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発達障害の子の支援につながるデジタルフェノタイピングでの研究

time 2019/09/11

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発達障害の子の支援につながるデジタルフェノタイピングでの研究

イギリスのキール大学の研究チームは、発達障害の子どもの行動調査を発表しました。

しかしその研究では、発達障害の子どもたちにインタビューしたり、アンケートを実施したりすることはありませんでした。
代わりに、YouTubeを利用しました。

バッパディア・マンダルらによるこの研究では、子どもの体の動きからAIによって発達障害であるかそうでないかを分類しました。
マンダルたちはAIを利用することで、大掛かりな装置やセンサーがなくても迅速に発達障害を評価することを目標にしています。

この研究の方法はてんかんの子どもの震えや発作の出現を追跡するアルゴリズムをベースにしたものです。なお、てんかんもかかえる発達障害の自閉症の人は少なくありません。

映像からの分析は研究者にも家族にも役に立ちます。

問題の行動が現れるとき、それを引き起こす原因、体のどの部分が最も影響を受けているか、そうした医師が良い診断を行うには必要となる全てのことがわかるとマンダルはいいます。

マンダルらの研究チームは、Youtubeの動画を収集し分析データとして利用しました。
利用した動画は、発達障害者の支援団体や親たちにアップロードされたものです。

顔による子どもたちの識別などは行っていません。
AIの機械学習のために体の動きを読むだけです。

発達障害の子の支援につながるデジタルフェノタイピングでの研究 a2

SNSにアップロードされたデータを利用して、広く研究することは「デジタルフェノタイピング」と呼ばれ、それを利用する研究分野が拡大しています。

Facebook、Twitter、YouTube、Instagramにアップロードされた膨大な情報から、HIV、肥満、パーキンソン病、自殺のリスクを検出し、予防を防ぐアルゴリズムも研究者はすでに開発しています。

例えばYouTubeにであれば#autism、#behavior、#parents、#kidsなどのタグで分類された豊富なアクセス可能な動画がすでに公開されています。

デジタルフェノタイピングによれば、例えばTwitterから地震が起きたこともわかります。
米ホワイトハウスではFitbitのデータを利用して銃乱射事件などを防ぐことができるかどうかの研究に資金提供をしています。

動画を分析しての自閉症に関連する行動の研究は、少なくとも2005年には行われています。

現在ではAIの機械学習に必要となるデータさえあれば、小児科医と同じように自閉症の子どもを発見できることが期待されています。

発達障害の子の支援につながるデジタルフェノタイピングでの研究 a1

2018年の自閉症の行動に関する研究では、YouTubeの動画とウェアラブル機器を利用して自閉症の子とそうでない子の動きの分類を行っています。
10年前の研究では子どもをビデオ撮影して行っていましたが、SNSがある今ではアクセスするだけで膨大な動画にアクセスすることができるのです。

しかし、SNSからのデータ収集はプライバシーの問題も関係します。
そのため、研究に参加してもらうための同意をもらうためには適切な方法が求められることも指摘されています。

デジタルフェノタイピングを利用することで、うつ病、パーキンソン病、統合失調症の早期発見も実現したいと考えている研究者たちもいます。

米スタンフォード大学の研究者デニス・ウォールは、自ら会社を立ち上げ親からのアンケート回答とAIによる動画分析から、幼児を対象に発達障害の自閉症リスクを評価するアプリを提供しています。

「早期に発見し療育を行うことで、自閉症による困難を小さくできる可能性が高まります。」

現在、専門家による診断のためにアメリカでは12ヶ月以上待たされることもあるといいます。
そして、正式な診断がなされるまでの費用が保険でカバーされないこともあります。
そのために、より早く診断を行い、早期療育へと助けるかもしれないこのアプリは革新的なものといえるでしょう。

SNSは良いことも悪いこともある複雑なものです。

それを利用するデジタルフェノタイピングも同様で大きなメリットがありますが、新しいリスクも生み出します。
私たちが楽しくSNSを利用しているときは、結果的に研究に参加していることもあるのかもしれません。

(出典:米The Atlantic)(画像:Pixabay

現在、AIが人の期待に応えてくれるようになるためには、学ぶための適切なデータが十分あることが求められます。

人について学ぶのであれば、SNSにアップロード公開されているデータは最適です。

誰でも見える状態であるのに、新しい(ように見える)使い方に対して反射的にプライバシーを盾に利用反対を唱える方がいらしたりしますが、冷静になれば今の公開状態との違いを見つけられないはずです。

たくさんの方に役立つ、たくさんの方が救われることにつながることを考えれば、「デジタルフェノタイピング」は合理的な、メリットが大きなものだと思います。

AIとGoogleグラスが自閉症スペクトラム障害の人を変える

(チャーリー)

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