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成人でも脳は変化。発達障害の困難は幼児期でなくても改善できる

time 2018/04/01

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

成人でも脳は変化。発達障害の困難は幼児期でなくても改善できる

テキサス大学の脳健康センター脳パフォーマンス研究所がジョージ・ワシントン大学、イエール大学との共同予備研究で、自閉症の青少年向けのバーチャル学習システムによって社会的な能力が向上したことを伝えました。
そして、社会的な感情に関わる能力や認知能力の向上によって、実際に脳が変化したことも示しています。
共感する力の向上とそれによるメリットから、社会的な認知に関わる脳の部分の活動の増加が認められたのです。
行動の変化と実際の脳の変化との関係についても、これまで十分な研究はなされていなかったため、この研究は高機能自閉症の若者たちの行動を改善することで、関連する脳神経に実際に変化を及ぼすことを初めて示すものとなりました。
これまでの自閉症についての研究は主に幼児期の子に注目するものであり、そして行動を観察したり、報告を聞くことで治療の効果を測定していました。
「脳が変化するということは、発達障害の成人では注目するべきことです。
というのも、『成人になると脳は変化しなくなる』という前提で発達障害の成人への対応が行われてきたからです。」
そうジョージ・ワシントン大学の自閉症及び発達障害研究所の助教授、ダニエル・ヤング博士は言います。
テキサス大学の脳健康センターの創設者であるサンドラ・ポンド・チャップマン博士はこう説明します。
「今回の研究の大きな成果は、『幼児期を過ぎると社会的な困難に関わる能力を改善することは難しい。』とするこれまでの考え方がくつがえる可能性を示したことです。
『成人になっても、社会的な困難に関わる能力を改善することができる。』
そう私は信じています。」
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高機能自閉症の若者たちが、5週間にわたり合計10時間、テキサス大学の脳健康センター脳パフォーマンス研究所で行っている「カリスマ」と名付けられたバーチャルリアリティシステムによるトレーニングに参加しました。
バーチャルの世界でキャラクターと対話をし、医師からリアルタイムにアドバイスをもらいます。
そしてトレーニングを受ける前、受けた後でテストを受けました。
このトレーニングによって、研究に参加した発達障害の人たちに次のような変化があったことを、関係する脳の領域の活性状況から確認できました。
1.発達障害では他人の意図を理解することが困難となっていることが多いが、このトレーニングを行ったあとでは、関係する脳の部位が、人とのやりとりをするときによく活動するようになった。
2.他人の感情を理解する能力が向上し、人とのやりとりに注意を払えるようになった。
3.目に入っても、人とのやりとりに関係していないものには、注目をしないようになった。
チャップマン博士は、バーチャルリアリティによる学習システムは、複雑な社会環境に対して、練習を必要とする多くの人たちへの治療を変える可能性があるとも述べています。
(出典・画像:米EurekAlert!
幼児期を過ぎても、発達障害による困難を改善できる可能性を示す研究です。
うちの子は全くお話することができません。
けれど、いつか会話できたらとずっと思っています。
私のそんな願いを応援してくれる研究です。
VRで発達障害の人が選択できるようになる

(チャーリー)

 


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