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睡眠障害は自閉症の副作用ではない、原因が共通している。研究

time 2022/02/28

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睡眠障害は自閉症の副作用ではない、原因が共通している。研究

15年ほど前、アシュラ・バックリーはある観察結果に興味をもちました。
自閉症や発達遅滞の子どもたちの一晩中の脳活動を脳波計で観察していたところ、彼らの脳波のパターンが、そうでない子どもたちと明らかに異なっていることに気づきました。

米国国立精神衛生研究所の小児神経科医で睡眠医学の専門家であるバックリーは、異なる睡眠段階を示すパターンが非常にわかりにくくなっていたと言います。
バックリー博士と彼女の同僚は、脳波を見ただけで、誰が発達障害なのかわかるほどでした。

「その観察だけで膨大な量の情報があるように思えました」

それ以来、バックリー博士は、睡眠中の脳活動の意味を解読することに取り組んでいます。
発達障害でない子どもと、自閉症など発達障害の疑いがあると診断された子ども、または発達障害のきょうだいの遺伝、睡眠、行動を評価するプロジェクトを最近開始しました。
その目的は、脳波、つまり電気生理学的な特徴から、コミュニケーションや社交性の問題など、その後の行動上の問題を予測できるかどうかを明らかにすることです。

睡眠と自閉症の複雑な関係を明らかにするために、現在多くの研究が行われています。

それは、自閉症スペクトラムの人たちの86パーセントが睡眠障害を抱えており、睡眠障害と自閉症は無数の点で重複していることが研究により明らかにされてきたからです。
しかし、この2つの関係は、睡眠そのものの機能同様、いまだ解明されてはいません。

自閉症の人の睡眠の問題は、自閉症の特徴に起因しているか、あるいはその両方である可能性があります。

豪ラトローブ大学オルガ・テニソン自閉症研究センターで、1980年代から自閉症の人たちの睡眠障害を研究しているアマンダ・リッチデール教授こう言います。

「どちらが先なのかを知るのは難しい」

長年にわたり、睡眠障害は自閉症の副作用と考えられてきました。
しかし今は、そうでなく、それらに共通の生物学的特徴があることを示す証拠が増えています。

リッチデール教授によれば、この関連を調べることによって、自閉症の根源に関する手がかりを得たり、自閉症のサブグループを定義するマーカーを発見したり、難治性の睡眠障害を抱える自閉症の人を支援する新しい方法を見出したりすることができるかもしれないと言います。
バックリー博士はこう言います。

「神経発達と睡眠は重なる部分が多く、非常に有望な研究対象です」

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自閉症と睡眠の問題の生物学的性質が一致する部分の一つは、睡眠と覚醒のサイクルの制御に関するところです。

概日時計は、「時計」遺伝子の協調的発現によって、人の睡眠とその他の日常的プロセスを支配しています。
米ハーバード大学神経学助教授のジョナサン・リプトンはこう言います。

「基本的な脳機能のあらゆる側面に関与しています」と言う。

この24時間体制の生物学的タイマーは、発達障害とも密接に関係しているといいます。

自閉症に関連するいくつかの遺伝子の変異は、概日時計に影響を与えます。
例えば、TSC1またはTSC2(自閉症に関連する結節性硬化症の原因となる遺伝子)に変異を持つマウスは、昼夜のサイクルが短くなるなど、概日リズムが非典型的になることが、リプトン教授の研究チームにより明らかになりました。
そして、このマウスで異常に高くなっていた、時計の中心的な構成要素であるタンパク質BMAL1のレベルを少なくなるように遺伝子改変したところ、昼夜のサイクルは正常になりました。

この結果から、時計を調節することで、自閉症の人の睡眠を改善できるかもしれない、他の自閉症特性も緩和できるかもしれないとリプトン教授は言います。

また、自閉症の有力候補遺伝子であるSHANK3に変異を持つマウスは、睡眠の調節に関わるプロセスも変化している可能性があります。
米ワシントン州立大学スポケーン校の生物医学助教授であるルシア・ペイショットによれば、通常、動物は起きている時間が長いほど睡眠の必要性が高まりますが、この遺伝子を持たないマウスは、睡眠不足でもなかなか寝付けません。
さらに、睡眠不足がこのSHANK3遺伝子変異マウスと野生型マウスの脳の間で見られる遺伝子発現の違いをさらに悪化させることも明らかにされています。

ペイショット助教授の研究チームは、現在、シナプスを支えるタンパク質をコードするSHANK3が、睡眠関連遺伝子の発現にどのような影響を及ぼすかについて調査しています。

