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自閉症の子たちの溺死を防ぐ。作業療法などを活用した水泳教室

time 2021/03/19

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自閉症の子たちの溺死を防ぐ。作業療法などを活用した水泳教室

水に魅せられて放浪し、危険に対する感覚がほとんどないために溺れる危険性が非常に高い、自閉症の子どもたちがいます。

オーストラリアで行われているユニークな水泳プログラムは、この問題を深く掘り下げて、悲劇的な流れを変えることに成功しました。

レニー・ジキルバーグには、9歳のウィリアム、7歳のソフィーがいます。
二人とも発達障害である自閉症をかかえています。
子どもたちが溺れる危険性は身近に感じていたといいます。

「1年半ほど前に、ウィリアムが溺れそうになったことがありました。
水の危険性を理解していないため、それは2回めのことでした」

グループレッスンや、自閉症の人を専門に教えるインストラクターによる1対1でのレッスンなど、さまざまなタイプの水泳教室を試していました。

「ウォーターアビリティ」というスクールに入ったときに、息子のウィリアムは進歩を見せたといいます。

「最初は水に入ることさえ嫌がっていました。
2回も溺れそうになったこともあり不安も強かったはずです。
しかし、そこでのレッスンでは泳ぎ方や安全な水の楽しみ方を学び、成長することができました」

ウィリアムはもう水辺でも安全に過ごせると母親のレニーは言います。

「私の人生も変わりました」

ここのプログラムの特徴は、プールの中だけでなく、外でも多くの時間を過ごすことです。
筋肉や動作を強化するために、陸上でのエクササイズを行います。
ウィリアムの妹のソフィーにとって、これらの筋力強化のためのエクササイズは特に重要なものでした。

「5歳になっても、赤ちゃんのような体力でしたが、今では大きく成長しました。
信じられないくらいです。
今では、浮いて、背泳ぎもできるようになりました」

エレ・フォガティの息子のフリンにも同様の目覚ましい変化がありました。
5歳のフリン君は、先週、初めて水中に潜りました。
感覚障害のためにシャワーでも水が頭にかかるだけでも苦しそうにしていましたが、今では喜んで水中に潜ります。

「始めて水に潜ったのを見たときには、うれしくて泣いてしまいました。
さらには、自分からシャワーを浴びに行きました。
他の人には些細なことですが、息子にとっては大きなことです」

キャロル・ジェニングスは、この水泳プログラムを立ち上げた一人です。
多くのスイミングスクールとは全く異なる目的をもっていたといいます。

「チーム全員が医療従事者です。
水泳を教えるのに、作業療法、運動生理学、理学療法、早期教育などを活用しています。

水へのトラウマを抱えた小さな子どもたちが何人もいました。
水を怖がっていたのに、今では実際に泳げるようになっています」

オーストラリア王立救命協会によれば、自閉症の子どもが溺れる確率はそうでない子どもに比べ160%も多くなっています。
そして、自閉症の子どもの死因の第一位は溺死となっています。

オーストラリア王立救命協会のシェリー・ベイリーは、この「ウォーターアビリティ」のような水泳教室のプログラムは障害をかかえる人たちに望まれたいたものだと言います。

「このプログラムは、家族と子どもたちに水の中での特別なつながりを提供し、基本的な動き、水の中での発達、水の安全のためのスキルを学ぶ準備ができているかなど、必要な点に焦点を当てています。
明らかに求められていました。本当に重要なものでした。
私たちは自閉症の子どもたちに、そうでない子どもと同じように水泳を学んでほしいと願っています」

(出典・画像:豪abc

たくさんの専門家によるこんな手厚い水泳教室であれば、大きな成長を見せてくれそうです。

なにより、溺死を減らす取り組みには力を入れて頂きたいと願います。

自閉症の人の多くが40歳未満で死亡。みんなに行動してほしい

(チャーリー)


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