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親が会話のしかたを学ぶことで、発達障害の子の言葉の能力が向上

time 2018/03/19

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親が会話のしかたを学ぶことで、発達障害の子の言葉の能力が向上

親たちが会話のしかたを学ぶことによって、発達障害の子どもたちの言葉の能力が向上したという研究が発表されました。
親たちは、子どもが何に注目するのかを意識すること、言葉やおもちゃで楽しませる方法を学びます。
この方法はJASPERと呼ばれている発達障害の子ども向けの行動療法の一つです。
きちんとした療法士により行われれば、社会的スキルとコミュニケーションスキルが改善することが知られています。
今回の新しい研究は、発達障害の子の療育のために親に学んでもらうものです。
このアプローチは療育を子どもの日常生活に取り入れることをできるようにします。
しかし、親に学んでもらうというこのアプローチでの有効性についての研究は今までほとんどありませんでした。
今回の新しい研究はそれを確かめるものとなります。
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米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の発達と心理学の教授、コニー・カザリはこう言います。
「親が実際に療育を行いました。親も療法士と同じように方法をマスターすることができていました。」
また、親たちが療育の方法を完全にマスターしなくても大丈夫なこともわかりました。
少なくとも75%の技術を学べば、子どもは改善したのです。
米ボストン大学の自閉症研究センター長のヘレン・テイガーフラスバーグはこう言います。
「これは重要な発見です。
親たちに、療法士と同じようになれるはずと伝えたら、それは喜ばれるはずです。」
コニーと研究チームは、20単語未満しか話せない5歳から8歳の22人の発達障害の子どもたちに研究に参加してもらいました。
発達障害の子どもたちは、6ヶ月の間、JASPERの療育を受けました。
療法士が最初の3ヶ月間の療育を担当し、親たちはそれを見て学びます。
その後の3ヶ月間は親たちが療育を行いました。
親たちは、例えばおもちゃを手の届かないところに置いたり、おもちゃで予想外の遊び方を行ったりすることで、子どもとコミュニケーションを行う方法を学びました。
また、子どもが遊んでいるときに話そうとした言葉を繰り返し話すように教えられています。
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毎月、研究チームはおもちゃを使って子どもと親が遊んているところを10分間ビデオに記録しました。
そして、このビデオの中で子どもたちが自発的に何回話したのかを集計しました。
また、それぞれの発話をおもちゃが欲しいというような「要求」なのか、親に注意を呼びかけるなどの「コメント」なのか2つのタイプに分類しました。
「コメントは難しいスキルになります。言葉の少ない発達障害の子どもには少ないものです。」
そう米オレゴン大学の特別支援教育と臨床科学の助教授のステファン・シャイアは言います。
今回の研究では、研究を開始したときには、子どもたちはどちらのタイプも平均して4つの言葉を話していました。
それが、研究の終了時にはどちらも12以上の言葉に増えていました。
Journal of Autism and Developmental Disordersにて発表されています。
そして、コメントの数も増えていました。
子どもたちは最初の頃のビデオでは、コメントタイプの発話は1回でした。
それが最終的には5回以上に増えていました。
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研究者たちは、親がJASPERの療育方法をどれくらい正しく行えているかも評価しました。
53項目のチェックリストを用いて得点をつけました。
平均して、親たちは70%程度を正しく行うことができていました。
さらに、親たちが正しく行えているほど、子どもたちの改善度合いも大きくなっていました。
正しく行うことが75%できている親、10人については子どもたちのコメントタイプの発話も大幅に増加していました。
米カリフォルニア大学デイビス・マインド・インスティテュートの精神医学と行動科学の教授、オービン・スタマーはこう言います。
「子どもたちが、有意に改善するためには親たちがどの程度、療育方法を習得する必要があるかが、わかるようになる研究です。親たちがどれほどできれば、子どもたちがどれだけよくなるのかは、今までデータがありませんでした。」
研究者たちは、子どもたちが改善した理由を理解するために、75%以上療育方法を習得した親たちと、そうでない親たちについて比較を行いました。
そして、高く習得している親たちは、子どもたちを遊ばせることができ、遊びの間にコミュニケーションをとることが多くなっていることを発見しました。
そして、今後の研究では療育方法の中でも特にどういったことが、子どもたちのコミュニケーションスキルの向上に役にたっているのかを探りたいとしています。
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(出典:米SPECTRUM)(画像:Pixabay
うちの子は全く話すことができません。
適切な方法かはおいて、いつも一緒に何かをして話しかけています。
いつかお話ができたらいいなと思っています。
うちの子の同級生の子は、小さかった頃はうちの子と変わらないくらい話すことができていなかったのですが、大きくなってからお話をするようなりました。
とてもママが頑張っていたように思います。親も子も人それぞれですが、やっぱりそういうこともあるのだと思います。

(チャーリー)

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