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両親をなくした自閉症の青年。長年の友だちが後見人になった

time 2023/11/05

この記事を読むのに必要な時間は約 11 分です。

両親をなくした自閉症の青年。長年の友だちが後見人になった

「誰かと家族のように仲良くなるって、一体どういうことなのか。
そして、その人が安全で幸せであることを確保するために、何をすべきなのか?」

これが、アマンダとアレックス・コンスタンタインが2020年10月に考えたことでした。
29歳の友人トニー・エドモンズが母親を失ったそのときです。

トニーは自閉症で、日常生活での支援が必要です。
運転も料理もできません。
また、お金の使い方、住む場所、仕事、そして彼にとって健康な活動を選ぶ際に代弁者が必要です。

アレックスとアマンダは、トニーを何年も知っていた友人で、彼の将来にどのように貢献できるかと向き合いました。
トニーが高校生の時に父親が亡くなり、兄弟もいないことを知っていました。

「トニーの母親は長らく病気でした」とアレックスは言います。
「明確な計画はありませんでした。
私たちはトニーのことを非常に深く心配しており、彼が一生幸せな状況にいることを望んでいました。」

アレックスとトニーは、米オハイオ州ブシラスの高校時代からほとんど離れることがありませんでした。
アレックスはトニーの体育のクラスの助手になったときに、トニーを知りました。
その後、トニーを約11000人の地元のこの町で見かけるようになりました。

「学校の外で初めて彼に会ったとき、トニーは私から離れようとしていました。
彼は気難しい男でした」

そうアレックスは冗談を言います。
アレックスはトニーのユーモアのセンスが好きで、トニーは親しくなると、いつもアレックスを特別な気分にさせてくれたと言います。

「トニーと友だちになってからは、世界で一番大切な人のように感じました」

年月が経つにつれて、トニーはアレックスとアレックスの友だちと一緒に過ごすようになりました。
彼らは一緒にスポーツバーに行ったり、バスケットボールの試合に出席したり、トニーの年に一度のお気に入りの祭りであるブシラス・ブラットヴルスト・フェスティバルを見逃しませんでした。

ビジネスの学士号を取得するために米オハイオ州立大学に通った後、アレックスはブシラスに戻り、トニーはアレックスの大学の友たちとも親しくなりました。

「楽しい時間を過ごしたね」とトニーは言います。「ただ一緒に過ごし、リラックスしたんだ。」

アレックスとアマンダは2013年に付き合い始め、アレックスが大学の3年生で、アマンダがボウリング・グリーン州立大学の1年生でした。アマンダはすでにトニーを知っていて、アレックスと多くの時間を過ごすうちにトニーとも仲良くなっていきました。

最初はアレックスとトニーが強い友情を持っていたため、「最初は少し邪魔者のような存在だった」と彼女は言います。
しかし、アマンダとトニーもすぐに素晴らしい友だちになりました。
トニーの伝染力のある笑い声は、すべての会話を明るくしました。
アマンダはこう言います。

「トニー自身がパーティーみたいなんです」

トニーはアマンダとアレックスの結婚式の案内役を務めました。
その年、アマンダとアレックスは考えました。

「トニーを養子に迎えたらどうだろう?」

トニーには親戚がいることを知っていましたが、アレックスとアマンダはトニーの自立を高める方法を探求したいと考えていました。
さらに、二人はトニーの年配の親戚も亡くなる心配をしていました。
再びトニーが難しい状況に陥ることをひどく心配していました。

アレックスとアマンダはトニーの法定後見人として、彼が健康、住居、財政の良い決定をするのを手伝うことができると考えました。

幸いなことに、アマンダの叔父に後見人の経験があり、アマンダはある程度知っていました。
そして、後見人を設定するプロセスにはかなりの手間がかかることも知っていました。
二人はいくつかの電話をかけ、アマンダの叔父と話し、その意見を聞きました。

二人は地元のクロフォード郡発達障害委員会(CCBDD)に連絡し、トニーのサービスサポート管理者であるベッキー・テイナーと連絡を取りました。
CCBDDとともに、後見人を必要とする人々と後見人になりたい人々を結びつける組織であるMid Ohio Guardianship Servicesが、トニーの法的後見人の申請に関連する裁判費用を負担しました。

2020年10月、アレックスとアマンダは一時的な後見権を取得し、トニーは彼らのコロンバスのアパートとアレックスの両親のブシラスの家に住むことになりました。
トニーは、発達障害のある人をサポートするWaycraftという会社でパッケージングの仕事をしていました。

この移行期間は、3人にそれぞれに課題がありました。
アマンダは言います。

「それは私たちの友情を変えました。
私たちはいつも遊んで楽しんでいただけでしたが、それが何か別のものに変わりました。
もう少し真剣なことをしなければなりませんでした」

