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抽象化して考えることが困難なため発達障害の人は不安をかかえる

time 2018/06/28

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

抽象化して考えることが困難なため発達障害の人は不安をかかえる

発達障害の人たちが直面している人とのコミュニケーションにおける困難の理解は進んできました。
しかし、発達障害の人たちがもつ、こだわりや執着と常同的反復的な行動についての理解は遅れているように思われます。
これらの状態や行動には、2つの異なる次元の要素が含まれています。
一つは、極端に決められたことを求める思考です。脅迫観念や、同じ状態であることを求める強い欲求です。発達障害そのものが要因と考えられます。
もう一つは、テレビや映画で発達障害の人の描写によく使われる、手をひらひらさせるなどの独特な動作です。これは認知や感覚にかかえる問題が要因として考えられます。
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発達障害の人の多くは抽象的に考えることが得意ではありません。
情報をありのままに処理するために、言葉にすること、自分の考えを言葉で説明することが簡単ではありません。
また、自分の存在と相手の存在を抽象化し同一化して、相手の立場になって考えること、つまり相手が何を考え感じているのか推測することも困難です。
また、何かの変化に直面すると、それを抽象化して類似の経験を引き出すことができないために、大きな不安となってしまいます。
発達障害の人は、そうでない人が当たり前のことのようにわかる相手の感情や期待、つながりなどについては、それを認識することが弱いかできないのです。
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そのために発達障害の人は大きな不安をかかえてしまいます。
さらに、その自分の気持ちを抽象化して「不安」として認識することもできないのです。
毎日、まっくらな洞窟で突然、見知らぬ人に会ったり、戦争の状況下で敵か見方かわからない人に出会うことを考えてみてください。
「不安」を認識することができれば、対策がとれます。不安を和らげることもできます。
しかし、不安を認識できなければ、不安な気持ちは大きくなる一方です。
発達障害の人は、この不安を避けるために、変化を嫌い、こだわりや執着をもつのです。
この傾向がより強くなると、まるで儀式のような決まった、常同的反復的な行動をするようにもなります。
まわりの世界からの騒がしさから逃れるために、それは止まりません。
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しかし逃避は、さらに不安を増やしてしまうサイクルにはまってしまう危険性をもたらします。
例えば、発達障害の子が学校を卒業すると、大きな変化から大きな不安をかかえてしまいます。
それから逃げるために、ゲームにはまり、ゲームばかりすることで変化に対応することがますますできなくなり、さらに不安が増大し、またゲームをし続け、ゲームをしなければならないという強迫観念をもつまでになってしまうことがあります。
まわりの人の言葉、気持ちや期待を認識することが難しければ、さらに複雑で深刻な問題になってしまいます。
これまでの研究では、仕事、学校、家族、それらに変化が起きたときにこのような事態が増えてしまうことを伝えています。
発達障害の人の不安レベルが増大している場合には、まわりの人とのつながりも難しくなっており、こだわり、執着、常同的反復的行動に支配され、ますます人とのつながりも困難になっていく可能性があります。
そうした場合には専門家によるケアを求めてください。
専門家は効果的に不安を減らし、こだわりや執着の対象を広げていくなどして、発達障害の人を支援していくことができます。
(出典:豪THE CONVERSATION)(画像:Pixabay
抽象化することは苦手。
それはよく見聞きして知っていましたが、そのために自分の不安な気持ちも、不安として括れないために生ずる困難もあるのですね。
うちの子も小さな頃から、ずっと手を動かし、体を動かしています。
テーブルにつくと、いろいろなものを何かのルールに従って並べだします。
お話ができないため、それも抑えてしまったら、伝える方法が何もなくなってしまうと考え、まわりに迷惑がかかりそうな状況を除けば、特に止めさせませんでした。それでよかったと思います。
そうして、手や体を動かしているときは笑顔も多いですし。

(チャーリー)


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