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発達障害の人には他の人と同じことを求めず強みを発揮してもらう

time 2018/11/07

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発達障害の人には他の人と同じことを求めず強みを発揮してもらう

発達障害の人の多くがフルタイムで働くことができていません。
仕事の困難については、私も40年もの間経験してきました。
発達障害は生涯続くものです。治ることはありません。
学校では私はひどい呼ばれ方をしました。8回も学校を変えています。
先生は、私が言葉ではないコミュニケーションがわからないことを理解できていませんでした。
私は学校を変えざるを得なかったのです。
そして、暗唱が重要となる学校の勉強は私には困難なことでした。
音での情報処理が私には難しいのです。
興味のあることについては長い時間集中して取り組むことができました。
しかし、先生はそうしたことを広げてくれようとはしませんでした。
私は理解されないまま、いつも叱られていました。
それでも、私の母は決して私をあきらめることがありませんでした。
母は別の学校に変え、私に教育を受けさせ続けたのです。本当に感謝しています。
学校での辛い経験がトラウマとなり、私は27歳になるまで28回も転職をしました。
しかし最後には、47歳になるまでの15年間ずっと働き続けることができた仕事を見つけました。
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こうした経験をして現在私は、発達障害の人たちの就業率を向上させ、発達障害の人たちが楽しんで仕事ができるようになるための研究をオーストラリアのサザンクロス大学で行っています。
発達「障害」といわれますが、本当に障害なのでしょうか?それは誰を基準に考えているのでしょうか。
カナダのモントリオール大学の精神科のローレント・マトロン教授は、発達「障害」という捉え方に反対をしています。
持っている特性を変更させる、反復的な行動をやめさせる、こだわりをなくそうとする、そうしたことにつながるのが理由です。
こうしたことは、発達障害の人が仕事をしたときに出せる成果に何も貢献をしないとマトロン教授は述べています。
私の場合を振り返ると、先生や仕事の上司が私を「正常」にしようとする試みで、私はパニックを起こし、むしろ障害の人になりました。
そして、私は排除されて、辞めなければならなかったのです。
私はマトロン教授のように発達「障害」と捉えず、そうした人たちが持っている能力や強みを発揮させるために研究を行っている人たちに全く賛同しています。
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ギャロップ社の調査によれば、毎日強みを活かせている人たちは、そうでない人に比べて、生産性が8%以上高く、離職率は15%も低くなっています。そして、6倍もの人が仕事を楽しみ、3倍もの人が毎日を楽しく感じています。
そして、その人が持っている強みを活かし評価できることは組織全体のパフォーマンスも向上させています。
発達障害の人たちの弱みに焦点をあて孤立させてしまうことは、何も良い点がありません。
発達障害の当事者として個人的な経験をよく振り返りながら、私は文化的、政治的、社会的な理解を多くの人にしてもらうために研究活動に取り組んできました。
発達障害の人の職場での成果を高めるためには3つの重要なポイントがあると考えます。
1.強みを活かすこと
職場で有意義な生産活動につながる、発達障害の人がもつ知識、スキル、意欲を支援するのです。
例えば、予測できるいつも同じに行うことをよくできるようになってもらう、一方で変化する予測できないことについては、対応する計画をたてることで、営業で能力を発揮した人もいます。
発達障害の人がもつ強みには、目標が明確、ずっと続けて行える、分析能力、論理的な思考などがあります。
そして、他の人と同じようなやりかたを求めないことが重要です。
2.すべての人を尊重すること
この考えは、ピーター・ドラッガーが提唱した知識労働の生産性理論に基づくものです。雇用する側は与える仕事を決めますが、それを最も効率的に行うように工夫できる自由を与えなければなりません。
私は自分にしかできないことを提供する代わりに、他の人たちとは同じようにはできないことを認めてもらっていました。
そのおかけで、私はそれまでよりもはるかに長い間そこで仕事を続けることができました。
3.パニックを引き起こす原因を知り、避けるようにしてください
他の人にはわからない理由で、発達障害の人はパニックを起こしてしまう可能性があります。
予期されなかったできごとの変化、人の態度、視覚や聴覚からくるストレスなどです。
私と上司は、強いストレスを引き起こしてしまうような問題については第三者を交えました。
そうすることで、私は辞めなければならないと思う気持ちを抑えることができたのです。
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もう社会のレベルは変わっているはずです。
発達障害の人を変えようとするのは、左利きの人やLGBTの人を矯正しようとするのと同じです。
それは残酷で、不自然です。そしてうまくいきません。
それは相手を認めようとするのではなく、排除しようとするものです。
私たちは、発達障害の人たちが経験する深刻な社会的、雇用上の不利をもたらしている発達障害の特性をネガティブなものでなく、ポジティブな、人類の資産だともう理解できるはずです。
雇用側、管理職の態度や行動を変えることで、発達障害の人の特性を強みとして活かすことができるのです。
(出典:豪THE CONVERSATION)(画像:Pixabay
これがダイバーシティ、ニューロダイバーシティだと思います。
同じことを求めるのなら、違った人に来てもらったメリットがありません。デメリットにしかならないかもしれません。
違った考え、やり方を認め、発揮してもらってこそメリットがあります。
違う人たちを採用しても、違うやり方、違う考えを認めることのない、法定雇用率や社会貢献のお題目だけを気にしているような、かたちばかりの企業や職場の状況を、ダイバーシティ、ニューロダイバーシティと呼びたくはありません。
発達障害の人は人類みんなの進化をともに歩んできた違う人たち

(チャーリー)

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