チームが行った大規模なランダム化比較試験は、ADHDの子どもとその親に「MYmind」というマインドフルネスプログラムを行う場合と、子どもにのみメチルフェニデート(一般的に使われるADHD治療薬)を投与する場合とを比較しました。

MYmindは、子どもと親がそれぞれ週1回、90分間、8週間にわたってマインドフルネスを学ぶプログラムです。
親向けには「マインドフルペアレンティング」と呼ばれる内容が組み込まれ、ストレスの対処法や、子どもとの関わり方を丁寧に見直す時間が設けられます。
子どもは呼吸法や簡単なヨガ、注意を向ける練習を体験します。親子が一緒に取り組むセッションもあり、家庭でも日常的に実践することが重視されました。

一方、薬物治療グループでは、子どもが短時間作用型のメチルフェニデートを4か月間服用しました。
投与量は医師が調整し、子どもの学校生活や家庭での行動を観察しながら最適化されました。

この研究では、子どもの症状だけでなく、親の状態にも焦点を当てました。
具体的には、親のストレス、育児のやり方、マインドフルネスの程度、セルフコンパッション(自分を思いやる気持ち)、睡眠の質、そして親自身のADHD症状などを複数の時点で評価しました。

結果は興味深いものでした。

母親に関しては、MYmindに参加したグループの方が、子どもへの過剰な反応(怒鳴る、イライラしてしまうなど)が減り、自分への思いやりや睡眠の質が改善していました。

父親に関してはさらに顕著で、ストレスの軽減、マインドフルな子育て、自分への思いやり、心の不安や注意の問題の改善といった点で、薬物治療グループより大きな改善が見られたのです。

また、母親については、自宅での瞑想実践の量が多いほど、マインドフルネスの向上やストレスの軽減、睡眠の改善といった効果と関連していました。
つまり、取り組めば取り組むほど、成果が出やすいという関係が示されたのです。
一方で、父親ではそのような相関は見られませんでした。

親自身のADHD症状については、どちらのグループでも時間の経過とともに改善が見られましたが、MYmindと薬物治療の間に大きな差はありませんでした。
ただし、全体的に見れば、両方の方法で親のADHD症状が臨床的に問題のないレベルにまで下がっていたことは注目すべき点です。

さらに、10か月後の長期的な評価では、母親の睡眠の質がMYmindグループで明らかに改善しており、父親では内面の不安や注意の問題がよりよく改善していました。
つまり、薬を子どもに投与するだけでは得られない、親自身の安定や生活の質の向上が、家族で取り組むマインドフルネスにはあったのです。

この研究は、薬物治療を否定するものではありません。
実際、子どものADHDの症状そのものについては、薬物治療の方が短期的には効果が強く、4か月までは有効であることが確認されました。
ただし、10か月後には両グループの差は消えていました。
その一方で、親の生活や心の健康という観点では、家族で行うマインドフルネスの方が薬物治療よりも明確に良い効果を示したのです。

研究チームは、ADHDの子どもを育てる家族にとって大切なのは、症状を薬で抑えることだけではなく、親と子が一緒に新しい関わり方を学び直し、親のストレスや自己否定感を和らげることだと結論づけています。
とくに父親において効果が顕著だった点は、これまであまり注目されてこなかった側面を示していると言えます。

アムステルダム大学の研究は、従来の「子どもへの薬物治療中心」のアプローチに対して、家族全体を支えるプログラムの有効性を示した重要な試みです。
薬を使うかどうかという選択だけでなく、家族としてどんな方法を取り入れるかが、長期的な安定と幸福につながる可能性を示しています。

(出典:Journal of Child and Family Studies DOI: 10.1007/s10826-025-03139-3)(画像:たーとるうぃず)

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発達障害の子の親はマインドフルネスを。米カリフォルニア大

(チャーリー)


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