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自閉症でADHDの彼女は9カ国語に堪能。発達障害の子に教える

time 2022/01/22

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

自閉症でADHDの彼女は9カ国語に堪能。発達障害の子に教える

ADHDと自閉症をかかえる女性が、それらを「不利なものではなく有利なもの」と捉え、そして学校でのいじめをバネに、9カ国語を流暢に話せるようになり、教師の道へ進んでいます。

23歳のクロエ・メアード・ドネリーは、授業に注意を払うことに苦労していました。
不真面目だと誤解され、侮辱を受けることもありました。
その経験から、主流の教育では集中するのが難しいと感じる他の子どもたちを助けたいと思うようになりました。

今では、クロエは自分の語学学校CMD Tutoringを立ち上げ、自閉症から失読症までの症状を持つ200人以上の生徒に教えています。

「私も同じような問題を抱えているので、生徒と一緒に学ぶ方法がわかります。
私は彼らを笑わせ、学習を楽しくし、私の情熱も伝えます。
学習困難は不利なことではありません、素晴らしい能力になるのです」

クロエは、わずか10歳のときに母親を亡くしました。
そして、大きな罪悪感を感じていました。

「私は生まれつきの病気で、腸の大部分を摘出するために手術しました。
出産のストレスで母は車いすで退院し、二度と歩くことができなくなりました」

進行性多発性硬化症を患っていた母親は再発に見舞われ、クロエは責任を感じていた。

「何年もの間、彼女の再発はすべて私のせいだと思っていました。
母が死んだのは私のせいだと」

母親の死から数カ月後、中学校に入学したクロエは、悲しみに暮れながらも、スペイン語の授業に熱中するようになりました。

「スペイン語の授業では、起こったことを考える暇もないほど集中していました。
私は本当にそれに身を投じました。
今、私は言語が私の自閉症によるこだわりの対象の一つであることを知っています」

13歳のときに、クロエは学校から注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断されました。
そのとき、クロエは汚名を着せられたと感じたといいます。

「実際に診断されたときから、いじめが始まったと思います。
ある人は、私のことを信じてくれませんでした。女の子にADHDはありえないって。
ただ、私を悪い子だと思う先生もいました」

大学進学も語学の勉強も無理だと言われたとき、クロエは疑う人が間違っていることを証明しようと決心しました。

「授業中には、そうすると怒られるけど、手を動かすことで耳を集中させて話を聞けるようになりました。
自分の症状についてより深く知ることができてからは、それを活かしています。
指の間でビー玉を転がしながら授業を受けると、集中力が高まるんです」

クロエは、英語、スペイン語、フランス語、イタリア語、カタロニア語、ルーマニア語、インドネシア語、アイルランド語、テトゥン語、ポルトガル語、ラテン語、ウェールズ語、ガリシア語の9か国語に堪能です。
さらに他の4か国語も会話することができます。

そして2019年、エンジニアのボーイフレンド、チャーリー(23歳)とパブに行ったとき、父親が娘にもうすぐ始まるフランス語のGCSEについてアドバイスしているのをオーバーヘッドで見たことが、彼女を教師の世界に押しやりました。

そして2019年に、パブで父親が娘にフランス語の試験に対してアドバイスしているのを見かけました。
これが教師を目指すきっかけになりました。
当時クロエは、英バンガー大学でフランス語、イタリア語、スペイン語の学位を取得するために勉強してました。
その親子の会話に口を挟まずにはいられなかったといいます。

「私はおせっかいにも、彼らのところへ行き、手伝えることがないか尋ねました。
私は無料でお手伝いするつもりでした。
私は言語が好きで、それを共有したいだけなのです」

その少女はクロエ最初の生徒となりました。

またその後、クロエは自閉症と診断されました。

「動揺するどころか、これはすごいことだと思いました。
これが、どれだけたくさんの外国語を学ぶのに役に立つかと」

そして、2020年、新型コロナによるロックダウンが行われたときに、リモート学習による生徒の募集を始めました。

「1時間5ポンド(約800円)で、どんな子にも言語を教えるとFacebookに書き込みました。
すると、いつの間にか私のスマホが通知でいっぱいになっていました。
そこからビジネスが急成長したんです」

クロエは現在、小学生から定年退職者まで、約200人の生徒にさまざまな言語を教えています。
そして、とくに発達障害の人へ教えることに情熱を注いでいます。

「学習障害のある人が直面する困難は、私も直面しているのでよくわかります。
先生や家庭教師は、私たちを誤解することが少なくありません。

私は生徒たちに、自分たちのニーズさえ満たされれば、とてもうまくいくことを伝えています。
もし、セッションを始めるときに悲しくなっていたら、そのことについて話し合います。
もし、気が散っているのなら、それについて何かしましょう。
自分をケアできなければ、うまくいくわけがないのです」

クロエには、レッスンを成功させるための作戦が他にもあります。
ADHDの生徒とは定期的に休憩を取り、生徒が今どのように感じているかを注意深く観察します。

「生徒がどれだけ有能かを思い知らせるのが私の仕事です」

そうして、生徒たちは試験を乗り越え、新たな自信を手に入れています。

現在、彼女は週6日レッスンを行っており、教育への貢献を称えるinspirational woman awardやYoung Trader of the year 2021で4位など、多くの賞を受賞しています。

(出典・画像:英Cheshire Live

自分がそうだからこそ、うまく教えられる、一緒に学びやすい。

そのとおりだと思います。

ますますご活躍頂きたいと願います。

発達障害の彼女は、できないと言われても自分を信じ卒業した

(チャーリー)


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