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発達障害の自閉症が「治る」という宣伝をやめるよう英国で警告

time 2019/03/24

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発達障害の自閉症が「治る」という宣伝をやめるよう英国で警告

英国規制当局は、発達障害である自閉症の「治療法」の宣伝をやめるよう英国内の150人のセラピストに警告しました。

英国広告標準化機構(ASA)は治療によって自閉症が治癒する可能性があるという主張は深刻な懸念をもたらすものであり「やめなければならない」と伝えています。

シーズ(Cease:自閉症スペクトラム発現の完全排除)療法は、ビタミンCや亜鉛のサプリメントなどで、自閉症の原因となっている子どもの毒素を除去するものだと主張しています。

当局者は発達障害である自閉症は治せる「病気」とは異なるもの、そしてシーズ療法には科学的信頼性がないことを強調しています。

ASAの最高責任者であるガイ・パーカーはこう言います。

「医学的に聞こえる専門用語を使うので、心を動かされるかもしれませんが、その主張内容に科学的信頼性はありません。
また、彼らの主張は英国国民保健サービス(NHS)のガイドラインに反しています。

さらに子どもの予防接種を妨げることは、その後の人生に甚大な影響を与える可能性があります。

ビタミンCの過剰摂取は特に深刻には思えないかもしれませんが、下痢や吐き気、嘔吐につながります。
それは子どもの場合には、大人よりも強い苦しみになりえます。

また、亜鉛の過剰摂取は貧血の危険性や骨の衰弱につながります。」
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発達障害である自閉症は有害物質により引き起こされるというオランダの医師の考えがこのシーズ療法の発端です。

この医師は2010年に亡くなっていますが、この医師のウェブサイトがまだ存在しています。
そして世界中にシーズ療法を行う者がいます。

このシーズ療法の考えの中には、電子レンジ、抗生物質、そしてパンを避けることが、子どもが自閉症になることを防げるというのもあります。

ASAのパーカー氏によれば、シーズ療法のセラピストになるための3日〜5日間のトレーニングコースによる資格取得がさまざまなWebサイトで宣伝され、科学的な証明のない「治療」を実施するための資格を得ようとさせています。

英国では既に健康関連製品は、厳格な広告規定の対象となっています。

発達障害を「治す」と主張してはなりません。
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英国で広告を規制する広告標準化機構(ASA)では昨年すでに、このシーズ療法が自閉症、ADHD、ADD、失読症、うつ病、統合失調症を「治す」と主張することを禁止しています。

そして今、英国内でシーズ療法を行っている約150名にそうした宣伝をすることを禁止する通知を行いました。

今後さらに調査を行い、違反する者を起訴する可能性も伝えています。

「英国自閉症協会が明らかにしているように、発達障害である自閉症は病気ではありません。
病気は治せますが、自閉症は治せません。

そのために、こうした誤ったことを主張する人たちがたくさんいることは深刻な問題です。
誤解をさせて嘘の希望を提供するだけでなく、潜在的には害にもなるのです。」

シーズ療法を生んだ、今は亡くなっている医師のサイトには、親に向けてこう書かれています。

「可能な限り、原因となる環境要因を避けましょう。」

オメガ3脂肪酸サプリメント、純水、そして幸せな家庭環境であることを勧めています。

化学繊維の衣料品は避けるようにもいいます。
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英国自閉症協会の自閉症センター長のキャロル・ボービーはこう言います。

「発達障害の自閉症は病気や病気の類ではありません。

そして自閉症の人の多くは、自分のアイデンティティとも考えています。

科学的な根拠がないどころか、有害ともなる治療方法や製品が、自閉症を治すことができると主張することは誰にとってもまったく好ましいものではありません。

イギリスには約70万人の自閉症の人たちがいます。
そして自閉症の人たちやその家族の支援により多くのことが求められます。

うそや迷信をなくしていくことも含まれるでしょう。
危険な治療法があれば当局に報告することも必要となります。

そうした方法や製品の販売や利用を止めさせなければなりません。
広告標準化機構(ASA)が、シーズ治療を行う者に対し起訴を行っていくことをうれしく思います。」

(出典:英MailOnline)(画像:Pixabay

発達障害、自閉症を「治す」とする方法や製品への注意喚起のニュースは止むことがありません。

今回のケースでは、英国で誤った治療法を行う者約150名に対して宣伝することを止めるように当局から警告が行われました。

この人たちの中には全く悪意がなく善意で、資格をとって行っている人もいるのだろうと察します。

だからこそ厄介です。
きちんとした医療機関に勝る頼れるところはありません。

米国小児科学会が指摘。疑うべき発達障害の子への5つの検査

(チャーリー)


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