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特別支援学校の廊下にいる自閉症の子たちと一緒に過ごすロボット

time 2021/06/26

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特別支援学校の廊下にいる自閉症の子たちと一緒に過ごすロボット

ソフトバンクロボティクスが開発したフレンドリーな人型ロボット「ペッパー」がイギリスの西イングランド大学(UWE Bristol)の研究者が主導するプロジェクトの一環で、サマセット州の特別支援学校の生徒たちを助けてきました。
そこで、12歳から18歳までの自閉症の生徒たちの健康状態や感情を3週間にわたってサポートしています。

ブリストル・ロボティクス研究所でプログラムされたペッパーは、絵本の読み聞かせ、ダンス、リラックス法など、さまざまな社会的・身体的活動を行い、自閉症の生徒たちの感情や幸福感の管理をサポートしています。
自閉症の子どもたちの多くは、感情をコントロールすることが難しく、学校での活動に参加するためには、心を落ち着かせたり、刺激を与えたりすることが必要になります。

英自閉症協会によると、68人に一人が自閉症スペクトラム障害をかかえています。
つまり英国では約70万人が自閉症の影響を受けていると言われています。

自閉症の影響は人によって異なりますが、最も一般的な課題としては、コミュニケーションの困難さ、他人の気持ちの理解、慣れない状況での不安、大きな音などの刺激に圧倒されてストレスを感じることなどが挙げられます。

西イングランド大学の生徒と教師が一緒になって、ロボットを使ったアクティビティを考案しました。
ロボット工学、教育、建築分野の研究者の専門知識を活用したこのプロジェクトは、自閉症の生徒と教師を学校でサポートするために、ロボットがいつ、どこで、どのように活躍できるかをこれまで研究してきました。

「自閉症の子どもたちを支援するためにロボットを使うことは、まったく新しいことではありません。
しかし、これまでの研究では、子どもたちにスキルを教えることに重点が置かれていました。
今回の自閉症の生徒たちは、実際に必要なものはこれではないと話していました」

そう、ソーシャル・ロボティクスの准教授であるセヴリン・レマニャン博士は述べています。

「私たちのロボットは学校の廊下に設置されています。ペッパーは教えるのではなく子どもたちと一緒に行動します」

子どもがペッパーと関わると、ロボットが子どもの気持ちを尋ね、それが悲しいものであれ、楽しいものであれ、怒っているものであれ、子どもの現在の気分や感情をサポートする太極拳やジョーク、物語などの適切な活動で応えます。

デジタル教育学の上級講師であるナイジェル・ニューバット博士は、学校の教室で、こうしたロボットを利用することを考えてきました。

研究チームは、生徒とその教師に調査をしました。
生徒は廊下やグループルーム、遊び場など、より社会的でカジュアルな方法でロボットと関わりたいと考えていることがわかりました。

「生徒や教師と協力することで、彼らの声を中心に据え、ペッパーが学校でより役立つ方法を検討することができました」

特別支援学校のメンディップ・スクールの副校長、リアン・コンリーはこう言います。

「ペッパーが学校に来てから、たくさんのダンスを見せてもらい、子どもたちもロボットのジョークをとても楽しんでいます。

子どもたちがグループで集まってペッパーに関わっている様子も、とても素晴らしいことです。
ふだんは人と交流しない子どもたちが、仲間との交流を選んでいるのです。

大人や子どもとのコミュニケーションには苦労してきた子どもたちが、ロボットを交えたコミュニケーションには意欲的に取り組んで、友情の輪が広がっていくのを実際に見てきました」

ペッパーのような社会的知能を持ったロボットは高価ですが、研究者や学校の先生たちは、価値のある投資になると考えています。
すでに研究では、自閉症の人がロボットのパートナーとの交流を楽しめることや、自閉症の子どもたちの社会性、コミュニケーション能力、微細な運動能力の発達にロボットが効果的であることが示されています。

UWEブリストルのチームは、今回の研究プロジェクトを実施することで、学校でのロボット技術の利点をより多くの証拠を集め、将来的には他の学校でもロボット技術の導入を検討できるようにしたいと考えています。

(出典・画像:英E&T

以前ほど、見る機会が少なくなったように思うペッパー君。

ますます、多くの学校でこうした活躍をしてほしいと願います。

自閉症の人などのパートナーに。少年の特徴をもつロボット開発

(チャーリー)

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