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感覚に問題がある自閉症の子の脅威は心拍数にも大きく現れる

time 2021/04/09

この記事は約 4 分で読めます。

感覚に問題がある自閉症の子の脅威は心拍数にも大きく現れる

感覚に問題をかかえる自閉症の子は、不快な音やざらざらした表面への触覚に反応して、自閉症でない子に比べて顕著に心拍数の変化を示すことが新しい研究で明らかになりました。

この研究結果について、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校精神医学・生物行動科学のシュラミット・グリーン助教授は、

「心拍数の変動は、自閉症児の感覚的な問題の敏感な指標となる可能性がある」

と述べています。
自閉症の人の多くは、大きな音や衣服の縫い目やタグの傷などの刺激に敏感に反応します。

機能的磁気共鳴画像(fMRI)から、この特徴が、感覚情報を処理する脳領域での異常な活動と関連していることが示されています。
今回の研究で確認された心拍数の特徴も、これまで感覚の過敏さと関連づけられてきた脳の反応とも一致するものです。

今回の研究には参加していませんが、米カリフォルニア大学デービス校ヒューマンエコロジー学部のジョーナ・シュワルツ助教授はこう言います。

「脳の活動と生理的な反応を同時に測定することで、脳と体のつながりが観察できます。
1つの研究でこれらすべてを測定することで、どのように関連しているのかを明らかにすることができます」

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グリーン助教授らは、8歳から18歳までの自閉症の子ども49名と自閉症でない子ども30名に実験に参加してもらいました。
参加者の両親は感覚刺激に対する子どもの反応について2つのアンケートに答えました。
研究チームは、この情報をもとに、自閉症の子どもたちを感覚刺激に対する反応が強い子と、そうでない子の2つのグループに分けました。

参加者全員に、ざらざらした布を前腕にこすりつけたり、ホワイトノイズを鳴らしたり、あるいはその両方を行ったりと、軽い不快感を与え、心拍数や発汗を示す皮膚コンダクタンスを測定しました。
その後、被験者の脳をfMRIでスキャンしながら、これらの実験を繰り返しました。

その結果は、自閉症の人は警戒心や覚醒感が強い状態で生活することが多いというこれまでの研究結果と一致していました。
そして、この差について補正すると、感覚刺激に対する反応が強い子は、自閉症でない人や感覚刺激に対する反応が弱い自閉症の子に比べて、不快な刺激を受けた後の心拍数が高くなっていました。

この研究成果は”Journal of Child Psychology and Psychiatry”に掲載されています。

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人は新しい音などの刺激を受けた後は、心拍数が高くなるものの、短時間で心拍数が低下します。
これは「定位反応」と呼ばれます。

グリーン助教授はこれによって、人は新しい情報を処理し、それに対してどのように反応するかを決めることができると言います。

その刺激が脅威となれば「戦うか逃げるか反応」反応が起きます。

感覚刺激に対する反応が強い子は「定位反応」を示しませんでした。

そして、彼らの心拍数は、他の参加者に比べて、刺激を受けた後に早く加速していました。
これは、感覚刺激に対する反応が強い子が「戦うか逃げるか反応」を示しているかもしれない。
そうグリーン助教授は言います。

また、自閉症の子どもたちは、そうでない子どもたちに比べて、心理変化による発汗反応(皮膚コンダクタンス反応)が高くなっていました。
また、この皮膚コンダクタンスの反応は、感覚刺激に対する反応が強い自閉症の子とそうでない自閉症の子では大きな違いはありませんでした。

「自閉症の子の皮膚コンダクタンスが全体的に高かったのに比べて、心拍数は感覚刺激に対する反応が強い自閉症の子とそうでない自閉症の子に差が現れるのは予想外でした。

しかし、基本的なレベルでは非典型的な感覚反応は、私たちが思っている以上に自閉症の人には共通しているのかもしれません」

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刺激に対する自閉症の子の生理的反応は、脳活動といくつかの関連性を示しました。
この相関関係は、言語障害や認知障害のある人の感覚過敏を研究する上で、新しい可能性を開くものだとグリーン助教授は言います。

「これらの人たちは脳スキャンが困難なため、fMRI研究では除外される傾向にあるからです。
年齢や言語能力、認知能力などの理由でMRIによる研究に参加できない自閉症の人たちにも、感覚の研究を拡大できることを期待しています」

生理的測定法を用いたことは、この研究のメリットだとシュワルツ助教授は言います。

「ただし、MRIと心拍数や皮膚コンダクタンス反応の測定値は異なるものを測定しているので、相関性があっても交換可能なものではないことを念頭に置く必要があります」

感覚の過剰反応と自閉症の関連性に関する研究は、脳内の抑制と興奮のバランスが根本的に崩れていることを指摘していると、今回の研究には関与していない英キングスカレッジ・ロンドンの法医学・神経発達科学のニコラス・プッツ上級講師は言います。

「しかし、脳の機能の違いが、感覚刺激に対する知覚、反応性、応答性の違いにつながるかどうかは、科学者たちはまだ解明できていません。

多くの研究者が取り組んでいます。この研究でも示されていません。

特定の人の感覚を過剰に反応させる原因は何なのか」

(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay

発達障害、自閉症の人たちの多くがかかえる感覚の問題。

心拍数からも、それが「脅威」となっていることがわかるのですね。

わずかながらでも、その問題の深刻さがよりわかったように思います。

(チャーリー)

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