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発達障害の子たちに社会ルールや性について学んでもらう必要性

time 2018/10/02

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発達障害の子たちに社会ルールや性について学んでもらう必要性

マレーシアでは最近、発達障害の男性が女性に暴行をしたとして逮捕されました。
この22歳の男性による事件をきっかけに、マレーシアでは発達障害の人が社会に適合することの困難、発達障害についての社会の理解不足が浮かびあがりました。
特別な支援を必要とする子がいる家族の場合には、子どもたちの問題行動に積極的に対応することが求められています。
自閉症スペクトラム障害の人たちが問題行動を起こしてしまう場合、その原因は社会的に適切とされる行動を理解できていないことがあげられます。
「自閉症スペクトラム障害の人たちは、まわりの状況を理解するのに困難をかかえています。
社会はとても複雑で、理解するのが難しいと感じています。
人の感情も一貫していないので、理解するのがとても難しいと感じています。
まわりの人たちに受け入れられる方法で、人に接する方法を教えることが求められています。
相手の顔を見るといったことでも、とてもむずかしいこともあります。
一般には、教えなくても身に着けていくことですが、発達障害の子、特に自閉症スペクトラム障害の子には教えてあげる必要があります。
目に見えない社会的なルールを。」
子どもを支援する活動を行っているPersatuan C.H.I.L.Dの創設者のジャクリーン・リンガムはそう言います。
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発達障害の人の中には、人が見せる社会的な合図がわかっていない人もいるため、そうした教育は重要だと、マレーシア保健省の主任補佐官のアミナ・ビ・モド・カシム博士も言います。
そして、特別支援を必要とする子どもたちが、安全に成人になっていくためには、性教育が重要だと言います。
「すべての子どもたちと同じように、性教育は、特別支援を必要とする子どもたちにも必要なものです。
ここでいう性教育とは、セックスについてだけではありません。もっと広い範囲で必要とされるものです。
人とのコミュニケーション、感情の表現方法、相手との距離、タッチなどにも関係するものです。
発達障害の子どもたちは、今、こうした教育を十分に受けているとはいえません。」
成人になった発達障害の子をもち、特別支援を必要とする子どもたちの親への支援を行っている医師のレヌカ・サセダハラン・ナンビア博士も同じように、こうした教育が必要だと考えています。
「発達障害は、その程度、言葉を話せる話せない、そして精神の発達についても人それぞれに異なる障害です。
しかし、言葉を話せなくても知性はあることを理解しなければなりません。
ロールプレイや、写真や絵などを通じて、教えることができます。
親たちも他の人たちがいる公衆の場面では、子どもたちに常に気を配ることが求められます。
そして、子どもの理解の程度がどうであれ、家族ではない人に触れたりすることはいけないことだと教えなければなりません。」
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性に関わる教育は、発達障害の子や親にとってさらに難しいものになります。
子どもへの支援活動を行うジャクリーンはこう言います。
「発達障害の子どもたちも、異性に対して興味や関心を持つようになります。
私たちはそれから逃げずに、向き合わなければなりません。
そして発達障害の子どもたち、それぞれが異なるので、それぞれの子にあわせた適切な方法が必要となります。」
保健省のアミナ・ビ・モド・カシム博士も、特別支援を必要とする子どもたちももちろん含め、すべての子どもは性的に発達をしていくため、性教育はきちんと行わなければならないと言います。
アミナ・ビ・モド・カシム博士にも、特別支援を必要とする29歳の娘がいます。
「特別支援を必要とする子どもたちは、性について興味や理解がないと考えている人が少なくありません。
そうではありません。興味や理解があります。そして学ぶこともできます。
そして多くの労力が必要となりますが、特別支援を必要とする子どもには、常にそばについて教える必要があります。」
2009年に、アミナ・ビ・モド・カシム博士は、発達障害の子や青年期の人向けに性について学べる訓練キットを開発しています。
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これは、それぞれにニーズが異なる子どもたちに性やセックスも含めて親や教師、介護者が教えられるようにしたものです。
「利用する教材は共通ですが、教え方は子どもにあわせて変わります。
特別支援を必要としない、発達障害でない子どもたちと同じ方法で、発達障害の子どもたちに教えることはできません。
このキットは、さまざまな方法で親や教師たちが教えられるようにするガイドとなるものです。」
このキットは、自分を認識すること、コミュニケーション、意思決定、話すこと、友だちになること、人とのやりとりを理解することなど、人と生活をしていく上で必要なライフスキルと、体の部分、触れること、性的に問題となることなど、安全に関わることを、絵、歌、カード、ゲームを通じて、それぞれの子どもにあった学習ができるようにしたものです。
アミナ・ビ・モド・カシム博士は、これを使って親が繰り返し教えることが重要だといいます。
「教室で1回で教えられるものではありません。
毎日、繰り返し行うことが、特別支援を必要とする子どもたちには有効です。
さまざまな状況に関連付けて、繰り返し行ってほしいと思います。」
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性について教えるだけでなく、社会で適切とされる行動についても、身につけることが求められます。
「特別支援を必要とする子どもであれば、特に親たちの行動をお手本とします。
なので、服を脱いでいいのは寝室や浴室だけと教えたのなら、親もそのようにしなければなりません。
私たち親も教えたことに注意して従わなければなりません。
そうしなければ、子どもたちは混乱してしまいます。」
性教育はそうしたルールを学ぶこと以上に重要です。
性や性暴力が理解できていない子どもは、そうした状況になってしまっても親などに伝えることが多くありません。そして繰り返されてしまうのです。
子どもへの支援活動を行うジャクリーンはこう言います。
「多くの人たちの注意喚起が、あのような事件が起きてしまったためであることは残念ですが、多くの人たちに障害について理解をしてもらい、行動してもらう必要があります。
発達障害についての理解と受容が広がってほしいと願います。」
(出典:マレーシアstar2)(画像:Pixabay
うちの子も外にいるときや学校で、ときどき触るたびに、私や先生が人の前でそこを触ってはだめと手をどけます。
なかなか治りませんが、そうすることをしないようになるだけで、まわりの目も大きく違ってくるはずです。
知らない人に近づいたり、触ったりはしないので、人に対する不安は幸いありません。
ハイタッチは私ともよくしていますし誰とでもできます。
ハイタッチはたくさんの人としてほしい、できたらいいなと願っています。

(チャーリー)

 


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