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ADHDは親子で支え合う課題。家族の関係改善で負担を減らす

time 2025/07/12

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ADHDは親子で支え合う課題。家族の関係改善で負担を減らす

この記事が含む Q&A

ADHDの親が子どもに与える影響について知ることは、家庭環境の改善にどう役立ちますか?
親の理解と対応が子どもの行動と関係性に良い影響を与え、生活の質の向上につながります。
ADHDの子を持つ親が偏見やストレスと向き合うための効果的な方法は何ですか?
教育プログラムやサポートグループに参加し、自己理解と共感を深めることが重要です。
家族全体の関わり方を良くするために、どのような取り組みが有効ですか?
コミュニケーションの改善とレジリエンス向上を目的とした支援や活動を取り入れることです。

注意欠如・多動症(ADHD)は学校の中だけでなく、家庭の生活の質にも大きな影響を与えることがあります。
スティグマ(偏見)、慢性的なストレス、無力感などが重なり、多くの家庭はADHDというまだ十分に理解されていない特性に押しつぶされそうになっています。

ADHDは世界で3番目に多いメンタルヘルスの課題であり、子どもに最も多く見られるものですが、今もさまざまな議論があります。
実はADHDのような症状について最初に記録が残されているのは1798年で、スコットランドの医師アレクサンダー・クライトンが記述しています。

ADHDの原因については多くの研究がありますが、その診断の複雑さ、症状の多様さ、治療方法の議論が続き、今も注目され続けています。

カナダのUQO(ケベック・アウトゥエ大学)で家族学の博士課程に在籍し、約20年間臨床ナースとして子どもと家族の支援を行ってきた私は、ADHDを持つ2人のティーンエイジャーの母でもあり、毎日多くの親が同じような課題に直面していることを感じています。

2021年のイギリスの研究では、ADHDの子どもを育てる親は子どもとの関係の中でストレスや衝突を抱えやすいことが示されています。
親の対応の仕方は「批判や拒絶」に向かうか、「寛容で甘やかす」方向に向かうかの2つの道に分かれやすく、子どもとの関係に大きな影響を与えることがあります。
多くの研究で、ADHDの子どもがいる家庭では特に子どもの学校生活と家庭の生活の質が大きく影響を受けていることがわかっています。

ADHDの子どもの親であることは大きな負担になることがあります。
ADHDの症状への対応に加えて、親は周囲の偏見にも直面します。
2017年のスペインの研究では、偏見の多くは子どもの行動や治療としての薬物使用の選択に関連していることが報告されています。
しかも、その偏見は支えてくれるはずの家族や先生、地域の人々から寄せられることが多く、親は苦しさや悲しみ、無力感を覚え、怒りやフラストレーション、抑うつ感を抱え、社会的・仕事上の機能が低下することもあります。

2022年の研究では、ADHDの子どもを育てる親のストレスの一部は、自分自身の「親としての力」に自信が持てないことから来ているとされています。
ADHDの症状だけを軽減することでは、家庭の負担を減らすことには十分ではありません。
親がストレスを抱えると、子どもへの感情的な余裕が減り、子どもの発達や行動に悪影響を与え、さらにADHDの症状が増すこともあります。

ADHDは遺伝性が高いため、ADHDの子どもの親自身もADHDを持っている可能性があります。
親子ともにストレスの中で小さなきっかけで怒りやフラストレーションを抱えることがあり、それが親子関係に影響を与え、親の自信をさらに低下させることがあります。
親が自信を失うと、家庭全体の雰囲気や関係性が崩れやすくなります。
親のストレスは子どもの行動の問題、親子間の緊張、思春期の困難など、多くの課題と関連しています。

ADHDを持つ親は困難さを抱えながらも、子どもの問題に共感しやすく、子どもとの関わりにおいて寛容であることが多いという強みも持っています。
子どものADHDの特徴を理解することは、親が期待を調整し、毎日の中で必要な支援を届けることにつながります。
これにより衝突が減り、親自身のストレスも軽減され、親子関係が改善され、家庭全体の生活の質が向上することがわかっています。

また、学校年齢の子どもを育てる親向けにコミュニケーションや家族のレジリエンス(回復力)、感情やストレスのコントロール方法を学べる教育プログラムは、親のストレス管理に役立ち、子どもへのケアの力を高めることが示されています。
アメリカ小児科学会では、ADHDの診断や薬物治療の前に、親が教育プログラムを受講することを推奨しています。
これにより、親が子どもの実際の力に合わせて期待を調整し、問題行動への対応がしやすくなるからです。

子どもの集中力について現実的な期待を持つことは、親自身の考え方を変え、ネガティブな思考を減らし、日常生活を楽にします。
それが親の自信を高め、家族全体の生活の質の向上にもつながります。
これまでにも子どもの注意力を高めたりADHDの症状を軽減するためのツールは数多くありますが、家族全体の関わり方と相互作用に目を向けることは新しい解決策をもたらします。

家族一人ひとりの関係や相互作用を良くすることは、子どもの生活の質だけでなく、家族全体の生活の質も高めることができるのです。

(出典:THE CONVERSATION)(画像:たーとるうぃず)

もう、大きくなりましたが私の子は、重度自閉症で知的障害、話すこともできません。

ですが、大きく悩んだり、苦労した覚えは今までありません。幸せに過ごしてきました。

終わりなきマラソンだと思って、親子でお互い、笑顔がたくさん見れることを第一にしてきました。

それがよかったのだと思っています。

発達障害や知的障害などの子の親へ。ストレスへの5つの対処方法

(チャーリー)


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