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自閉症の人に見られる、うつや不安障害の「違う」5つの現れ方

time 2023/07/06

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

自閉症の人に見られる、うつや不安障害の「違う」5つの現れ方

これまでの研究によれば、自閉症の成人は、そうでない成人に比べて、メンタルヘルス診断を受ける可能性が著しく高く、特にうつ病や不安障害を経験する可能性が高くなっています。
さらに、自閉症の人たちはそうでない人たちよりも、これらの症状がより深刻になっていました。

自閉症の人の心に関わるニーズは満たされないことが多くあります。

その結果、うつ病や不安障害の現れ方が自閉症の人では異なるのかどうか、また心理療法はこれらの違いにどのように対応すべきかを考える必要があります。

Radically-Open Dialectical Behavioral Therapy(RO-DBT)は、心理的健康に関連する領域において、「過剰になった反応」の特徴を持つ人たちを支援しようとする介入支援です。

これを開発した、ラディカル・オープン・インスティテュートのディレクター、トーマス・リンチは、対応や反応の過剰が自閉症の人によく見られるパターンであることを挙げています。

このことを念頭に置くと、うつ病や不安症の現れ方(と治療)は、自閉症の人はそうでない人とは異なる可能性があります。

自閉症の人のうつ病や不安は、次の5つのような現れ方をすることがあります。

 

1.仕事は続けるが、楽しみやセルフケアはあまりしない

自閉症の人によく見られるルーチンワークや白黒思考を好む傾向は、仕事のタスクも含め、自分がコミットしたタスクを完遂する可能性を高めるものです。

うつ病を経験している自閉症の人のうち、職場では非常に成功しているものの、一方で「必要でない」と思う分野、つまりレクリエーションや、空間を清潔に保つこと、個人的な衛生管理などでは難しくなっていきます。

 

2.特別な趣味への関心の喪失

特別な興味に強く、時には伝説になるほど集中する。それはよく、自閉症と関連することです。
これらの特別な興味の対象は、特定の動物、ゲーム、アニメなど特定のものです。

このような興味への取り組みが減少することは、自閉症の精神的健康の赤信号と考えるべきです。

 

3.運命論的思考になっていく

私には悪いことばかり起こる。これからもずっと。
そうした思考は、絶望感につながります。
たいていの場合、この運命論的思考は圧倒されるような体験の後に起こります。

一歩下がって休息し、状況を再評価することができれば、それは変えることができます。
うつ病を経験している自閉症の人の場合、運命論的思考はより頻繁に現れ、長く続く傾向があります。
自閉症に関連する白か黒かの思考パターンを考えれば、より固定的になってしまうことは否定できません。

4.完璧主義が強くなる

ルールに支配された思考と行動は自閉症の特徴です。
強いストレスを感じると、自閉症の人はこれらのルールを完璧にしようとする傾向がさらに強くなり、自己批判につながることが多くなります。

極端な例としては、摂食障害などの過制御対処です。
このことは、自閉症と摂食障害、特に神経性食欲不振症の併存率の高さを説明します。

 

5. 社会的ひきこもりの増加

自閉症は一般的に社会的引きこもりと関連があるとみなされてきました。
しかし、多くの自閉症の人は、彼らが歓迎される状況下では、社会的に交流することができています。

距離感の増加、あるいは通常の社会的空間からのさらに遠ざかることは、不安や抑うつが増加していることを示しているかもしれません。

もしあなたが自閉症であったり、自閉症の人を愛していたり、あるいは発達障害の人たちの感情的・社会的ニーズをケアする専門家であるならば、精神衛生上の問題を併発することがよくあることを知っておいてほしいと思います。

自閉症の人たちは発達障害なのでない人たちと比べて、精神衛生上の問題を違った形で見せることがあるために、問題をかかえていることをわかるのが難しくなる可能性があることも。

RO-DBTのようなこうした違いを考慮した心理療法、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)のような認知的柔軟性を利用した心理療法が、いくつかある治療法の選択肢のひとつとなります。

そして、ニューロダイバーシティを肯定できるような社会環境や職場環境に変えていくことが重要です。
承認、エンパワメント、サポートがあれば、自閉症の人は成長し、関連する精神衛生上の課題を克服することができます。

(出典:米Psychology Today)(画像:Pixabay

現れ方が違う。

その可能性があることをまず知ってください。

少しでも助けとなるよう、注意して頂きたいと思います。

自閉症の人はうつ病にかかる割合が高く、症状も異なることがある

(チャーリー)


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