米Amazonでは、「発達障害を治すことができる」と主張する、漂白剤と変わらない体に危険な有毒なものを飲ませたり、入浴させたり、本来はヒ素や鉛中毒の治療を目的とした薬を服用させたりする、エセ科学、エセ医療についての本の販売が停止されました。
米Amazonは販売停止の理由は発表していません。
しかしAmazonのこの動きは、ネットネディアのWIREDによる医学的に怪しい本や自閉症スペクトラム障害を「治す」とする方法を販売している大手販売店に対しての批判の結果だと考えられるでしょう。
長年の間、ワクチンが発達障害の原因だとする嘘の情報を宣伝する本を販売するAmazonへの批判がありました。
ここ数週間でその批判が急速に高まったのです。
大手ネットサービス各社は、健康に関する誤った情報に対しての公衆衛生関係者や議員からの監視の高まりに対応せざるを得なくなっています。
先週Facebookは、ワクチンに関わる嘘の情報の広告は掲載しないと発表しました。
Pinterestは、ワクチン関連の検索をできないようにしました。
Amazonは2月には、Prime Videoから予防接種に関わるドキュメンタリー番組を削除しています。
発達障害である自閉症スペクトラム障害の子どもたちは、まわりの人と社会的な関係を築くことができないなど、幅広い範囲の特徴をもちます。
発達障害を治す方法はありません。
Amazonでの販売が停止となった本、著者が「奇跡のミネラル薬」と呼ぶ漂白剤と変わらない溶液が発達障害を治す、とする本はAmazonでは２８ドルで販売され、６３１のレビューと３．５と評価を受けていました。
この本の著者、ケリ・リベラはメキシコに住んでいて１９１人の子どもがこれで発達障害が治ったと主張しています。
しかし、この漂白剤を子どもに与えることについて、米食品医薬品局（FDA）は「脱水、重度の吐き気、嘔吐、命にかかわる血圧の低下」をもたらすとその危険性を強く警告しています。
また、販売停止になったもう一つは、水銀中毒などに対する解毒剤による「キレート療法」と瞑想をすることで発達障害は治るとする本です。
発達障害は予防接種のワクチンの中に含まれている水銀によるものだとする、根拠のない理論がもとになっています。
専門家によれば、キレート療法は致命的な腎臓の損傷などを含む、深刻な副作用をもたらす可能性があります。
この本は２５ドルで販売され、４．８の評価と５４のレビューがついていました。
発達障害を「治す」とするエセ科学、エセ医療。
注意しなければなりません。
それが命にまで関わるような場合には米Amazonが販売停止にするのもしかたありません。
困ったときにこそ、過去から今まで多くの人が関わった科学、きちんとした医療に勝るものはありません。
こうしてお伝えしていると、
「自分が発見した方法で、独自の理論で、発達障害は『治る』」
多くの方へ紹介してほしいと連絡を頂くことがありますが、
自分の考え、思い、経験だけの、たくさんの人の批判的な目を乗り越えてきていない、科学的とは思えないものに私は耳を貸すことはありませんので。
危険なうえに科学的根拠もない発達障害の子へのキレーション療法
（チャーリー）
