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発達障害の子たちにとってリモート学習のメリット・デメリット

time 2021/08/09

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発達障害の子たちにとってリモート学習のメリット・デメリット

新型コロナウィルスによる世界的大流行が、世界中で子どもたちの学習の妨げとなりました。

学校が対面授業から遠隔授業に切り替えても、すべての生徒が一様にそのメリットを享受できるわけではありません。
また、これからこれまでの一般的な学校環境に戻っても、自閉症やその他の発達障害を持つ子どもたちは環境の変化に敏感であるため負担となります。
そのため、発達障害の子をもつ親の多くが遠隔学習を継続することを選択しても不思議ではありません。

「約50家族がオンライン学習を継続しています」

そう語るのは、400人以上の生徒が通う米アリゾナ・オーティズム・チャーター・スクールのパートナーシップおよびオンライン・プログラミング担当ディレクターのダナ・ヴァン・デインズです。

「このような要望を受けて、米アリゾナ州でオンライン・スクールを正式に申請することになりました」

アリゾナ・オーティズムは2014年に設立されましたが、幼稚園から高校までの長期的なオンラインサービスは始めたばかりです。
自閉症に特化した州内初のチャータースクールで、さまざまなニーズを持つ生徒に対応しています。
公営のチャータースクールのため、授業料は無料です。
そのため、この学校に通うために州内に引っ越してくる家族も多くいます。
すでにある家族は、子どもがオンラインで学べるように、入学を希望し引っ越してきました。

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米カリフォルニア大学リバーサイド校の教育学教授でサーチ・ファミリー・オーティズム・リソース・センターのディレクターであるジャン・ブレイシャーは、幼い生徒が学習で成功するための最も重要な要素の一つは、教師と生徒の間の強い関係だといいます。

先生と生徒の信頼関係が強い子どもは、学業成績が良く、友だちも多く、退学する可能性も低いそうです。
しかし、このような関係は、自閉症の生徒にとっては難しいものです。
仲間や大人の感情的な反応を理解するのに時間がかかる場合があるからです。

オンライン教育では人付き合いが難しくなりますが、対面式の学習でも課題があります。
例えば、教室内でマスクをしたり、物理的に距離を置いたりすると、生徒と教師がお互いの表情や感情を理解できなくなることをブレイシャー教授は指摘します。

また、家族もそのような複雑な状況に注意を払っているようです。
ブレイシャー教授らが行った3000人以上の家族を対象とした調査では、自閉症の子どもを持つ親の約40パーセントが今後、子どもをこれまでのような対面式授業に戻すことに抵抗を感じていました。

また、教育関係者や研究者は、バーチャルクラスルームには思いがけない利点があることにも気づいています。

生徒の中には、慣れ親しんだ環境を好む子どももいます。
とくに、学業で苦手な作業が必要な場合はなおさらです。
米ニューヨーク市第75地区の特別教育者兼STEMコーチであるショーン・アーノルドは、生徒が自宅で学んでいると大きな変化があることに気づきました。

「私の生徒の中に話そうとしない子どもがいます。
学校の同級生と直接話したことはありませんでした。
しかし、慣れ親しんだ自宅からの遠隔学習では、初めてクラスメートと話すことができたのです。
これは意味のあることだと思います」

そう、発達障害の生徒に特化した教育を行っているアーノルドは言います。

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アーノルドは生徒のデータを詳細に分析したことはありませんが、重要な傾向があることに気づきました。
担当している遠隔地の生徒のほぼ全員が、対面式のクラスメートよりも評価の点数が高く、成長も見られたのです。

米アデルファイ大学の教育・健康科学のステファン・ショア教授は、発達障害の生徒が学習環境をコントロールできるようにすることの重要性を繰り返し述べています。

「発達障害の人は、騒音や蛍光灯、埋め込み式の照明器具、温度調節などの問題がある場所に行くと、感覚的に負担を感じるかもしれません」

自身も自閉症を患っているショア教授は、冬場に暖房が特に強く効いている教室で苦労したことを憶えています。
この不快感は、学校の指導者がすぐには思いつかないような気がかりな問題だったといいます。

また、日々の学習課題が予測できない生徒には、柔軟性が重要です。
アリゾナ・オーティズム・チャーター・スクールズのヴァン・デインズは、家庭学習によって、家族が生徒のニーズに積極的に対応するための柔軟性を得ることができるといいます。

「子どもを学校に連れて行こうとしても、夜よく休めなかったり、何かのきっかけで行動が変わってしまったりして、学校に行きたくなくなることがありました。
家族たちは自宅で子どもを学ばせるメリットを実感しました」

特別支援教育の歴史家にとって、発達障害の子どもを持つ家族の現在の状況は憶えがあるものです。
1975年、「障害児教育法」によって、能力に関係なくすべての生徒に「無料で適切な公教育」が保証され、何千人もの子どもたちが初めて学校に入学できるようになりました。
ブレイシャー教授が指摘するように、今では、神経多様性を持つ生徒を持つ多くの家庭が、子どもを家で学ばせることを求めています。

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一方で、バーチャル・ラーニングは、発達障害の生徒に必ずしも適しているわけではなく、発達障害の生徒すべてに最適な選択肢とはいえません。
ブレイシャー教授によれば、遠隔学習では家族のサポートが必要になることが多く、また、クラスメートとの社会性を身につけることができなかったり、個別教育計画の目標を達成できなかったりする場合もあるといいます。

「自閉症の子どもが家でじっとしていると通常、個別教育計画の目標である社会的コミュニケーションスキルを身につける機会がなくなります。
また、多くの自閉症の子が、友だちがいなくて寂しいとも言っています」

ビデオ会議では、教師と生徒がマスクなしで表情を見せてコミュニケーションをとることができますが、それでも真の意味での感情的なつながりは難しくなります。
一部の学校では、遠隔学習の要素を通常の学校生活に取り入れることを検討しています。
例えば、アーノルドの学校では、生徒や家族との会議の一部を、対面で登録している生徒であっても、バーチャルで行うことができるようになるそうです。

最終的には、発達障害の生徒がオンラインでも対面式でも学校の授業を最大限に活用できるようにするには、学校側の積極的な協力が必要です。
アーノルドはこの点について昨年から注目しています。

「これまでは、新しい手順や活動、方法を教室に取り入れる先進的な教育者を多く見てきましたが、今回の事態では、これまで消極的だった先生方までもが動き、変化していくのを目の当たりにしました」

(出典:米EdSurge)(画像:Pixabay

リモート学習、リモートワーク。

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新型コロナの状況にかかわらず、求める人にはますます、ずっと利用できるようになることを期待しています。

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(チャーリー)

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