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知的障害などの子はない子に比べ、暴力を経験する確率が2倍

time 2022/03/20

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知的障害などの子はない子に比べ、暴力を経験する確率が2倍

障害のある子どもや青少年の3分の1が暴力を経験しています。
障害のある子どもは、障害のない子どもに比べ、暴力を経験する確率が2倍にもなることが、新しい研究で明らかになりました。

1990年から2020年の間に行われた、25カ国の1600万人以上の若者を対象とした92の研究の系統的レビューが”The Lancet Child & Adolescent Health”に発表されています。
暴力の発生率は障害によって異なることも示されました。

本研究の共同責任者である英オックスフォード大学教授ジェーン・バロウはこう言います。

「私たちの調査結果は、障害のある子どもたちに対する無視できない憂慮すべき暴力の割合を明らかにしています」

最も暴力を受けた率が高かったのは、精神障害や認知・学習障害のある子どもたちでした。
感覚障害、身体・運動機能障害、慢性疾患を持つ子どもたちの割合はわずかに低くなっていました。

障害のある子どもや青年の3人に1人が、精神的・身体的な暴力を経験していました。
障害のある子どもの5人に1人はネグレクトを経験し、10人に1人は性的暴力を経験しています。

この調査では、障害のある子どもの約40パーセントがいじめを受けていることも指摘しています。

「すべての子どもたちに、社会的、健康的、経済的に長期的な影響を及ぼす暴力から保護される権利があります。
学校退学率の上昇、仕事の見通しの悪化、その後の人生における精神疾患や慢性疾患のリスクの上昇から守ることも含まれます」

てんかん、知的障害、視力障害、難聴を持つ子どもや若者は、世界で2億9000万人以上いると推定されています。
これは、子どもや青少年の総人口の約11パーセントに相当します。
その他の身体的・精神的な障害を持っている子どもを含めればもっと多くなります。

障害をもつ子どもたちが経験する深刻なレベルの暴力は、偏見、差別、障害に関する情報の欠如、介護者のための社会的支援の不十分さと関連しています。
また、貧困や社会的孤立も障害の子をより辛くします。
さらに、Lancetのプレスリリースでは、「言語化や自己防衛ができないなど、障害を持つ子どもたちが直面する特有の課題が、暴力のターゲットにされることもある」と述べています。

研究チームは、政府、医療・福祉関係者、その他の研究者に対し、障害のある子どもに対するあらゆる形態の暴力に対する認識を高め、予防の取り組みを強化するために行動を起こすよう呼びかけています。

「私たちは、養育者のストレス、社会的孤立、貧困など、障害を持つ子どもたちが暴力や虐待のリスクにさらされる要因を解決するためのサービスや支援に早急に投資しなければなりません」

中国の北京師範大学の共同執筆者であるズイ・ファンは、暴力は予防可能であることを強調します。

「国連の持続可能な開発目標では、2030年までに子どもに対する暴力をなくすことを目標としています。
この目標を達成するためには、政治指導者、実務家、研究者が協力して、エビデンスに基づく子育てへの介入など、暴力防止に効果があるとわかっていることを実施し、特定の形態の暴力を対象とした、地域、学校、オンラインでの効果的な介入を開発し評価する必要があります」

今回の研究に関与していないオーストラリアのメルボルン大学のタニア・キングもこう言います。

「障害をもつ子どもの数は世界中で増え続けています。
彼らを暴力から守るためのシステムとプロセスを確立しなければなりません。

障害をもつ子どもたちに対するより良いサービスとサポートは、彼らが経験する暴力の増加を支える危険因子の多くを減らすでしょう」

キングは、暴力との闘いを強化する理由はたくさんあると付け加えました。

「暴力がもたらす被害は甚大です。
社会は、障害者のインクルージョンを改善することによって、多くのものを得ることができます。
しかし、重要なのは、道徳的な要請です。
現在の社会が、障害を持つ子どもたちの間でこのような暴力の発生率を許容することは、受け入れがたいことです」

(出典:ヨーロッパEURACTIV

いじめは絶対に許せません。

誰に対しても。

発達障害の子どもたちにいじめについて尋ねることを強く薦める

(チャーリー)


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