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発達障害の子も親も安心して楽しめ交流できる「ゲームナイト」

time 2019/11/03

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

発達障害の子も親も安心して楽しめ交流できる「ゲームナイト」

レトロなゲームの電子音の中で12人以上の子どもたちが、米ニューヨーク州のノース・ショア・ユナイテッドメソジスト教会のテーブルで一緒に遊んでいます。
スマッシュブラザーズやマインクラフトで遊びながら興奮しておしゃべりをしたり笑ったり、叫んだりしています。
近くではもう少し静かな雰囲気でボードゲームを楽しんだり、ピザやソーダを口にしている子どもたちもいます。
親たちも見たり話したりしています。
ふだんであれば子どもたちも親たちも同じ「ゲームナイト」Tシャツを着ています。
ハロウィンが近い今回は、ゼルダの伝説やフォートナイトのキャラクターに扮装したり、くまのプーさんやチアリーダーになっています。
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この「オーティズム・ソーシャルクラブ&ゲームナイト」はレトロなゲームを販売しているお店のオーナーのトリスタン・ウィットワースが始めました。
ウィットワースは、毎月1回金曜日の夜に無料でゲームナイトを開催しています。
発達障害など特別支援を必要とする子どもたちとその親たちが安全に楽しめる機会です。
もちろんきょうだいの参加も大歓迎です。
「みんなゲームに夢中になっています。
しかし今遊んでるレトロなゲームのいくつかは、今はとても高価になっていてなかなかそれで遊ぶことができませんでした。
発達障害の子どもの多くは、それが何であれ一つのことに夢中になります。
ここに来ている子どもたちは、それがレトロゲームなんです。」
ゲームナイトを開催するたびに、ホイットワースはピザを注文し、スーパーファミコン、プレイステーション、任天堂Wiiなどレトロなゲーム機をテレビにセットアップします。
ハロウィンが近い今回は、お菓子が入った袋のプレゼントも行いました。
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ウィットワースは2016年9月から、自分のお店で営業時間外にゲームナイトを開始しました。
ゲームナイトを初めたのは、お店にやってきた親たちが発達障害の子どもたちが社交的になれるような機会がなかなかないと聞いたことがきっかけでした。
そしてゲームナイトを行ううちに、話すことができなかった子どもたちがお互いに交流し話すことができるようになっていくのも目の当たりにしてきました。
「私はそうした子どもたちが他の子どもたちと友達になって、本当に仲良くなって、本当の友情を築くのを見てきました。」
子どもたちはまた、店に入ってビデオゲームについてウィットワースに話すようになり、あいさつもしてくれるようになりました。
「多くの子どもたちが、自分の殻を破っていったんです。」
ゲームナイトに集まる親子が増えてきて店が手狭になり、そして協力を名乗り出たハルロー牧師のノースショアユナイテッドメソジスト教会で行うようになりました。
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ハルロー牧師の2人の養子は発達障害の自閉症です。
ゲームナイトが重要なものだとわかりました。
そして、ゲームナイト運営にかかる費用の問題の苦労もすぐわかったといいます。
60歳のハルロー牧師はこう言います。
「間違いなく求められていることでした。
この若者、ウィットワースがやっていることには本当に感銘を受けました。
ウィットワースを人を愛する気持ちだけでそれを行っているんです。」
教会で行うようになってからゲームナイトは発達障害の子どもたちとその親たち、20人以上が毎月参加するようになりました。
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親たちからは、家でも子どもたちがゲームナイトのことを話し楽しみにしているとウィットワースは聞いています。
「ゲームのような共通して関心がもてるもの、こだわるものは子どもたちに本当に有益です。
そして、ある人にとってはビデオゲームが会話をするよりも、コミュニケーションの方法になります。」
米国最大の自閉症の支援団体のオーティズム・スピークスのディレクター、アリアナ・エスポジトはそう言います。
キンバリー・コッホは息子の8歳のザカリアとゲームナイトに参加して約1年になります。
ザカリアは、ADHD、強迫性障害、不安障害に加えて自閉症の診断も受けているといいます。
「ゲームナイトは、息子の楽しみになっています。
息子は多くの不安に対処しています。
そのため多くの場合、『行きたくない』というのですが、
ゲームナイトは全く違うようです。」
子どもを連れてきた親たちにとってもゲームナイトは、かかえる困難を理解し合えるもの同士としてリラックスして友だちになれるクラブのようにもなっています。
「ゲームナイトは、親が自分の時間をもてる機会にもなっています。」
2年間ゲームナイトに子どもを連れてきているダイアナ・ボンジョルノはそう言います。
夫のトーマスもこう言います。
「親たちで互いにつながりを持つことができました。
他の人がまだ知らないような、さまざまなサポートについて教え合うことができます。」
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発達障害の子どもの親もリラックスでき、相互に交流できる時間が持てることは重要です。
そうオーティズム・スピークスのアリアナも言います。
「私たちは自閉症スペクトラム障害の子どもたちの社会からの孤立、そしてそれを減らす機会を作ることに力を入れていますが、社会からの孤立をたびたび感じるのはむしろ親かもしれません。
ゲームナイトの素晴らしいところはそうして、親にも大きく役に立っている点です。」
親たちは他の点でも本当にゲームナイトに感謝をしています。
子どもたちが社会的なスキルも身につけるようになるからです。
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ビクトリア・カプランには他の子どもとの行動や社交に苦労しているADHDの息子のベンがいます。
ベンはビデオゲームプログラミングについては他の子どもと話すことができるため、ゲームナイトを楽しんでいるといいます。
「まるで彼らがビデオゲームを通して自分の言語を話しているようです。
息子のベンはゲームナイトで子どもたちと交流する方法がわかりました。
今、学校でもそう始めています。」
ベンは遊び時間も、他の子どもたちのそばで一人で遊んでいるだけだったといいます。
それがゲームナイトに参加するようになってからは、自分と同じ興味を共有する子どもたちなので、やりとりし楽しく遊ぶことを学べました。
そして、今ではゲームナイトの主催者の大人のウィットワースとも交流するようになって、毎月会えることを楽しみにしてます。
「僕は友だちと一緒に遊んでいるゲームの話をするんです。
何人も友だちができました。
これから、たくさんのこともできるようになると思います。」
そうベンは言います。
ウィットワースは今月からゲームナイトを月に2回行う予定です。
アーケードゲームを装備した、トレーラーにも協力してもらいます。
(出典・画像:米Newsday
発達障害の子と家族向けの「ゲームナイト」
いいですね。ほんとに。日本でもあったらいいですね。
「ゲームナイト」を始めたウィットワースさんは兄弟を自殺でなくしています。
兄弟の思い出が残る、赤いボタンのついたコントローラーの古い単純なゲーム機への愛着を失うことができないと、
それまでのキャリアをおいてレトロゲーム店を始められました。
発達障害の家族が楽しめるレトロゲーム店

(チャーリー)


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