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自閉症の人に困難な「アイコンタクト」。必要時の練習方法

time 2024/02/17

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

自閉症の人に困難な「アイコンタクト」。必要時の練習方法

自閉症の人たちにとって、目を見て話すことは難しいことがあります。
練習やセラピーが役立つこともありますが、目を見ることだけが人間関係を築く唯一の方法ではありません。
自閉症の人は、コミュニケーション、社会的交流、行動において課題をかかえることがあります。

目を見てコミュニケーションを取ることは、人と人との非言語的なやり取りの多くの方法の一つです。
しかし、多くの自閉症の人たちは、コミュニケーションの際に他人の目を直接見たり、目を合わせ続けることが難しいと感じます。

なぜ自閉症の人にとって目を合わせることが難しいのでしょうか?

非言語コミュニケーションとは、身体言語や表情を通じて人たちがコミュニケーションを取る方法を指します。
非言語コミュニケーションの一般的な形態の一つが目の合わせ方、つまり他人の目を見る、アイコンタクトです。

多くの自閉症の人たちにとって、目を合わせることは難しいだけでなく、とてもに不快にさえ感じることがあります。
実際、自閉症の診断基準の一つに、目を合わせることのような非言語コミュニケーションに関する困難があります。

自閉症の人たちが非言語コミュニケーションスキルに課題をかかえる一因は、脳の特定の領域における違いにあるとされています。
2022年の主要な研究で、自閉症の人たちと定型発達の人たちでは、目を合わせている間、脳活動に違いがあることを見つけています。
研究結果によると、自閉症の人たちでは、目を合わせる間、脳の背側頭頂領域の活動が定型発達の人たちよりも活動が低くなっていました。
さらに、この脳領域の違いは、自閉症の人の社会的な能力と関連していました。

自閉症の人は目を合わせても大丈夫ですか?

コミュニケーションのさまざまな側面について、より多くの困難を経験する自閉症の人もいます。
しかし、多くの自閉症の人たちは、目を合わせることを含む非言語コミュニケーションを、大きな困難や不快にならない程度は行うことができます。

結局のところ、自閉症はスペクトラム障害です。
これは、それが異なる人たちに異なる方法で影響を与えることを意味します。
ある自閉症の人が直面する課題と強みは、別の自閉症の人が経験する課題と全く異なるかもしれません。

自閉症の子どもたちに目を合わせることを教えるべきでしょうか?

定型発達のたちにとって、なぜ自閉症の人たちがコミュニケーションに課題を抱えるのかを理解するのは難しいかもしれません。
しかし、私たちが特定の行動を「典型的」だと考えることを理由に、他人にそれらの行動を強制すべきではありません。

実際、自閉症の人たちに定型発達の人のように振る舞うよう圧力をかけることは、自閉症の人のマスキングにつながることがあります。
マスキングとは、自閉症の人たちが、定型発達の人のように見せる戦略です。

たとえば、自閉症の人がコミュニケーション中にマスキングを行うと、目を合わせたり、ジェスチャーや表情をまねたり、台本に沿った返答をしたり、自分のスティミングを隠したりすることがあります。
そして、自分自身の感情やニーズを抑圧することを学ぶかもしれません。

マスキングは、さまざまな方法で自閉症の人たちに利益をもたらすことがありますが、2021年の研究分析によると、不安やうつ病、アイデンティティの喪失、精神健康の悪化につながることもあります。
マスキングによって、自閉症の正確な診断を受けるのが難しくなることもあります。

他のスキルと同様に、非言語的にコミュニケーションを取ることに慣れるためには練習が必要です。
目を合わせることを学びたい、または必要としている自閉症の人は、以下を試してみるとよいでしょう。

友人と練習する:
見知らぬ人と目を合わせることに不安がある場合は、まず信頼できる人と練習してみてください。
友人や親戚と練習することで、慣れ親しんだ環境で徐々にそれに慣れることができます。

視線を調整する:
目を合わせることに慣れるための別の方法は、相手の顔の他の部分を見る練習をすることです。
たとえば、相手の鼻や唇をちらっと見ることで、その目を見ることを思い出しやすくなります。

無理をしない:
慣れていないときに目を見てコミュニケーションを取ることは不快に感じるかもしれませんが、人はそれぞれ異なる方法でコミュニケーションを取ります。
もし他のコミュニケーション形式の方が快適であれば、それもまた有効であることを覚えておいてください。

目的を見失わない:
目を合わせていると、ほとんどの定型発達の人は、相手は自分が言っていることに関心を持っていると考えます。
そのため、同様に思わせる他の行動を行うことでも、同様の結果を得ることができるかもしれません。

セラピストとの練習も、あなたのニーズと家族、同僚、またはパートナーのニーズの間で健全なバランスを見つける素晴らしい方法になることがあります。
感覚統合療法は、時に自閉症の人たちが圧倒的な刺激を処理するのを助けるために使用されます。
これは、持続的な目の接触に慣れるのに役立つかもしれません。

目を合わせることは、私たちが興味を示したり、感情を表現したり、その他多くのことをするための多くの方法の一つです。
しかし、多くの自閉症の人たちは、目を合わせることが難しい、または不快であると感じることがあります。
異なるコミュニケーションの方法もあることを気に留めておくことが重要です。
アイコンタクトに限る必要はないのです。

(出典:米healtline)(画像:たーとるうぃず)

自閉症のうちの子は、大きくなってからはよく目が合うようになりました。

まぁ、目を合わせないことのほうが多いですけれど。

私はむしろ、相手の目をすごく見てしまうほうです。

なので、相手が目をそらすと、見すぎてしまったかなと。

自閉症にかかわらず、苦手な方はすくなくないように思います。

アメリカなどでは必要性が高いのかもしれませんが、ここ日本では無理してまで、相手の目を見る必要はないでしょう。

日本は自閉症の人にとって生きやすい国ですか?心理学者の分析

(チャーリー)


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