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設置された「部屋の中の部屋」が自閉症の生徒たちを助けている

time 2021/10/23

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設置された「部屋の中の部屋」が自閉症の生徒たちを助けている

オーストラリアのジェラルトンの2つの学校に設置された自閉症の生徒をサポートするための空間が良く機能していると数カ月で評価されています。

ワンディナ小学校とチャンピオンベイ高校に設置された空間は今年オープンしました。
学内のすべての生徒が感覚的な過負荷を軽減し、静かに作業を行い、反省してリセットするために利用できます。

260万豪ドル(約2億2千万円)を投じて、4つの学校が協力し、自閉症の生徒の教育的・社会的成果を向上させることを目的として、オーダーメイドのプログラムと施設を作りました。
教職員が学校間で研究やアイデアを共有する機会にもなっています。

ジェラルトンの公立学校には、現在200人以上の自閉症の子どもたちが在籍しており、自閉症と診断される生徒は増えています。

チャンピオン・ベイの識字・学習支援コーディネーターであるナタリー・ワーシントンは、この取り組みがすでに生徒に良い影響を与えていると述べています。

「この学校には、自閉症と選択的緘黙症の生徒がいます。
最初にこの学校に来たとき、その生徒は完全に心を閉ざし、誰ともコミュニケーションを取ろうとしませんでした。
忍耐と安心感が、彼の成功には欠かせません」

チャンピオンベイ高校では、約30名の生徒が自閉症です。
生徒の協力を得て、学校は6つの特別な学習スペースを設置しました。

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その中には、「禅」の部屋があります。
これは生徒がリラックスして心を落ち着かせるための場所で、照明を落とし、机とソファを配置し、側面と屋根が高く、騒音を打ち消すことができます。

ワーシントンによると、これらの部屋は人気があります。
しかし、学習や自分の行動や感情を自己調整するためにしか利用できないようにしています。

「部屋にいる時間は最小限にするようにしています。
生徒やスタッフには遊びのためではないことをはっきりと伝えています。

教室に入って自分のやるべきことを見つけ、静かな別の作業スペースに移動して、周囲の騒音を気にせずに自主的に作業をすることが必要な生徒がいます。
そうした生徒のためのものです。

周りの目を気にすることなく、自己調整できる場所に誘導できるので、パニックを起こしてしまう生徒には最適な空間です。

必要とする生徒は、安全な空間を得られたことにとても満足しており、助けになっています」

豪カーティン大学連合保健学部の作業療法の上級講師であり、カーティン大学自閉症研究グループのメンバーでもあるベン・ミルボーン博士は、神経多様性を持つ学生が安全で自由に自分らしくいられることが重要だと述べています。

「発達障害、自閉症をかかえない人にとっては当たり前の一日の多くの時間が、自閉症の人にとっては不確実で不安や心配につながる可能性があります。
また、音や匂い、光などの刺激に圧倒されることもあるでしょう。
そのため、安心して参加できると感じられれば、リスクのある機会に飛ぶこむことができるようになります」

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ワンディナ小学校では、すべての生徒が家の形をしたポッドを利用できます。
このポッドには、明るさを調整できる照明、ホワイトボード用の壁とテーブル、柔らかい椅子、電源が備え付けられています。

ワンディナ小学校の生徒数は490名で、その中には自閉症の生徒が26名、その他にも支援が必要な生徒が多数います。
ダイアナ・ミラー校長によると、この「部屋の中の部屋」は生徒に大好評で、仲間や教育アシスタントと一緒に学習する際に利用されています。

「このポッドでは、子どもたちは他の子どもが何をしているのかを気にする必要がないために、気が散ることがなくなります。とても学習が効果的になります。

そして、自分がそれを利用できる時間をもてることが、モチベーションともなっています。
子どもたちはその場所に行き、自己調整戦略を使って心を落ち着かせ、目の前の仕事に集中することができます。
とてもポジティブで、魅力を感じて、落ち着いて取り組むことができています」

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ジェラルドトンの9つの学校に、自閉症の生徒のためのエリアが設けられています。
感覚活動やセラピープログラムのために広いスペースを利用しているところもあります。

ミルボーン博士は、これは素晴らしい取り組みであり、すべての学校で行うべきだと述べています。

「環境を変えることで、より良いサポートができるようになります。
大きなメリットがあります。
学校だけでなく、地域社会においても、プレッシャーのない環境を作り、とくに感覚的な問題を抱えている人が、成長し、育つ機会を作ることが大切です。

しかし、物理的な環境だけでは不十分です。
社会的な環境、規則や規制を変えることも重要です。
規則を破れとは言いませんが、適応できるようにすることがとても重要なのです」

(出典・画像:豪abc

キャンプ用のテントでも助かったりします。

立派な設備でなくても、そんなスペースを設けて頂ければ助かる人がいます。

よろしくお願いします。

特別支援学校に設置された発達障害の子が助かる安心空間遊具

(チャーリー)

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