これまでの研究でも、シナプスの働きと睡眠は関連していたからです。
睡眠は、シナプスの可塑性(神経細胞が新しい情報に応じて結合強度を変化させる過程)に重要な役割を果たします。
睡眠不足は、学習や記憶、乳幼児期の脳の発達の重要な時期の基礎となる可塑性を乱す可能性があるのです。

「2019年のある研究によれば、プレーリーハタネズミの場合、生後早期に睡眠が妨げられると、社会的行動にも変化が生じました」

ペイショット助教授は、睡眠不足が脳の発達を変化させることで、自閉症に寄与しているのではないかと考えています。
もしそうだとすれば、幼少期から睡眠を改善すること、たとえば睡眠をサポートする習慣を実践することで、自閉症の人たちの生活の質を良くできるかもしれません。

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睡眠障害と自閉症との重複は、脳の領域や回路に共通する変化の結果である可能性が、EEG(脳波計)の記録から示唆されています。

一晩の脳波記録は、睡眠紡錘の変化を示します。
睡眠紡錘とは、急速眼球運動を伴わない睡眠中に起こる短い活動で、記憶の定着を助けると考えられているものです。

バックリー博士らは2018年、神経質な子どもや、自閉症ではないが発達遅滞の子どもは、紡錘体の数が少なく、また紡錘体の密度が社会機能の指標と関連することを明らかにしています。

そして、視床網様核(TRN)と自閉症に関連があることが示唆されるとバックリー博士は言います。

睡眠紡錘は大脳皮質とのコミュニケーションを調節するもので、視床のTRNで発生します。
そのTRNの発現は、自閉症に関連する遺伝子PTCHD1に関連します。

自閉症の睡眠紡錘に関する研究は、まだ比較的新しいものです。
米ハーバード大学の心理学教授で、自閉症と統合失調症の睡眠紡錘を研究しているダラ・マノクによれば、自閉症を特徴づける電気生理学的徴候はまだ明確に定義されておらず、紡錘と睡眠困難の関係に関する知見も予備的なものだと指摘します。

しかし、多くの研究で、自閉症と類似している統合失調症の特性において、紡錘体が影響していることが示されています。
統合失調症の患者では、紡錘体の密度が定型的な人たちよりも低く、この欠陥が一晩で記憶を定着させることの難しさと関連していることが研究で示されています。
紡錘体は他の脳領域からの振動と結合し、同期した活動が統合失調症における記憶処理に重要であることがわかりました。

マノクは、研究チームが以前行った自閉症研究のために収集した睡眠データを再調査したところ、自閉症の人たちの間でも、統合失調症の患者と同様に、紡錘体と他の振動との結合が阻害されている可能性があることを発見しました。

「睡眠中は、視床と大脳皮質の間で何らかのコミュニケーションが行われています」

マノクらが報告した非同期振動は、自閉症の人については、記憶定着の低下とは関連していませんでしたが、TRNの機能の違いと関連していました。

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覚醒時と睡眠時に視床と大脳皮質との間で感覚情報の中継を行うTRNの変化が、自閉症の人の感覚過敏や睡眠障害の背景にもある可能性あります。

つまり、自閉症の人たちが非同期振動を持っている場合には、彼らの特性の一部を改善できるかもしれません。

例えば、自閉症でない人についてですが、夜中の決まった時間に周囲の騒音を短時間流すと、脳の振動の結合が促進され記憶の定着が改善されることが研究で明らかになっています。

それでも、このようなアプローチは、自閉症の人の一部しか有効でないかもしれません。
それは、自閉症の人たちの睡眠障害には多くの原因が考えられるからです。
生物学的な原因よりも、睡眠習慣の悪化や不安、抑うつが原因になっている人もいるかもしれないからです。
とはいえ、睡眠は自閉症の治療対象として価値があります。
バックリー博士はこう言います。

「脳が正しく発達するために必要なことをするのです。
また、睡眠問題は自閉症の子を持つ家族の間で最も緊急の懸念事項の一つです。
しかし現在、それを治療する方法がほとんどわかっていません」

リプトン助教授は、自閉症と睡眠の関係を研究することで、この2つについての新しい考え方が生まれると言います。

「自閉症と睡眠は『お互いを覗き込む窓』だからです」

(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay

うちの子も小さな頃はなかなか寝てくれませんでした。

私もきちんと眠ることは難しいことでした。

薬を飲むようになってからはよく眠ってくれます。

私たち家族もよく眠れるようになりました。

睡眠の問題は、間違いなく本人にも家族にも大きな影響を与えます。

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(チャーリー)

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