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「ファーリーズ」になって、発達障害の青年は自分を取り戻せた

time 2019/07/15

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「ファーリーズ」になって、発達障害の青年は自分を取り戻せた

「ファーリーズ」それは擬人化した動物などのキャラクターのファンたちです。
そしてこのファーリーズの趣味をもつ人の最大15パーセントが発達障害の自閉症スペクトラム障害であることを研究者は発見しました。(なおこの数字には正式に自閉症と診断されていない、自分でそう主張している人も含まれています。)
米ピッツバーグでは毎年行われているファーリーズのためのイベント「アンスロコン」に、今年は9538人が参加しました。
「私が大好きなのは、さまざまに表現された顔、表情です。大きな目や大きな笑顔。」
米デュケイン大学のエリザベス・フェインは擬人化された動物の着ぐるみを着る人を見てそう言います。
ファーリーズのほとんどの人は、耳やしっぽが付いた、服を着た動物の着ぐるみを着ています。
プラスチック、フェイクファー、フォームラバーで作られています。
その着ぐるみはディズニーやアニメのキャラクターに似ていて、かわいくて大きな目をしています。
一方で、気味の悪い雰囲気のキャラクターの人もいます。
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「ここではみんなが一緒に手を取り合おうとしています。
自閉症スペクトラム障害の人の多くにとって、それは簡単ではないことです。」
そう、自閉症などの発達障害についての専門家であり研究を行っているフェインは言います。
トラビス・ラコウスキは中学生のときに自閉症と診断をされました。
ラコウスキは、寒い北極圏に住むサーベルキャットのキャラクター「シルバ」の着ぐるみを着て、このアンスロコンにやってきました。
「僕はこのスーツを身に着けているときには、いつもの自分でいる必要がないと考えています。
私はふだん人の真似をしようとする性格なのですが、このスーツを着ると不安やストレスから逃れることができます。
全身がつつまれるスーツは、私を落ち着かせてくれます。
大きな、大きな、毛布に包まれているような感じです。」
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自閉症の人の多くが、重い毛布や厚手の服に安心を感じるといいます。
また、フェインによればこうした着ぐるみであれば、視覚や聴覚が制限されるために、大声や明るい光からも自閉症の人を助けてくれるといいます。
「たくさんの人がいても、視界内には多くの人が映らず、声も小さく聞こえるんです。」
さらに、自閉症の人たちの多くが、社会的に意味のある人のしぐさやアイコンタクトに苦労しています。
しかし、ここでは着ぐるみを着ているための大げさなジェスチャーがそれを助けます。
「動物の着ぐるみを着ているときには、細かいニュアンスは伝わりません。
自閉症の人たちにとって、大げさな動きが、社会的なコミュニケーションをより簡単にし、楽しく行えるようにしてくれるのです。」
自閉症の当事者であるラトコウスキ、そして専門家であるフェインのどちらも、自閉症には多くの長所もあると言います。
正直、論理的、そして芸術性に優れる。
自閉症の人を支援している組織の事務局長のコーリ・フレイザーは、フェインの研究により、公共政策の立案者が、自閉症の人がもつ長所を活かすことができたと言います。
「私たちは、自閉症の人たちを理解するために必要な科学的なデータが足りていません。」
擬人化した動物のキャラクターを趣味とするファーリーズの研究に取り組んでいるフェインたちは自閉症の有無などに関わらず、ファーリーズのアイデンティや心理的ニーズについても調査しています。
このアンスロコンのようなイベントで、アンケートに答えてもらっています。
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カミール・ズガレクは、リッツォと名付けたヤギのキャラクターの着ぐるみを着ています。
ズガレクは自閉症については答えませんでしたが、どうして自分がファーリーズなのかについて答えました。
「誰でも受け入れていくれるからです。他人に対しての偏見などがありません。」
この心地よい雰囲気は、多くの参加者が答えています。
社会心理学者であり、ファーリーズの研究プロジェクトの創設者であるキャシー・ガーベシは、この研究は他の取り残されているマイノリティーにも役に立つものになるかもしれないと考えています。
「結局のところ、人間は自分になじみがないものに対して、基本的に恐れます。
人類の進化上、それは必要なことでしょう。」
マイノリティーの人たちは正確に自分たちを表現できるようになると、社会に受け入れられやすくなり、快適になっていくといいます。
ファーリーズの人たちも、しっぽを付けピンク色のキツネの耳をつけてスーパーに買い物に行ったときには不自然であることを感じています。しかし、ファーリーズが集まった「動物園」の一部になっているときには、全くそのようなことは感じません。
動物の着ぐるみを着て、他のファーリーズに会ったことで、自分は何も悪くなかったのだとラトコウスキは知りました。
「私はずっといじめられてきました。
私が自閉症であることがわかったときには、深刻なうつ病になっていました。
しかし、同じ趣味を持つ人を知ったことで自分を取り戻すことができました。」
(出典・画像:米WESA
“Furries”(ファーリーズ)、この言葉を知りませんでした。
日本で言うところの「ケモナー」でしょうか。
趣味によってつながり、そして前向きになっていける。本当に素晴らしいことだと思います。
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(チャーリー)


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