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自閉症の子たちはITクラブでやりとりも学ぶ

time 2017/03/10

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自閉症の子たちはITクラブでやりとりも学ぶ

しばらく続いたクラブ活動の最後にパーティーを開くのはめずらしいことではありません。
しかし、発達障害の生徒たちにとっては、とても特別な時間となりました。
自閉症の5人の生徒たちは、豪ニューイングランド大学で開かれていたITクラブに参加していました。
プログラミングを学び、そしてまわりとのやりとりについても学んできました。
この自閉症ITクラブには、12歳から17歳の子たちが6週間参加しました。
豪ニューイングランド大学の脳活動研究グループのクリス・シャープレイ教授は、自閉症の子どもたちは、まわりとのやりとりに困難を抱えると言います。
「自閉症の子がいて、近くにそうでない子どもがいたとしましょう。
「ねぇ、クリス、ペン持ってない?」
そう聞かれた時には、私たちはペンを貸してくれないかと質問をされていると考えます。
しかし自閉症の子は、自分がただペンを所有しているかどうかだけを質問されていると考えます。
なので、自分が手にしているペンを見ながら、
「持ってるよ。」
と答えてしまいます。
文面どおりに理解をしてしまうために、困った状況になってしまいます。
そうして、他の子どもたちに、頭が足りないと思われてしまうのです。」
その結果、自閉症の子どもは孤立してしまい、いじめにあって、不安症やうつ病になってしまいます。
「私たちがやろうとしたことは、彼ら自身に、ただ彼らの時間を与えることでした。」
そう、ITクラブについて言います。
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自閉症の生徒は、感覚刺激に対して過敏であると診断されることも多くあります。
そのため、蛍光灯から少しの音がしただけでも、授業に集中することができないこともあります。
このように自閉症の学生が、ふだんから直面している困難に対応するために、この大学の研究者たちは、このクラブの設立と運営を注意深く行いました。
「私たちは、気が散らないように、壁に紙を貼ったりしていない、感覚にやさしい特別な部屋も設けました。
クラブの時間も、毎週同じ時間になるように設定しました。参加している人もずっと同じです。
自閉症の子どもたちが不安になるのは、予期できない、予測できない変化です。
不安になってしまうと、普通でいることができなくなってしまいます。」
そして、「IT」をクラブ活動にしているのも、考えた結果です。
「自閉症の子どもたちは、まわりとのやりとりに困難を抱えています。
代わりにITに関心を持っていることが多くあります。取り組んでみたいと思っているのです。」
「多くの子はとても明るいです。
Webを駆使して、社会的なやりとりへの困難に止められることなく、いろいろなことを学び、やりとりもできてきます。
ふだんの学校の教室の状況で抱える状況から離れることで、できるようになるのです。」
「ヨーロッパのいくつかの国際的な大企業は、自閉症の人を数百人雇用しています。
プログラムのコードをとても効率よくチェックができるそうです。
自閉症の人たちの強みです。」
ITクラブでの成果はとてもよいものでした。そのため、再び行える資金を得ています。
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このクラブに参加した子どもたちは、不安をコントロールすることの困難については20%の減少、クラスメイトとのつきあいに関わる困難は33%減少したと報告がされています。
このクラブに参加した子どもたちは、睡眠障害や落ち着きについても改善が見られました。
「このクラブが終わりになるまでの間にも、ちょっとしたパーティーは行っていました。
お互いのやっていることに興味を持って話をしていました。
そのうちに、以前には見られなかったのですが、クラブで教えている先生たちを話題にして話をしていました。
ITに対しての関心と身に付けたスキルで自信ももてるようになりました。
親からは、穏やかになったと聞いています。
学校からも、他の子どもたちと同じようになってきたと連絡を受けています。
私たちが明らかにできたのは、
自閉症の子どもたちは、よく学ぶことできるということ、プログラミングを学ぶことについては大成功しました。
そして、まわりの人たち、まわりの世界とのやりとりもよくなっていったということです。」
(出典:豪EducationHQ)(画像:pixabay)
ふだんから困難をかかえて過ごしているのに、さらに別の困難が増えるのは、なんとかしたい、なんとか避けたいと思うばかりです。
簡単ではないと思いますが、別の困難が発生するくらいなら、しばらくそこを避けて、なんとかできる気持ちや力がついてから臨むようにするべきだと、このITクラブの成果を知ってますます思いました。
自分の時間を得て、自分を取り戻し、そして進歩したこの機会、本当によかったです。
 
IT企業が学校に出張して教える活動も行われています。
Googleなどが学校で発達障害の子に教える

(チャーリー)


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