
この記事が含む Q&A
- ウェイモの自動運転車は自閉症の方にとってどのような利点がありますか?
- 繰り返し環境が一定で安心して移動でき、自立や自信につながる可能性があります。
- 自動運転車のサービスは日本でも普及予定ありますか?
- 現在は主にアメリカで展開中で、日本への導入については今後の動き次第です。
- 自閉症の方が自動運転車を安全に利用するためには何が重要ですか?
- 安心感を高めるために、環境の変化を最小限に抑えるとともに、家族や支援者のサポートが大切です。
米ロサンゼルスの西側で、「ウェイモ」という自動運転車を見かけることが増えています。
ウェイモとは、アメリカのグーグルが生み出した自動運転車の会社で、運転席に人がいない車が自動で走り、お客さんを乗せて目的地まで届けるサービスを提供しています。
まだ日本ではほとんど走っていませんが、アメリカでは実際に街の中を走り始めているのです。
このウェイモが、アメリカ自閉症協会(Autism Society of America)と協力し、自閉症のある若者やその家族のために、自動運転車のサービスをより使いやすくしていこうと動き出しました。
「新しい技術、新しいサービスの最初の段階で、自閉症のある子どもたちや家族が一緒に関われるなんて、これまでなかったことです。
いつも私たちは最後に考えられてきました」
そう、家族の一人であるフェルナンド・ゴメスは話します。
自閉症のある人にとって、バスやタクシー、電車などの移動は不安やストレスになることがあります。
予定の変更や知らない人との会話が苦手なことが多く、移動が負担になってしまうのです。
ウェイモの自動運転車は、運転手との会話が不要で、車の中の環境が毎回同じであり、安心して移動できる可能性があります。
ウェイモのシニアプロダクトマネージャーであるオーリー・スミスはこう語ります。
「今の交通サービスで困っていることは何かを家族や本人から直接聞き、その困りごとに合わせて未来のサービスをデザインしています。
ただ想像で作るのではなく、実際に役立つものを届けたいのです」
アメリカ自閉症協会のクリスティン・ロスはこう言います。
「自動運転車で自分だけで移動できることは、自信を持つことにつながり、人を元気づけます。
病院や療育、友人との約束にも、自分のタイミングで行けるようになり、これまでは家族や公共交通機関に頼っていた人が、自立した行動を取れるようになります」
『Journal of Autism』に掲載された研究によると、自閉症のある成人のうち運転免許を持っている人は33%にとどまります。
しかし、多くの人が仕事をし、学位を取り、独立して生きていくことを望んでいます。
そして、自閉症の診断は本人だけでなく家族全体に影響します。
大人になっても移動のサポートが必要になることが多く、親が退職後の生活を考え始める時期になっても、子どもの病院や用事の付き添いが続く家庭は少なくありません。
ゴメスはこう言います。
「息子のオスカー・アントニオが自分自身でどこへでも行けるようになることは、とても大きなことです。
親がいつも付き添わなくて済むようになることで、家族の負担がとても軽くなりました。
本人が自分らしく生きることができるのは、私たちにとって非常に大切なことです」
ウェイモの自動運転車は、自閉症のある若者にとって安心して使える移動手段となり、本人の自立を支え、家族の負担も減らす可能性があります。
未来の移動手段として進化し続けるこの技術が、自閉症のある人たちの新しい可能性を広げていくかもしれません。
(出典・画像:米abc7)
もう、米国や中国では無人タクシーが走っています。
たしかに、自閉症や知的障害などの方の自立、行動の機会、範囲の拡大を大いに助けてくれる交通手段となりそうです。
日本でも早くこんな自動運転の自動車、交通手段が普及することを願っています。
(チャーリー)