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溺れる危険があった発達障害の少年がこれからは溺れる人を救う

time 2018/03/31

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溺れる危険があった発達障害の少年がこれからは溺れる人を救う

湖畔で夏を過ごして、オタマジャクシを見つけたりカエルを観察したり、ザリガニを観察したり。
デイビッドにはそういう機会はあまりありませんでした。
水は大好きだったのですが、溺れてしまう危険があったからです。
発達障害の成人や子どもには水があるところを好む一方で、水の危険性がわからないことがあります。
そのために溺れる危険が高くなるのです。
行方不明となっていた発達障害の子が亡くなっていた場合、多くは溺死です。
家族はデイビッドが水の近くにいる場合にはよく注意をしました。
いつも誰かが見守って、水に入らないようにしました。
スクイッド・スクールの先生、ジェニファー・イットリーによれば、自閉症スペクトラムの子の半数以上は少なくとも10歳までには、介護する人から離れることがあるといいます。
スクイッド・スクールは、それぞれの子どものニーズにあわせて行う水泳教室です。
米国では、2時間以内に発見されたなかった発達障害の子の91%は水死で発見されました。
2時間以内に発見された子でも、その割合は70%と高いものになっています。
発達障害の子は、お風呂が嫌いでも水を好むのです。
発達障害の子は、水に入ると静かでリラックスできて、立ち上がって呼吸することさえ忘れてしまう。
そうイットリーは言います。
だからこそ、自閉症スペクトラムの子に水での安全を教え、泳げるようにする必要があります。
デイビッドの母親のティナも、これまでにデイビッドに水泳を学ばせようとしましたが、発達障害の子のニーズにあわせて教えられるところがありませんでした。
そのため、スクイッド・スクールは求めていたところだと思いました。
スクイッド・スクールではジェニファーとタミーの母娘が中心となって、幼児から成人まですべての年齢の人たちに溺れないようにすること、そして泳ぐことを教えています。
先生たちは特別支援が必要な人に教えるために必要なことを習得しています。
息子のデイビッドが溺れないように学べることで、ティナのかかえていた恐怖が減ります。
「水にはとても恐怖を感じていました。なのでスクイッド・スクールのことを知るとすぐに息子を入れました。」
親がどんなに水に対して注意をしても、自閉症スペクトラムの子は増加をしているため、溺死する子の増加が懸念されます。
米国疾病管理予防センターでは現在、米国の子どもの68人に一人は自閉症スペクトラムであると推定しています。
「発達障害の子は増え続けています。
親たちは子どもが発達障害だとわかっても、絶望してはいけません。
『特別支援』が必要ということが、その人を決定づけたり、夢を制限させたりしないこと、
ましてや、成功することにつながることがあることを知らなければなりません。
私たちスクイッド・スクールの先生たちも、特別支援を必要とする子の家族の一員だと思っています。」
そうイットリーは言います。
デイビッドも夢をあきらめていません。
こうして水泳を学ぶことは、自立につながっていくことです。
なりたい自分になるための一歩となっています。
スクイッド・スクールの水泳の授業の一つで、デイビッドが服を着たまま水に落ちるのを見て、恐怖したことを母親は思い出します。
「もう、心臓が飛び出そうになりました。」
3年間、デイビッドは水泳を学んできました。そして今は高度な水泳技術の訓練を受けています。
デイビッドはライフガードの資格を取得しようとしています。17歳のデイビッドはこう言います。
「僕はウォーター・パークで仕事をしたいと思っています。」
溺死するリスクが高い発達障害の人。
その一人であるデイビッドが、溺死から人を守るライフガードの仕事に就こうと考えていることは、スクイッド・スクールの先生たちや家族たちにとって、本当に誇りに思うことです。
先週の水泳の授業では、先生がプールの端から端までの底に並べたレンガをデイビッドは泳いで拾い上げていきました。
その後は深い底に沈められたマネキン人形を、安全なところまでかかえて泳ぎました。
次には、溺れた人を演じた先生のところまで泳ぎ、助けに来たことを伝えて、安全なところまで連れて泳ぎました。
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これまでの練習で、デイビッドは言われたことを行える能力に自信を持つようになりました。
デイビッドにとって、もう水は危険ではありません。
「デイビッドは、一人で本当にいろいろできるようになりました。誇りに思います。」
そう先生のイットリーは言います。私もそうだと母親のティナも言います。
「発達障害」に対する一般的な認識では、デイビッドがライフガードの資格をとることは簡単ではないでしょう。
しかしデイビッドは発達障害が、夢を制限するものではないことをこれまでに証明してきました。
また、発達障害であることが役に立っている部分もあるといいます。
本を読むことによってよく理解できるそうです。
一つの方法がわかれば、それをずっと繰り返すことが得意だそうです。
「多くの子どもは、集中し続けることが苦手です。
しかし、デイビッドはそれができます。
一流のライフガードになるための全ての資質をもっています。」
昨年の夏、ビーチで初めてデイビッドが、母親のティナから離れて過ごしました。
母子がいつも一緒にいるのを見てきた人たちは心配をしていましたが、デイビッドは心配ないことを証明しました。
「息子と離れられたのはとてもうれしいことでした。
息子は自立する自信を持ちました。」
デイビッドは、水が自分を惹きつけるのは自然のもつ素晴らしさだといいます。
オタマジャクシやカメも水場に惹きつけてきました。
大好きな水のある場所は、これからはデイビッドが守ってくれる、安全な場所になるかもしれません。
(出典・画像:米Pioneer Journal
うちの子も小さな頃から本当に水が大好きです。
泳ぐことはできませんが、もぐったり、ただぷかぷか浮いています。
小さな頃は、服を着たままいつのまにか水風呂に入っていたこともありました。
なので、心配はよくわかります。
そして、助けられる側と思われてきた人が、助ける側になる。
可能性をなくしてしまうような思い込みはしなくていいことを教えてくれます。
助けられる側のことをよく知っている人であれば、とても頼りになると思います。
夢が実現することを願っています。元気づけられるうれしい話です。
犬と一緒のサーフィンで発達障害の子が成長

(チャーリー)

 
 
 

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