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自閉症の女性は「過共感」「社会的ひきこもり」をかかえることも

time 2022/05/12

この記事は約 6 分で読めます。

自閉症の女性は「過共感」「社会的ひきこもり」をかかえることも

いくつかの自閉症の初期の兆候は、女性では見落とされたり、誤診される可能性があります。

なぜ、自閉症の女の子は男の子とは異なるのでしょうか?
自閉症は、コミュニケーション、社会的相互作用、情報処理、および行動の違いなどが現れる発達障害です。

一般的に、自閉症と診断されるのは男性に多くなっています。
しかし、新しい研究によよれば、これは女性が実際に自閉症であることが少ないからではなく、しばしば見過ごされてしまう、男性とは異なる行動パターンが原因であることが示唆されています。

米国の「精神障害の診断と統計マニュアル第5版」(DSM-5)では、自閉症の兆候を男女別にリストアップはしていません。
男女問わず、自閉症の診断にはこの基準が用いられています。

社会的コミュニケーションと相互作用において持続的な課題(感情的相互作用、非言語的行動、人間関係を理解し維持する能力に関して)

  • 反復的な運動または音を出す
  • 変化への適応が困難、または同じルーチンや儀式を好む
  • 興味の対象が狭く、それらに強い好奇心や集中力を持つ
  • 感覚刺激に対する反応が低いか高いか、または周囲の感覚的な側面に強い関心がある
  • これらの違いが、社会的、学問的、または職業的な生活領域における重大な困難につながっている
  • これらの違いが、初期の発達段階から存在している

たとえ自閉症だけでなう知的障害を併発していても、これらの違いは知的障害や発達の遅れによって説明されるものではありません。
そして、自閉症はスペクトラム障害です。
つまり、これらの違いは人によっては顕著であったり、そうでなかったりします。
また、状況に応じて変化し、時間の経過とともに変化することもあります。

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米ニューヨーク市の臨床ソーシャルワーカーであるシャロン・ケイオコナーは、自閉症は男性、女性、多様な性において、異なる症状を示すかもしれないと述べています。

「女の子と女性は、自閉症の特徴を隠したり、カモフラージュすることに長けていることが多くあります。
そのため、自閉症と診断されるのがずっと後になってからになるかもしれません」

次の行動も、特に平均以上の知能を持つ少女と女性において、自閉症を示している可能性があります。

1.ミラーリング

自閉症女性は、男性よりも他人の物腰や話し方、ペルソナを真似る傾向が強いかもしれません。
ケイオコナーはこう言います。

「この形のマスキングは自動的で本能的なものであり、自閉症の人は自分が他人をコピーしていることに気づかないこともあります」

2.社会的認識

自閉症の女の子は、全体的に、男性の女の子よりも社会的な意識が高いかもしれません。
他の人との関係を維持する能力が高く、与えられた社会的状況において必要とされること、期待されることに応じて自分の行動を調整することができるのかもしれません。

3.ハイパーエンパシー(過共感)

共感とは、他人の立場になって考え、その人が感じていることや経験していることを理解する能力です。
ハイパーエンパシーは、これが過度に高いことです。

「DSM-5に正式に記載されている特性以外でも、ハイパーエンパシーのような特性は、自閉症の人たちの間でよく見られる経験であることがわかっています。
この特性は、しばしば、自閉症の人、特に自閉症の女性を、ソーシャルワーク、看護、心理療法などの介護職に引き寄せます」

4.社会的引きこもり

自閉症の女の子は、より直接的なコミュニケーションスタイルを持っている傾向があり、それは鈍いと思われるかもしれないと、米カリフォルニア州の認可心理学者であるターシャ・オズワルド博士は述べます。

「自閉症の女の子は、自分の考えを共有して誤解されるという辛い経験よりも安全な、引きこもることを学ぶかもしれません」

5.人を喜ばせる行動

自閉症の少女や女性が自分の気持ちを表現すると、サポートを受けるのではなく、嫌なことをたくさん言われるかもしれないと、オズワルド博士は言います。

たとえば、次のようなことです。

  • あなたは敏感すぎる
  • 過剰に反応するのはやめなさい
  • どうしてもっと……

「自閉症の女の子は恥を感じ、自分には何か問題があると思い始めるかもしれません。
ありのままの自分を受け入れてもらうのではなく、普通に振る舞うこと、いい子でいること、社会的に適切であるようにを言われるのです。
他人に受け入れられていると感じるために、自閉症の女の子は、極端に人を喜ばせる人になり、本当の自分を隠してしまう傾向があります」

g2 自閉症の女性は「過共感」「社会的ひきこもり」をかかえることも

米国疾病管理予防センター(CDC)によれば、自閉症は、遺伝的要素を含む、複数の要因の組み合わせから発症する可能性があります。
そしてこれらの要因は、それぞれの性別で異なる可能性があります。

自閉症の人々の脳の大きさを調べた2015年の研究では、自閉症の男性に比べて、自閉症の女性は側頭葉が小さい傾向があることを発見しました。
側頭葉は、感情調節、言語、言語情報の処理に関与しています。

また、MRI技術と遺伝子データを用いた2021年の研究では、自閉症の女の子は、人の動きに対する脳の反応が鈍いことが示さました。
この違いは、感覚と動作の相互作用を調整する脳の領域の構造的な違いによって説明できるようです。

この研究では、これらの違いが女の子の自閉症の原因か影響かは確定していませんが、この調査結果は、潜在的な固有の特性を研究するために、女性の参加が必要であることを示唆しています。

2021年に、自閉症の3歳から18歳の女の子54名と男の子55名を対象に行われた別の研究では、両者の臨床的表現型に違いがあることがわかりました。
表現型とは、遺伝子と環境の相互作用によって生じる、ある人の観察可能な特徴や特性のことを指します。

男性に比べて、女性は社会的相互作用や人間関係を構築、維持、理解する能力が高いことが示されています。
また、男性に比べて、同じことを繰り返したりすることは少なくなっていました。

さらに、自閉症の女の子は、有名人、化粧、本など、自閉症でない女の子と同じ興味を持つことが多くなっていました。
一方、男の子は、数字、電車、テレビゲームなどに興味があることがわかりました。

全体として、女性の自閉症についてはもっと研究が必要です。
これまでのほとんどの研究が自閉症の男性について行われているため、女性の自閉症は新しいトピックとして注目されています。

診断基準が男性の行動を中心にモデル化されているために、自閉症の女性は男性よりも高齢で診断される傾向があります。
自閉症がどのように見えるかについての固定観念はまだあり、それが女の子と女性の自閉症の兆候を見つけることを難しくしています。
さらに、女性はマスキングやカモフラージュが上手で、自閉症の男性とは異なり、自閉症でない人と同じような日常生活を送ることが少なくないため、異なる診断を受けたり、全く診断を受けなかったりする可能性を高めています。

まとめると、これまで自閉症スペクトラムは男性に多いと考えられてきましたが、新しい研究によると、これは専門家が女性の自閉症に特有の構造的・行動的特徴を見落としているためかもしれません。
男女間の正確な違いを明らかにするためにはさらなる研究が必要ですが、自閉症の女の子は、自分の症状を内面化またはカモフラージュすること、相互関係を築くこと、神経型(非自閉症型)の興味や習慣を身につけることに長けていると考えられます。

(出典:米PsychCentral

必要とされる方には適切な支援がなされるように、男女問わず、正しく診断が行われることを願っています。

女の子の自閉症を見過ごさないAIを開発。米スタンフォード大

(チャーリー)

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「わざとしているのか、ねっちさん」
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