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自閉症と診断された人とそうでない人の違いがなくなってきている

time 2019/08/25

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自閉症と診断された人とそうでない人の違いがなくなってきている

自閉症と診断されることがあまりに多くなったために、今後5〜10年以内には自閉症と診断された人とされない人とで違いがほとんどなくなる。
そう、カナダの研究者が新しい研究を発表しています。
“JAMA Psychiatry”で発表された、これまでの研究論文についての新しい分析研究です。
1966年以降に行われた11の有名な研究を分析したところ、自閉症と診断された人とそうでない人との違いがどんどん小さくなっていることを発見しました。
この研究を行った精神科医のローレント・モトロンはこの違いはもうすぐなくなって、0になる可能性があると言います。
「現在、私たちが自閉症と診断した人たちは、そうでない人たちと差がなくなってきています。
この流れが続けば、5〜10年以内に差を見つけることができなくなるくらいです。」
自閉症と診断することがほとんど無意味になるほどに、診断の基準が下がってきたことが問題だといいます。
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モトロンらの研究チームは、27723人のデータを含む、自閉症と診断された人とそうでない人を比較したこれまでの研究論文を分析しました。
分析の結果、感情認識、心の理論、脳の大きさなど、自閉症を定義する7つの主要な要素のうちの5つで、自閉症と診断された人とそうでない人での差は最近の研究ほど、小さくなっていました。
自閉症とは対照的に、統合失調症の診断についてはそうした傾向はありません。
過去から20年変わっていませんでした。
世界的に、自閉症と診断される人の数は近年劇的に増加しています。
米国では1966年には人口の0.5パーセント未満であったのが、今では2%以上に増加しています。
研究チームはこの差がなくなってきたのにはいくつかの理由があるといいます。
・実際に自閉症の人が増加した。
・自閉症についての認識が高まった。
・診断されることによって大きな支援を受けられるため
・診断基準の低下
・チェックリストによる診断方法
・IQが正常な人に対しては質問をしその回答をもとに診断を行うため
自閉症に対する理解が、医療的な厳格な定義から、そう疑われるを含んだ広いものに変化してきたといいます。
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あいまいになってきたことは、自閉症の研究を困難にしてしまう可能性があること、
そして、学校や医師、そして親たちに関わる、自閉症の過剰診断による問題を指摘しています。
「カナダでは現在、自閉症と診断をされるといろいろなサービスを学校で受けることができます。
他の障害や状況に比べると豊富に。
しかし、サービスの必要性は人それぞれ異なるので、余分なものになってしまう可能性も多くあります。」
モトロンは自閉症の診断基準が、ささいなものになったともいいます。
例えば、友だちが少ない、ヘアカットが嫌い、衣服のタグが嫌い、などです。
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自閉症の程度も人によってはさまざまで軽度なものもあることは、モトロンも理解していて、自閉症の診断は複雑なものであることを認めています。
しかし、自閉症の特徴の一つをもっているだけで、自閉症であるわけではない。
医師が診断をする際には、単純なチェックリストだけで行えるものではないといいます。
誤診された場合には、子どもたちは誤った治療を受けるリスクなどがあり多くの問題があります。
また、誤診された子どもが多くなれば、限られている自閉症の専門的な支援が、本当に必要とする子どもに届けられなくなるとモトロンは述べています。
(出典:カナダGlobal NEWS)(画像:Pixabay
増加の理由としては、診断基準が変わったことの他に、これまで少ないとされてきた女性についても、現れ方が異なるだけで実際は少なくなかったため、というのもよくあげられています。
現実問題として、無限の人数に支援を行うことはできません。
そのため、自称発達障害の、特別な支援を必要とすることもなく大活躍されている方ををみると、
重度の発達障害、自閉症の子をもつ親としては、今まで助けられ、そして今後も必要となる支援に誤解が生まれないかと気にならないことはありません。
発達障害など障害のある人の問題をごまかす「多様性」言葉の危険

(チャーリー)

 


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