さらに、新型コロナ感染拡大と母親の死という重大な変化で、トニーの日常が既に大きく変わっていました。
アマンダとアレックスは、トニーが短期的にも将来的にも、なるべく大きな混乱を避けて自立した生活ができるように、支援したいと考えました。
トニーは言います。

「私は、こんなことが起こるとは思っていませんでした」

トニーが困難な喪失を乗り越えてどのように立ち向かったか尋ねられると、

「それを理解するのは難しいです」と答えます。

アレックスとアマンダはこう言います。

「共感はできましたが、それがどんなものかはわかりませんでした。
私たちはそういった経験をしたことがありませんでした」

無期限の法的後見人になるためには、バックグラウンドチェックやその他の書類、トニーの法的同意、そして主治医の承認が必要でした。
もし二人が完全な後見権を取得した場合、トニーができるだけ制約のない生活を送るのをサポートするためのトレーニングコースも受講する必要がありました。

アレックスとアマンダは後見権の申請手続きを進める一方で、トニーが永続的に住める住居を探しました。
なぜなら、3人で、すっと二人の小さなアパートで一緒に住むわけにはいかないことがわかっていたからです。

アマンダは、障害のある大人たちが自立した生活をするための実用的なアドバイスをTikTokで紹介している、障害者と出会いました。
彼が、アレックスとアマンダはトニーをサポートして、トニーが家族と同様に暮らすことのできるグループホームを見つけるのを手伝いました。
トニーの生活費は、彼の社会保障と彼の仕事から得た収入で賄われます。

アマンダが育った場所から徒歩圏内に、トニーのグループホームを見つけることができました。

2020年11月に、アレックスとアマンダはトニーの永続的な法的後見人となりました。
アマンダは言います。

「手続きが終わり、救われましたが、これからの変化に少し圧倒されました」

アレックスとアマンダは、トニーの住居や生活環境に責任を持ち、医療の決定を支援し、友達と遊びに行く場所とタイミングを整理し、休暇を取るのが許可されているかどうかを決定するなどの問題に彼を助けています。
二人はトニーに助言し、家事を完了し、外出時に持参するお金の量など、小さな財政的な決定と、投資を始めるべきかどうかなど、より大きな決定もサポートしています。
実際、アレックスとアマンダはトニーの貯金を増やすのを手伝いました。

幸運なことに、トニーのケアのほとんどは遠隔から処理できます。
2021年6月までに、アマンダとアレックスはニューヨーク市に引っ越し、トニーの他の友人のほとんどがオハイオ全体や国中に散っていました。

「友達に会えないのは難しい」とトニーは言います。
しかし、遠くにいても近くに感じる方法を見つけています。

トニーは挨拶のカードの熱心な収集家であり、友人から送られてくるカードを大事にしています。

「母親は毎年クリスマスカードを作ってくれたけど、今はいなくなった。
だから私が引き継いでいるんだ」

そう、トニーは説明します。
トニーの母親がしていたことを引き継ぐことは、トニーが母親を思い出す一つの方法です。

アマンダとアレックスは、定期的にトニーを訪ねることを優先事項としています。
トニーは2021年10月に誕生日の直後にニューヨーク市で彼らに会いに来ました。
今年の後半には、共通の友人たちと一緒に30歳の誕生日パーティーが計画されています。
アマンダは言います。

「トニーが私たちを結びつけてくれる接着剤なんです。
トニーと一緒に、何年もクリスマス、感謝祭、誕生日パーティーに参加してきました。
私たちの家族全員もトニーを歓迎しています」

アマンダとアレックスは法的権限を持ち、トニーが決定を下し、資産の管理を助けています。
そして二人は、仲間たちがいなければ、こうしたこと支援ができなかったと考えています。
地元の町の多くの人々、高校や大学の友だち、高校の元教師、アレックスとアマンダの両親も、トニーを愛しています。
彼らは、トニーを食料品の買い物に連れて行き、予約を入れて医師の診察に付き添うことなどを手伝っています。
トニーはアレックスの両親を「ママ」と「パパ」と呼んでいます。

後見権は彼らの友情に真剣さを加えました。
しかし、3人が一緒にいるときには、笑いが止まりません。
彼らの友情は一生の絆に発展しました。
アマンダは言います。

「トニーが私たちにとってどれだけ特別な存在か、みんな知っています。
トニーは私たちの人生の一部でもあるんです」

(出典・画像:米GOOD HOUSEKEEPING

どんなに仲が良くても、ここまでしてくれる人はいないでしょう。

感謝しかありません。

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(チャーリー)


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